Photo: THE SURF NEWS / Kenji Iida

2022 CS出場選手のライディング映像&インタビュー「QS1000 アジアオープン」

3月27日に千葉県一宮町の釣ヶ崎海岸(志田下)で閉幕したQS1000「アジアオープン」。稲葉玲王、脇田紗良がそれぞれ自身初のQS優勝を飾り、男子4名、女子5名の選手がチャレンジャーシリーズ(CS)への出場権を獲得した。

2022年CSへの出場権を得られる唯一の試合となった今大会には、国内のトップ選手達がコンディションを最大限に調整して参戦。トップシードの選手であっても1ヒートも落とすことのできない緊張感のなか、優勝者の稲葉玲王や脇田紗良をはじめ、村上舜、脇田泰地、上山キアヌ久里朱、都筑有夢路、野中美波、松永莉奈が自力で勝ち上がりCS出場権を獲得。女子1名分のワイルドカードは、昨年CSランキングで日本選手1位だった松田詩野が獲得した。

その一方、昨年CSを周っていた大原洋人や西修司、黒川日菜子、前田マヒナや、昨年のJPSAグラチャンだった西慶司郎と松岡亜音等の有力候補も、CS出場まであと一歩及ばずの結果となった。

そんな熾烈な戦いをくぐりぬけ、最終日までたどり着いた選手達のヒートハイライト映像を公開。CS出場権を獲得した選手達のインタビューもお届け。

稲葉玲王

「(地元での優勝を表すと)最高しか出てこないです!」

「(大原洋人とのヒートは)もう一番勝負どころでした。一番の強敵なので。(最後のポイントコールを待っている間)自分は上がっちゃって、最後の見られなかったんで、どんなライディングだったんだろうとちょっと怖かったです。でも、その前に洋人が乗ろうとしたのをブロックして自分が8点出したので、あれ乗らせてたら絶対逆転されてたし、自分のできることはやったので、逆転されてもしょうがないというか、やり切ったなっていう感じでした。」

「(CSへの出場権を得て)やっとスタートラインに立てました。ここは全然メインじゃない。やっぱりCSがメインで、世界を本格的に周り始めて4~5年目くらいになるので、しっかり結果残して、WCTに入りたいと思います。今年こそは絶対。」

「8戦あると体力も財力も大変ですけど、何年も回ってるんで、そこらへんは慣れてきてると思うんで、勝つことだけに集中してできればなと思います。」

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脇田紗良

「QS優勝は今までなかったので嬉しいです。」

「(ファイナルでビーチを走っていた時)すごく緊張して、焦りもあって、アムちゃんは乗ったらきめられる選手だったので、やばいなっていう気持ちでした。結構体力も奪われてましたが、途中で(中塩)佳那が来てくれて、”いけるよ”と励ましてくれました。」

「優勝して担がれることがサーフィンの醍醐味。コロナ禍でビーチ凱旋が出来ない時期があって、JPSAで優勝した時も担ぐの禁止と言われていたので、やっとここで優勝できて、担いでもらえて気持ちよかったです。」

「(CSが8戦に増えたことについて)やっぱりパッて浮かぶのは金銭的な問題ですね。あとは、8戦やったとしても1試合1試合大事にして、次を考えすぎず、今の自分のチャンスを掴んでいけたらと思います。色んな波もあると思うけど、ビーチブレイクやポイントブレイクでも活躍できるオーバーオールに強い選手になりたいです。まだ今年20歳で、全然まだまだサーフィンを出来る年数はまだあると思うので、今年も自分の経験を伸ばしていきたいです。」

Photo: THE SURF NEWS / Kenji Iida

村上舜

「この試合はCSのイベントに出るために勝たなきゃいけない試合だったので、せめてSFにということを聞いてたので、決勝行って少しほっとしちゃったかな。でも結果には満足しています。」

「今回の大会は勝たなきゃいけないというプレッシャーがあって、凄く硬くなっちゃって、自分のサーフィン1試合も見せられなかったと思います。次のジャパンオープンではせっかくプールでやるので、みんなを唸らせるようなライディングができたらいいですね。」

「(CSが8戦に増えたことについて)その分チャンスもあるってことだと思う。安定して結果出すことが自分の課題だから、疲れが出てきちゃって1戦落としちゃうのも凄くもったいないし。集中力を維持してがんばりたいなと思います。2戦目のマンリーとかは一昨年の成績が悪くなかったので、そこは確実に勝ちたいなと思ってます。でもCTに入ること考えてたら、場所なんて選んでられない。何処でも勝てるようじゃないとダメだなと思っています。」

「もう俺本当にコンペティターも終盤に来ているなって。今が一番ピークって感じられるから。まだ伸びしろは感じられるけど、十分戦えるレベルにいるなって思うから、去年からこの1~2年がすごい勝負で、もしCT入れなかったらこの先はまた考えようかなと思います。順位が付くのとか、プレッシャーが凄い嫌いで、自分のサーフィンして楽しめる時がすごい少ないから、試合はやっぱりあまり好きじゃないです。でも今しかできないことって何だろうなって思ったときに、試合をやるだけやろうって思ったんです。今年とか来年とかやってみて、本当にクオリファイできないと自分が思っちゃうなら、試合はすぐ辞めると思います。」

Photo: THE SURF NEWS / Kenji Iida

上山キアヌ久里朱

「今回のマンオンマンは結構緊張しました。憧れの舜君と戦えて、今年CSに行けることになったので、より強くなってきたいです。」

「今年の冬は、1カ月くらいカリフォルニアのトンマさんのところでコーチングを受けていて、特にカービングを練習してたので、それが活かせたかなと思います。」

Photo: THE SURF NEWS / Kenji Iida

2022年CS出場選手

男子
稲葉玲王、村上舜、脇田泰地、上山キアヌ久里朱

女子
脇田紗良、都筑有夢路、野中美波、松永莉奈、松田詩野

WSL公式サイト:https://www.worldsurfleague.com/events/2022/mqs/3972/asia-open


コロナ禍やWSLの体制変更などにより、約2年半ぶりに行われることとなった国内でのQS。世界の他のリージョンでは、複数イベントを行ってCS出場選手を選考出来たところもあるが、アジアとハワイは1試合のみで選考が行われることになった。

今回CS切符を逃した大本命の一人、大原洋人はオリンピアンであるだけでなく、昨年のCS4戦だけの成績を見ると日本選手でトップだった。試合数が少なければ少ないほど、このように直近で最も成績を残した選手がCS行きを逃す可能性も出てくる。大会一つ行うのにも様々な労力が必要なことは百も承知の上で、やはり次シーズンはより多くの国内QSが行われることを願わずにはいられない。

そして、今回CS行きの切符を勝ち取った9名の選手の活躍も楽しみにしたい。

ちなみに、今回の結果により、3月30日に静波サーフスタジアムで行われる「ジャパンオープン」の出場枠を新たに8名の選手が獲得。男子は稲葉玲王、村上舜、鈴木仁、安室丈。女子は松永莉奈、松田詩野、黒川日菜子、池田未来が出場する。

(THE SURF NEWS編集部)

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