先日、静波サーフスタジアムで開催された『Red Bull Surf Jam』に、チャンピオンシップツアー(CT)で自身初のイエロージャージを手にしたレオナルド・フィオラヴァンティが来日。五十嵐カノア、ジャック・ロビンソンとの豪華セッションが実現した。
今シーズンのCT第5戦「Surf City El Salvador Pro」で優勝、第6戦「VIVO Rio Pro」でも準優勝を果たし、一気にランキング1位に躍り出たレオに、THE SURF NEWSが独占インタビューを実施。
イエロージャージを獲得してイタリアへ帰国した際のサプライズや、CT後半戦へ向けたマインドセット、ツアーでお気に入りのイベント会場、そして幼い頃からともに世界を目指してきた五十嵐カノアとの思い出まで、たっぷりと語ってくれた。
THE SURF NEWS独占インタビュー【Q&A】
イエロージャージを獲得後、イタリアに帰国し、家族や友人からサプライズがあった時どんな気持ちでしたか? その瞬間を大切な人たちと共有できたことは、どれほど特別でしたか?
レオ:本当に特別な瞬間だったよ。まったく予想していなかったから。家族でシンプルな夕食をして、友達が何人か来るくらいだと思っていて、でも実際は、素敵なサプライズが用意してあったんだ。
イタリアには素晴らしい友人やファンがたくさんいて、みんながSNSを使わずに伝言だけで集まってくれたんだよ。もしSNSに投稿していたら、もっとたくさんの人が集まっていたかもしれないけど、、、僕にバレてしまわないように、電話やメッセージだけで呼びかけてくれていたんだ。
本当に感動的だった。自分は今この瞬間を生きているので、何が起きているのか実感できていない時も正直ある。外から見れば、イタリアはまだまだサーフィンがそれほど大きなスポーツではなく、日本と同じように、これから成長していく段階なんだよ。そんな国であんな歓迎を受けられたのは、本当に特別な気分だったよ。
最初は空港に20人くらいの友達が迎えに来てくれて、それだけでも十分だったのに、その後、「叔母の家で夕食をする」と聞かされていて、実際には僕がサーフィンを始めたビーチへ向かったんだ。
着いた場所は、「オーシャン・サーフ(チェルベテリ)」という、小さなサーフスクール兼ビーチクラブで、僕がサーフィンを始めた場所なんだ。中へ入った瞬間、500人もの人たちがTシャツを着て歓声を上げて迎えてくれたんだ。
そのTシャツのデザインがまた素晴らしくて、小さい頃の僕が今の自分を見上げているようなイラストになっていて、それを見た瞬間はとても感情的になったよ。なぜなら、まさにその場所こそが僕の原点で、家族や友人たちの姿を見て、本当に胸がいっぱいになった。
ホームブレイク「オーシャン・サーフ(チェルベテリ)」はどんな波ですか?

レオ:週に1〜2回くらい良い波が立つくらい。たまにサイズも上がるけど、基本的には小さめだね。日本と似てるかな。
子どもの頃、カノアやジャックと一緒に世界中を旅して波を追いかけて来て、一番印象に残っている思い出は?
レオ:僕たち3人には本当に長い歴史があるんだよ。全員1997年生まれで、カノアは10月生まれ、僕とジャックは12月生まれ。ジャックとは11歳で、カノアとは12歳の頃に出会ったんだよ。
今こうして、世界最高峰のサーファーとして同じ舞台に立てているのは本当に特別なことで、僕たちがここまで来られた理由の一つは、お互いの存在だったと思うよ。常に健全な競争があり、お互いを高め合ってきたんだ。
ジャックはここ数年でたくさんのイベントに勝ち、素晴らしい結果を残しているし。カノアはケラマスで優勝し、東京オリンピックでは銀メダルを獲得したし、日本にとって本当に大きなことだった。僕は9年間ツアーを戦ってきて、スタートは少し遅れていたけど、今年は初優勝をして、多くのポジティブな出来事があったね。
競争には波があるから、彼らの番の時もあれば、自分の番の時もある。でも今、3人が同じタイミングで夢を生きていることが本当に特別なことだと思うよ。
12〜13歳の頃、3人でワールドツアーに出ている今を想像していましたか?

レオ:もちろん、その当時に全員がツアーに行くとは確信していたわけではないよ。でも、3人で一緒にワールドツアーを戦いたいという「夢」は100%持っていたことは確かだよ。
そこにたどり着くまでの道のりはそれぞれ全く違ったんだ。
最初にツアー入りしたのはカノアで、僕はその1年後。そしてジャックは4年後にやってきた。でもジャックは成熟した状態で入ってきて、一気に勝ち始めたんだよ。彼は僕たちにとってインスピレーションの存在だし、今僕がやっていることも彼らに刺激を与えていると思うよ。
日本人、イタリア人、オーストラリア人の3人が夢を追い、今こうして日本に一緒にいる。そのストーリーが本当に素晴らしいことだと思うよ。
今シーズンも折り返し地点です。現在イエロージャージを獲得し、世界ランキング1位ですが、後半戦へのモチベーションや戦略は?

