Photo by Kenji Iida

板が動いていることを見るのではなく、動かし方を見ないといかん

F+(エフプラス)

釣ヶ崎海岸、志田下ではコンテストゴールデンウイークが明けたのに、まだあるか、の第4回なみのり甲子園。いくら夏休みとはいえ毎日のように大会漬けのキッズ、ジュニア、といった様相だ。
いやぁ、見たなぁ、日本の若手。5年先、10年先のトップ選手の卵の現状をホントくまなく見た。もうねぇ、ちょうどキラキラネームって言葉が世の中に出てきたころに生まれた子供たちなわけで、マジみんなキラキラで書けない読めない(笑)。あちこちサーチしてその字を知ったところで、どうやったらそれが単漢字で出てくるかすらわからんわけで、この年代はみんなカタカナ表記でお願いします、と言いたい。ライター泣かせ。

海の向こうでは、たとえキラキラでもアルファベットさえ知っていれば書ける人たちのチャレンジャーシリーズ、USオープンが終了。

(イーライ・ハンネマン)PHOTO: © WSL/Pat Nolan

メンズはマウイのイーライ・ハンネマンがCS初優勝。エアー2発でマニューバーに勝るグリフィンの弟、クロスビー・コラピントを下してランキングを大幅にアップし、クオリファイ圏内の4位につけた。10000ポイントって大きい。クロスビーも3位なので、来年は兄弟CT濃厚。残すところCSもポルトガルのエリセイラとブラジルのサクァリマの2試合だ。

ウイメンズはサンクレメンテのソイヤー・リンブラッド。サリー・フィッツギボンスを下してこちらもCS3位までランキングをあげた。しっかりした身体つきでパワフルなターンをするソイヤーはまだ17歳、ベタなジュニア。昨日までの大会漬けで見ていた日本の人々と土俵が同じ、って考えると、もう、どげんかせんといかん、だわな。
イーライだって20歳だからね。

(ソーヤ・リンドブラッド)PHOTO: © WSL/Pat Nolan

WJCとかWSGとかってけっこう日本のお家芸というか、日本のジュニアたちの活躍が目立つ場所ではあるんだけど、現実問題そこに出て負けている他国の選手だとか、そこに出ていない選手だとかが世界にはいっぱいいて、単純にそのジュニアの世界の晴れ舞台の結果だけで日本の未来は明るいとか思っているノーテンキな人がいたら、あなたのサーフシーンはノー転機っすよ、と言いたい。

結果とかではなく、サーフィンそのものを比較したら、もう別世界だもんな。イーライとかソイヤーとかを、20歳、17歳あたりの日本人トップ選手のサーフィンと比較すると、もうなんか世界残酷物語というか、何をどうあがいても無理にしか見えない。
ほんと、日本人のサーフィンをどげんかせんといかん。
小柄で軽い子供の、板が動いてるだけのサーフィンと、しっかりレールで回って、板が傾いてるからスプレーが出てるサーフィンの差をもっともっとしっかり見て、もっともっと点差をつけないと、みんな板が動いてるだけのサーフィンになっちゃう。特に波が小さいとき、まぁ、日本の試合ではほとんどがこのコンディションなんだけど、そういうときにはついつい板が動いている、回っていることを重視しがちになるけど、回し方やトップでの加速の問題はしっかり見ないといかんのではないかと思う。そこを問題にしてこなかったから、今の日本のサーフィンがあるのだと私は思っている。
まぁ、選手たちがどこを見ているのかも問題ではあるけど。
コロナから数年の間に世界は大きく変わった。その変化を正確に理解している選手が何人いるんだろうか。みんなラインが昔のまま、あのラインではもう点もらえないのになぁ。でも国内では古いラインの人同士の戦いになるので、気付くの難しいかもね。みんなそれなりに国内では有名選手になっちゃってるし、満足はしちゃうだろうし。

F+編集長つのだゆき

blank

「国内外サーフィン界の最新トレンド・ニュースを読み解く」をコンセプトに、最新サーフィンニュースをお届けします。

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。