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「JPSA第1戦とISA世界戦。大原洋人と前田マヒナの心の強さ」-F+

F+(エフプラス)

JPSAの第1戦、さわかみチャレンジシリーズ一宮プロが千葉一宮海岸で行われた。
基本無観客、選手帯同者1名限定、までは昨年の最終戦と同じだけど、今回はなんと帯同者有料、5000円。メディアも同じで5000円払って取材させていただく。お金払ってよそ様のプロモするって……と考えると腹もたつけど、まぁ、初日に全員のPCR検査(唾液タイプの簡易式ですが)もあるし、それやったことないので、5000円でPCR体験なら、と考えれば割り切れるかなと思ったので、払いました。コロナ対策の実費負担分ということですかね。

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外国行きの小包とかもコロナ対策費みたいなものが加算されてきていて、空港や航空各社のテロ対策費的な上乗せが、コロナ明けのあと続々やってくるのかと思う。便乗値上げ必至。

稲葉玲王 Photo by snowy
脇田紗良 Photo by snowy
脇田泰地 Photo by snowy
川合美乃里 Photo by snowy

女子は優勝脇田紗良、2位川合美乃里、男子は優勝稲葉玲王、2位脇田泰地。意外にも稲葉はJPSA初優勝。しかも残り40秒切ってからの逆転劇。逆転しなければ脇田優勝で、脇田家兄弟優勝だった。リードして最後にプライオリティを持ってたのは脇田だったけど、相手が稲葉なだけに30秒も残してプライオリティ使ってブロックするのがちょっと怖かったのかな、とも思う。ブロックした後にセット来る、って展開は30秒切ってからいくらでもあるから。

まぁ、入ってきた波も4点スケールの見逃してもいいような波ではあったので、しょうがないか。それが意外や伸びてきてインサイドまでつながる波になった。それを全身全霊で乗り切った稲葉の勝ち。試合は最後まで何が起こるかわからない、だからあきらめない人の勝ち、という典型。与えられたチャンスでは最大限に努力する。人生の基本。結果詳細はザ・サーフニュースで。

西慶司郎 Photo by snowy

全体的に、ボトムから縦にしっかりポケットに入って当てられてるかどうか、のジャッジだったのかな、と思う。上で板が浮いてても点が出てた人がいたのは気になったけど。

まぁ、波も波だったけど、全体のスコアラインが低くて、ベスト2で10点以上の二けた得点が出たのが、男子全53ヒート、のべ179人中の27人と15%程度。最高得点ですら稲葉のファイナル14.6なので、もう少し全体のスコアラインを上げたほうが差がつけやすかったのかな、と思う。狭い中でやりくりするの大変でしょ。

上山キアヌ久里朱 Photo by snowy

海の向こうのエルサルバドルでは、オリンピック出場枠をかけた日本人の中での戦いが熱いけど、CT選手続々途中棄権でちょっとした物議。
まぁ、それは日本チームの総合金メダルに大いなる助けになるとも思うので、ラッキーといえばラッキー。だってガブとかいないほうが楽だし(笑)。

カブリエル・メディナ Photo: ISA / Ben Reed

始まる前のCT選手たちがオーストラリアにいたころから、このCT選手出場問題は持ち上がっていて、CT選手枠からの五輪出場者はすでに確定しているので、この試合に出る意味がないといえばないわけだし、わざわざ苦労して、ただでさえ長いこといたオーストラリアからエルサルバドルに回るってのも厳しいわけで、すでに決まっているのに、これに出ないと出場権を得られない、というルールがおかしいといえばおかしいので、選手の判断には賛成。

最初から出てない選手もいるけど、ガブとかカリッサとかは1回戦は出て途中棄権扱いなので、途中棄権で出場権がどうなるかのルールがないので、問題ないといえば問題ない。それに、この試合に出場権をかける選手にとってCT強豪出場って迷惑といえば迷惑なわけで、ガブやカリッサと当たったからアウト、ってのも気の毒じゃん(笑)。

まぁ、昨年のこの大会もそうだけど、CT選手がCTランキングで各国の代表権を得ているにも関わらず、ワールドサーフィンゲームスに出なくちゃオリンピックに出れない、出さえすればイチコケでもいい、という選考方法がちょっと無理あるかなぁ、と思う。この辺は次のフランス五輪への代表選考方法の課題かと思う。

スポーツライターの二宮清純が、とある別件問題で「IOCらしいなぁ、と思う」、と言ってたけど、私はこれどう思いますかと問われれば、「ISAらしいなぁ、と思う」、と答える(笑)。

前田マヒナ PHOTO: ISA / Sean Evans

女子は松田詩野に仮決定していた五輪枠だけど、結局前田マヒナと都筑有夢路に決定した。前田8位、都築は9位だが、上にすでに枠を確定している選手がいるので7位以上に繰り上がりでスポットゲット。う~ん、繰り上がりの神様ついてるな。

男子のほうは激戦で、残りワンスポットを村上舜と大原洋人が争い、リパチャージのファイナルに当たるリパチャージラウンド12の直接対決でようやく決着がついた。この熾烈な戦いを制したのは大原。大原はこのヒート1位でグランドファイナルに進むも、最終4位。村上は6位

しっかし、大原洋人と前田マヒナの心の強さには舌を巻く。何しろこの試合に出る出場権のワンスポットを、優勝しかないジャパンオープンで優勝、ここでは大原は村上より上の成績、前田は松田詩野以上、7位以上という、わずかしかないチャンスをモノにし続けた強さはすごいと思う。どうしたらそういう折れない心が手に入るんだろう……私には必要ないけど(笑)。

まぁ、そうして熾烈に戦っているうちに団体金メダル着々だったのだが、こちらはフランスにやられて銀メダル。
五輪日本代表は男子:五十嵐カノア・大原洋人、女子:前田マヒナ・都筑有夢路の4名で確定。仮決定だった村上舜と松田詩野は残念ながら最後に逃した。
まぁ、大原、前田ってラインは最初のガチな確定ラインというか、最有力候補だったわけで、覆水なんとか盆に返ったってところか。

F+編集長つのだゆき

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