レオ:もちろん、シーズンの半分を終えた時点で世界1位にいるのは素晴らしいこと。でもシーズンはまだ長いし、その中でいろんな事は起こり得るよ。
(ランキングの)後ろにはイタロ、ガブリエル、ヤゴ、そしてカノア、ジャック、グリフィン、イーサンなど、本当にレベルの高い選手たちがいるからね。みんながトップを狙っていて、それは十分理解しているよ。でも僕はこのポジションにいられることに感謝しているし、そこにいることがどれだけ難しいかも知っているよ。
だから、何も変えるつもりはないし、今まで通り、自分のベストを尽くし続けるだけ。
それで1位を守れたら最高だし、守れなかったとしても、自分のすべてを出し切ったと言えるなら後悔はない。自分でコントロールできるのは、自分がやることだけ。その先はどうなるか分からないからね。
新たにフィリピン・クラウド9がツアーに追加されました。どんな印象ですか?

レオ:まだ行ったことはない場所だけど、映像を見る限り素晴らしい波だね。短いバレルからエアや大きなターンにつなげられる波で、自分のサーフィンにも合っていると思う。新しい場所で試合をするのはいつだって楽しい事だし、とても楽しみにしているよ。
スケジュールには影響がありましたか?
レオ:少しあるかな。アブダビは中東情勢の影響で11月末に移動して、まだ開催されるかは分からないけど、フィリピンは確実に開催されるよ。少し移動が増えるけど、それも僕たちが好きなことだから。新しいイベントが開放される時はいつでもワクワクするよ。
今後のイベントで、一番好きな会場は?

レオ:パイプラインだね。パイプラインでシーズンを締めくくれるのは本当に特別な気持ちになるし、僕自身も良い結果を残してきたからね。パイプラインはプロサーファーにとって最大の舞台であって、今年はそこで世界タイトルが決まるから、本当に特別な場所となるよ。
逆に一番不得意・課題のある会場は?
レオ:決めるのは難しいね、、、。どの会場も素晴らしい波だから。タヒチ、フィジー、トラッセルズ、ポルトガル、パイプライン、アブダビ。自然の波ではないという意味ではアブダビのウェーブプールは少し特別かな。ウェーブプールで競技をするのもサーフィン全体にとってすごく面白いことだと思うけど…だからあえて言うならアブダビかな。
注目している日本人サーファーはいますか?
レオ:日本人サーファーはいつも素晴らしくて、とても正確で綺麗なスタイルを持っていて、見ていて刺激を受けるサーフィンだよ。新世代については正直まだあまり詳しくないけど、今回のイベント「Red Bull Surf Jam」で、彼らと会って一緒に波に乗ったり、話したりできたら嬉しいと思う。
カノアやコナーが日本のサーフィンのためにやっていることは、間違いなく次世代に大きな影響を与えているよ。
冬にハワイへ行くと、本当に才能ある日本人サーファーをたくさん見るから、日本の未来はとても明るいと思っているよ。
カノアとの一番忘れられない思い出は?

レオ:たくさんありすぎて一つに絞るのは難しいね。でも、ポルトガルのポイントで2人だけで入ったセッションは忘れらないよ。本当に良い波の日で、僕とカノアの貸切セッションだったからね。それから、今回こうして日本に来て、その後一緒にインドネシアへ行くことも、将来振り返れば素晴らしい思い出になると思う。
東京オリンピック以外で、日本の波はサーフィンしましたか?
レオ:実はオリンピック会場の一宮(志田下)でしかサーフィンはしていないよ。もっと日本を探索したいと思っている。南にも北にも素晴らしい波があり、台風スウェルもあると聞いているからね。
いつかタイミングが合って、カノアと一緒に戻ってきて、昔のデーン・レイノルズやジョン・ジョン・フローレンスが乗っていたような、あの素晴らしいバレルを探しに行けたら最高だね。見つけるのは難しいけど、波は確かにそこにあるからね。
最後に、ジャック、レオ、カノアの3人の中で最初にワールドチャンピオンになるのは誰だと思いますか?
レオ:難しい質問だね(笑)。でも、僕自身と言っておくよ。ただ、3人のうち誰か一人でもワールドタイトルを獲れたら素晴らしいことだと思うよ。理想を言えば、今年は僕、来年はカノア、その次はジャック。そうなったら、みんなでトロフィーを持てるからね。
(Mion)























