ロス五輪出場権獲得を目指す都筑有夢路&池田美来 Photo: THE SURF NEWS

波乗りジャパン2026年代表発表。都筑有夢路、池田美来がアジア競技大会の意気込みを語る

日本サーフィン連盟(NSA)は、2026年度の波乗りジャパン日本代表選手の発表記者会見を開催。ISAワールドサーフィンゲームス、ISAワールドジュニアサーフィンチャンピオンシップ、ISAワールドロングボードチャンピオンシップ、そして9月に愛知県田原市で開催される第20回アジア競技大会の代表候補選手が発表された。

日本サーフィン連盟 寺尾恵一理事長 Photo: THE SURF NEWS

選考の透明化への取り組み。新導入の「指標シート」とは

2026年の代表選考から、NSAはJOC(日本オリンピック委員会)が求める「透明性・客観性・見える化」の方針に基づき、指標シートを新たに導入した。

シートは大きく技術点(50点)と実績点(40点)などで構成され、WSL・NSA・JPSAといった各大会でどこまでの成績が必要かも事前に選手へ明示。さらに技術点・実績点に加え、コンプライアンス(遅刻しない、アンチドーピングへの理解など)と国際適応力(英語でのコミュニケーション能力など)も評価項目に含まれており、「サーフィンさえ上手ければ世界戦に行ける」というものではなく、アスリートとして尊重される人間性も問われる仕組みとなっている。

各選手には自分のスコアが個別に通知され、点数に疑問があれば強化委員へ直接質問することも可能。山本貞彦強化委員長は「選考に対して自分に足りないものが明確になることで、何を改善すれば良いかを選手自身が考え、コーチに相談もできる。代表選手をより目指しやすくなったと思う」と狙いを説明。

推薦枠についても、従来のように「強化委員会内での選考」となれば意図せず色々な憶測も流れてしまう可能性もあり、指標シートの導入によって選考プロセス全体の納得感を高める狙いもある。

山本貞彦強化委員長 Photo: THE SURF NEWS

2026年代表選手発表

■ ISAワールドサーフィンゲームス(11月6〜15日/ペルー「プンタ・ロカス」)

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波乗りジャパン
男子: 五十嵐カノア、コナー・オレアリー、大原洋人
女子: 都筑有夢路、中塩佳那、池田美来

男女各2名は昨年ランキングにより決定済み、それぞれ3枠目が今年3月の選考合宿へ経て大原、池田に決定。
田中樹ナショナルコーチは「国際大会での実績、世界ランク、様々なコンディションへの対応力を評価した。今の日本にいる最強の布陣で臨む」とコメントした。

田中樹ナショナルコーチ Photo: THE SURF NEWS

■ ISAワールドジュニアサーフィンチャンピオンシップ(9月4〜14日/エルサルバドル)

選考は2025年NSAランキング1位、2026年選考合宿の総合リザルト上位、推薦枠をもとに厳正に実施された。

波乗りジャパン
アンダー18男子: 足立海世、高井汰朗、佐藤頼斗
アンダー18女子: 窪田怜、石井有沙、高橋花音

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波乗りジャパン
アンダー16男子: 和氣堆人、松野太郎、髙井悠二朗
アンダー16女子: 馬場心、石田海夏、山本璃々

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なお、アンダー18女子の石井有沙は本来アンダー16の年齢ながら実力を評価され飛び級での選出。アンダー16女子の山本璃々は育成枠からの大抜擢となった。国際委員長も兼任する大石純也ナショナルコーチは「世界の同世代とぶつかり合うことで、さらなる覚醒を遂げてくれると確信している」と期待を寄せた。

大石純也ナショナルコーチ Photo: THE SURF NEWS

■ ISAワールドロングボードチャンピオンシップ(10月16~22日/エルサルバドル)

3月末に鵠沼で行われた選考大会の結果と、新たに導入された指標シートにより選考。

男子: 堀井哲(選考大会優勝)、塚本将也(指標シート選出)
女子: 吉川広夏(選考大会優勝)、田岡なつみ(指標シート選出)


■ 第20回アジア競技大会 代表候補選手(9月25~28日/愛知県田原市)

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2025-26シーズンWSL日本人ランキングをもとに選出。

男子(1枠): 五十嵐カノア(日本人ランク1位)
女子(2枠): 都筑有夢路、池田美来(日本人ランク1位・2位)

このアジア大会はLAオリンピック(2028年)の選考を兼ねており、男女各優勝者が、ロス五輪出場権を得る重要な大会となる。

都筑有夢路「パリの悔しさを力に——、LAへの一歩をここで」

Photo: THE SURF NEWS

― 日本でアジア大会が開催されることについて
「いつも海外に行って試合することが多いので、日本でやれるのはすごく心強いですし、メンタル的にも安心してできる部分が多いです。その分、もっと自分にフォーカスできると思うので、これを強みに変えて頑張りたいです」

