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「サーフィンにこの先進化はあるか」- F+

F+(エフプラス)

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写真は猫のシンクロ。こういうものを眺めていると、すっかり隠居生活がしみついてしまい、もういいかな~、という気になってくる。弱る、というのとはまた違う感覚だ。

「つのだゆき」がやりたかったのは、自分がハマったサーフィンというものの世界の頂点の真実を見てみたい、ということだけだ。それはとっくの昔に達成した目標だ。
「つのだゆき」が「つのだゆき」として、その時代のサーフシーンに向けて伝えるべきと思うことはすべて伝え切ったと思うし、これ以上求められる筋合いもない。

何しろ私のスタンスで私のやってきた仕事をするとなると、万年赤字で持ち出しだ。自分が他の仕事で稼いだお金をすべてつぎ込んでほかの何かをやりたい、という奇特な人などいないと思う。たとえそういう奇特な人がいたとしても、今の管理されたサーフコンペシーンでは、私が歩いてきた時代のような見方や選手との接し方はできないだろうし、できたところでアンディやケリーのような強烈な個性はもう見あたらない。作られたイメージを拾ったところで、面白くもなんともないだろうし、そこに私財を費やすなんて馬鹿げている。そういう意味で、「つのだゆき」は実に運がよかった。モーメンタム世代、ニュースクール、プリスクール、アンディ、ケリー、クーリーキッズにブラジリアンストーム……この先これ以上の何かが継続するようには思えない。ある意味みんな管理されすぎだから。

1988年新島でのCTでシェーン・ホランを取材する「つのだゆき」 Photo: GORDINHO

何事も疑うことがすべてだ。「つのだゆき」には「つのだゆき」を演じている私がいる。選手だってみな同じだ。選手のSNSだって、プロの手によって管理運営されていることが多いし、コメントだって広い意味ではコントロール下にある。WSLの登録選手たるもの、WSLの批判をしてはならないのだから。
よって、選手個々の本音を知りたいという話になれば、様々な手段を使って友達になるしかない。そこには取材する人、される人ではなく、ファンとスターではなく、対等の関係が必要で、握手してサインなんかもらっている場合ではない(笑)。
まぁ、これも私のやり方、考え方なので、ほかのやり方もあるかもしれない。
でもなぁ、絶対におススメはしないな。生活の糧にはならんもの。しかも知ったところで、誰もが普通の人間なだけだから。

よく、日本のサーフィン界を何とかしてくださいとかいう人がいるけど、それは何とかしたいと思うあなたがやればいいんじゃないでしょうか、といつも思う。私はサーフィン界をよくしようと思って何かをやったことなど一度もない。自分が見たもの、聞いたこと、知ったことを自分なりに考え、比較分析し、文章と写真を使って一方的に伝えてきただけだ。辛口もへったくれもない。正直なところ、誰が何をしたところで、なるようにしかならないとも思っている。個々の考え方に甘いも辛いもないし、いい悪いもない。あるのは、何か言われたときにきちんと説明できる論理、知識、裏付けと、それを受け止める覚悟だけだ。自分は安全地帯にいて、私を矢面に立たせるのはやめましょう。矢面、痛いんで(笑)。

質問:サーフィンにこの先に更なる進化があるとすれば、具体的にどのような進化か。

エアーはさらなる進化を遂げるんだろうなと思う。フルローテーションがファイブフォーティになり、720、1080と回転数が増えていくとともに縦回転横回転が絡み合い、スノーボードのハーフパイプ競技的進化を遂げていくことになるんだろうと思う。エアーというのは比較的新しい技術なだけに、伸びしろも残されていると思う。

CTメキシコ戦でアーリーウープをメイクしたロボ Photo: WSL/Heff

それ以外ではパドルインのビッグウエイブの可能性とかかな。
ただし、生身の肉体の限界はあるので、サーフィンサイボーグ化がどこまで進められるのかもあるだろうし、選手生命を縮めてまでそこを攻めていくべきなのかどうかは、個人的には疑問だ。私はサーフィンはアクロバットじゃない、と思うほうなので、流れるような美しさ、スタイル、存在感重視(笑)。サーフィンでその人の内面が表現できたら素晴らしいと思う。

F+編集長つのだゆき

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