ベティルー・サクラ・ジョンソン Photo: WSL / Damien Poullenot

「海外育ちの日本ルーツ選手がもし日本育ちだったら」- F+

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来年のことを言うと鬼が笑うんだろうけど、笑ってもらいましょうww

コロナから2年ぐらい、国内でのWSLの試合がなかったわけだけど、WSLアジアパシフィックのリリースによれば来年3月21-27日に釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ(志田でいいじゃんねぇ。海岸とビーチ重複だし……といつも思う)男女のQS1000イベントが行われることになった。
1000じゃ意味ないじゃん、と思う向きもあるだろうけど、世の中は通常の状態ではないので、この1000は10000と同じぐらい重い。

日本ではコロナひと段落ではあるけど、世界的にはまだまだで、QS選手があちこち世界中を転戦して回る、という状況には程遠い。よって、QS世界ランキングでCS(チャレンジャーシリーズ)の出場権を決めるという従来の方法は取れず、リージョンごとに枠を決めて出場権を振りわける方式が継続している。日本が属するアジア枠は男女各6名。アジアの競技人口をかんがみると、女子6名って超広き門かな、と思う。超ラッキー。で、まぁとにかく、予定されているのはこの1試合なので、最初で最後というか、リリースによれば最終戦となっているので、ここで決まっちゃうのかな、と思う。

そういう意味では1000だろうが5000だろうが、構わない。この3月の一年中で一番寒い(気温は上がるが水温が低いままなので、体感はとても寒い)志田を征したものがCS出場権を得ることになるのだろう。まぁ、何はともあれ、めでたしめでたし。

●質問:日本人とのハーフだったり、海外で生まれ育ったサーファーの活躍が目立ちますが、彼らが活躍できているのはフィジカルの影響?それとも育った環境?
もし彼らが日本で生まれ育ったとしたなら、今のように活躍できているのでしょうか?

今シーズン、日本とオーストラリアの2国旗を付けてCT出場していたコナー・オレアリー PHOTO: © WSL/Dunbar

活躍できているケースもあるだろうし、できていないケースもあると思う。しょせんどんな環境にあろうが本人の問題だと思う。海外で生まれ育ったDNA的に100%日本人とかハーフのコンペティターが全員成功しているわけではない。取り上げられて成功をニュースとして知ることができるのは全体の中のごく一部でしかないので、そこを錯覚してはいけないと思う。
ただ、最近つくづく思うのは体格のハンデというのはやっぱあるよなぁ、と感じる。昔はサーフィンは脚が短くて重心が低く、小柄で体重が軽く動きが素早い選手に有利だった。しかし、オウエンやジョーディのように長身で体が大きく重い選手が、小柄な選手と同じようにスピードのある動きができるようになってしまうと、その手足の長さや動きの大きさは、どうにもこうにも追いつかないし、そういうダイナミックなサーフィンは小柄な選手には不可能かな、と思う。特にマンオンマンとかで比較しちゃうとどうにもならない。

イタロとか小柄だけど、その並外れたスピードとエアーでワールドチャンピオンなんだと思う。でもやはりターン勝負になれば長身のガブやジョンジョンとかのほうがダイナミックに見えてしまう。どんなに努力しても体格(身長や手足の長さ)は変えられないので、フィジカルの影響は少なからずあると思う。
大谷のように、フィジカルで日本人の枠を越えている選手の登場が待たれるところだが、大谷にしたって、その恵まれた体格の上に本人の血のにじむような努力の末の話であって、この努力という部分で、環境というのは影響するのかなと思う。

例えば、ちょっとうまくなればそのエリアで一番になってしまうようなサーフィン人口の少ないエリアのサーファーと、志田のようにプロサーファーが常時ウロウロしているようなエリアのサーファーでは、おのずとその努力目標も満足度も変わってしまうと思う。刺激があるかないか、上がいるかいないかで、努力の度合いが変わる。人間スキあれば満足して休みたい動物なんで。まぁ、激戦区の弊害としては、レベル高すぎてさっさとあきらめてしまうケースの多発もあるだろうけど。

海外ではもう10年以上前から常識だった筋トレも、当時日本国内ではほとんど見られなかった。だから周囲の影響を受けて筋トレマストになるか、やらないになるかは環境が左右することかもしれない。でもそれでも、少しでも自分の向上のために何ができるかを常に考えているサーファーなら、周りに関係なくあらゆる面で努力をするだろうし、その中に筋トレは入ってくるはずだ。

結局フィジカル面以外は、どんな環境にいても本人の意識の問題だと思う。私は環境は大事ではあるけど、環境だけじゃどうにもならないと思うし、どんな環境にあっても恵まれたフィジカルと常時努力をする意識の高さがあれば、成功の可能性は高くなると思う。
同じ場所にいても、見ているものが違えば行く先は変わる。どこにいるか、ではなく、どこを見ているか、何を見ているか、だ。本人の意識が低ければ、高い意識を持つ指導者が本人を引きずっていく。素直に指導者の言うことを聞けるというのは、トップアスリートのひとつの才能だと思う。

Photo: snowy

写真はみっくんの「お座り、待て」の最長不倒記録。保護犬でもね、意識の高い指導者がいれば……ww

F+編集長つのだゆき

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