― 池田美来とのオリンピック選考争いについて
「本当の理想は、二人でファイナルで、正々堂々と美来と戦いたいなと思っています。お互いがいいメンタルでやれることを望んでいるし、美来にもそういう状態でやってもらいたい。でも結局、海に入ってやるのは自分なので、自分との戦いをしっかりできたらいいなと思っています。結果がどちらになっても受け入れる準備もできているし、美来も一緒に頑張ってきているので、それはそれで嬉しいとも思う。でも一番は自分がやるべきことをやって、自分に集中したいです」

― パリオリンピックの選考を逃した経験と、今回への思いは?
「パリを逃してからは、意外とすぐ気持ちが切り替わって、次はLAだなという方向に向かっていきました。今この場所(選考争い)に入れているのは本当に大きなチャンスなので、それを活かしたいし、あの悔しかった思いをここで晴らせるチャンスだと思って頑張っています」

― 東京オリンピックは無観客でしたが、今回は有観客の自国開催です
「コロナで無観客でしたけど、テレビの前で応援してくれていた皆さんの応援はすごく伝わっていました。今度はそれが実際に目の前で見てもらえるということで、すごく力になります。東京のときにみんなの応援パワーはすごいなと実感したので、それをもっと近い距離で感じられるのは嬉しいし、選手としてそのパワーに変えていくべきだなと思います」

― パリ五輪を逃してからの切り替えとプレッシャーについて
「負けた瞬間からもう次のイメージをしていましたが、東京が終わってから、パリを逃してから、その切り替えの部分ではすごく苦しい思いもしてきたけど、アジアオリンピックも、次のLAオリンピックに対しても、そのプレッシャーとずっと向き合ってきたので、今は何でも来いという感じです」

― メンタル面はどのように鍛えてきましたか?
「なぜ自分がこんなに不安になってしまうのか、どうやったら自分のいいパフォーマンスが出せるのか、周りの期待をどうやって自分のパワーに変えられるのか、ということをすごく一生懸命自分なりに向き合ってきました。メンタルトレーニングをやったり、ルーティンを変えてみたり、いろんなことをチャレンジして準備しています」


池田未来「世界の池田未来へ——自国開催の舞台で、最高のサーフィンを」

池田美来 Photo: THE SURF NEWS

― 日本でアジア大会が開催されることについて
「自国開催ならではの強みがすごくあると思っています。試合会場にも練習に行きましたし、普段海外の試合を日本からライブで応援してくださっている方が会場に来やすいのも嬉しいです。本当に楽しみにしています」

― 田原の会場でどんな強みを発揮したいですか?
「私らしいサーフィンを一番皆さんにお見せしたいです。今まで頑張ってきた最高のサーフィンをしたいと思っています」

― 「私らしいサーフィン」とは具体的に?
「今の課題を全部できるようにして、世界の池田未来になれるぐらいのサーフィンです。隙のない、パーフェクトなサーフィンというイメージです」

― 今取り組んでいる課題を具体的に教えてください
「パドリングから始まって、波に乗る前の段階から、テイクオフも、波の取り方も、どこでサーフィンするかも、練習の内容も、より濃いものに変えています。一番力を入れているのは”波探し”です。試合の中でどの波に乗るかで勝敗が大きく変わるので、そこを練習から意識しています」

― 波探しの練習は具体的にどのように?
「最近はずっと海の中で動くようにしていて、一本乗ったらその場所に留まらず、より視野を広げて、どこに波が来るかをある程度予測するという練習をしています」

― CS(チャレンジャーシリーズ)を経て、意識が変わったことは?
「それまではアジアやオーストラリアの選手としかあまり戦っていなかったんですが、初めて世界を回って、自分に足りていないところがすごく明確になりました。トップ選手たちのポジショニングや、ライディングのクオリティが全然違うなと実感して、そこから課題を考えて今修正しています」

― 1日の練習量は?
「波があれば午前中に1時間半から長いと2時間、午後も1時間半から長いと2時間。それ以外に陸でのトレーニングもやっています。陸では普通のフィジカルトレーニングだけでなく、フォームの修正も行っています。ライディング中に癖が出るとスコアに影響するので、陸でちゃんとフォームを修正してから海に入るようにしています」

― 緊張しやすいタイプですか?
「多分緊張しちゃうタイプですね。みんなに見られて、かっこいいところを見せたいなと思って空回りしちゃうタイプなので、見に来てくださるのはすごく嬉しいんですけど、自分のサーフィンにちゃんと集中することが一番大事だと思っています」

― 高校卒業後、プロとしての意識の変化は?
「(高校生サーファーではなく)本当のプロサーファーになったという感覚があります。練習は仕事でもあるなという意識がすごく強くなっていて、今まで頑張ってきたつもりではあるんですけど、これからもっとその意識を持ちながら練習していくという感じです」

(THE SURF NEWS編集部)

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