シドニー西部、オリンピックパークにオープンしたばかりのウェーブプール、「URBNSURFシドニー」で2日間に渡って開催された『Stab High』
『Stab High』史上初、ワールドチャンピオンのヤゴ・ドラとモリー・ピックラムの出場で開催前から盛り上がっていた。
期待通り、ヤゴは超人的なエアリアルで初日をクリア。優勝こそ逃したが、スポンサーの「Monster Energy」特別賞で1万ドルを獲得。
ブラジルからファーストクラスで30時間以上かけてオーストラリア入りした苦労が報われ、彼がただのCTサーファーではなく、『Stab High』側の型破りのサーファーであることを証明した。
最終日もジークが盛り上げる

Image: Stab: We like to surf(YouTube)
前日の予選ラウンドを通過した上位10名とサドンデスを勝ち上がった『Stab High Japan』勝者のエイトン・オズボーン、FCS提供のミステリーバッグ・ラウンドでStab in the Darkでコロヘとミックがテストしたボード、メイソン・ホー提供のボードを乗りこなした地元のグレイソン・ヒンリックス。合計12名によるセミファイナルは前日にボビー・マルティネスばりのマイクパフォーマンスを見せたカリフォルニアのジークことジェイコブ・セケリーがまたもやパーティの盛り上げ役を買って出ていた。

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CT選手のジョエル・ヴォーンにプールサイドから波に直接飛び込むアシッドドロップを促し、自らはヤゴの頭上を飛び越えるアシッドドロップを披露。
そんなことは露知らずか、ヤゴはワールドチャンピオンの威厳をまざまざと見せつけていた。
勝負を決めたジョエル・ヴォーンのバックフリップ

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ファイナルはライト3本・レフト3本のチャンスがあり、最も高く、スタイリッシュで、完璧な1本のエアリアルを決めたサーファーが優勝。
最初にハイスコアを出したのは、巨大なフルローテーションをメイクしたジーク。
しかし、最初の波でアシッドドロップをミスしたジョエル・ヴォーンがすぐにバックサイド・ステイルフィッシュのフルローテーションでジークを圧倒。
ラスタ・ロブ、ハーレー・ウォルターズがそれに続き、壮大なクライマックスを迎えた。
結果、首位タイとなったジョエルとラスタの勝負は最後の波でリーン・バックフリップを決めたジョエルが優勝。
ジーク、ヤゴはラストチャンスでミスをしてしまった。
ちなみに優勝したジョエル・ヴォーンは3つ離れた弟のヒューイ・ヴォーンと出場。
ヒューイは2025年5月に静波サーフスタジアムで開催された第2回『Stab High Japan』で優勝。
兄弟は有名なノースシェリーボードライダーズ出身でもある。
来年はCTでも革新的なエアーで勝って欲しい。
2連覇を決めたシエラ・カー

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4クラスある『Stab High』で最もエントリーが少ないウィメンズはシエラ・カーとシドニー出身のミラ・ココ・ブラウンの一騎打ちとなった。
ライトでは、シエラ・カーが巨大なスロブ・エアのフルローテーションをクリーンに決めるとミラも同じようなエアーでジャッジを唸らせ、ミラが更に難易度を上げたフロントサイドのフルローテーションで首位に立った。
しかし、レフトではシエラが上回り、高さのあるバックサイド・リバースをメイクして優勝。
シエラは日本に続きの2連覇。以前にLadybirdsでも2連覇を果たしている彼女はまさにウィメンズエアーの革命児。
NIKEのロゴもまるでCMのように輝いていた。
Ladybirds&Bottle Rockets

Image: Stab: We like to surf(YouTube)

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15歳以下のクラスは「空を舞う小鳥」を意味した「Ladybirds」と小さくても爆発力抜群のロケットのように「Bottle Rockets」と名付けられている。
「Ladybirds」はA.Iにインスパイアされた日章旗デザインのスカイ・スイットがA.Iを彷彿とさせるスタイルで巨大なストレートエアを決め、「Bottle Rockets」はロウキー・カレンがバックサイド・ステイルフィッシュのフルローテーションで日本に続き2連覇と無敵の強さを見せた。
ロウキーの完成されたエアーにはクレイグ・アンダーソンが10ポイントを出していたほど。
オージーサーファーの層の厚さを思い知らされた1戦でもあった。
『Stabmag』公式サイト
https://stabmag.com/
(黒本人志)