(ジョーディを倒したルーキーのマルコ) PHOTO: © WSL/Kody McGregor

メンズのベスト8が決定!CT第10戦『Corona Cero Open J-Bay』3日目

現地時間7月13日、CT第10戦『Corona Cero Open J-Bay』は3日目を迎え、メンズのベスト8が決定。
すでにウィメンズは前日にベスト8が決まっており、これでファイナルデーを戦うメンバーが揃った。

なお、ベスト8入りを決めた日本の五十嵐カノア、コナー・オレアリーのヒートとインタビューは別記事に掲載している。
カノアは2022年以来のイエロージャージを手にするチャンスが巡ってきた。

ルーキーに敗れたジョーディ

(ジョーディ・スミス)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

大会2日目には、ルーク・トンプソンとの南アフリカ人対決に競り勝ち、会場を沸かせていたジョーディ・スミスだったが、この日はリズムが合わず、ルーキーのマルコ・ミニョ(FRA)に敗れた。

序盤に乗った1本目は早々に勝負を決めるのに十分なライディングかと思えたが、フィニッシュのエアーでリーフに乗り上げてしまい、6.67とスコアも伸びなかった。
一方のマルコはジョーディよりも大きめのセットでエネルギーを全て注ぐようなターンのコンビネーションで7.07を返し、更にターンにブロウテールリバースを組み入れ、6.33を重ねてジョーディを追い込んだ。
バックアップも4.50と低かったジョーディを尻目にマルコは1本の波で二つのエアーを入れる革新的なライドで7.50とハイスコアを更新。トータル14.57を揃え、今シーズン2度目のQF進出を決めた。

「世界ランク1位に挑んで勝てたら、それだけで大きな価値がある。いつも、世界のトップと戦って自分を高めたいと思ってるんだ。ジョーディというJベイのキングとこの瞬間を共有できたのも特別だったけど、勝てて本当に嬉しい。ここに来る前、ジョーディの映像を沢山見てきた。彼がこの場所で一番のサーファーだと思ってるからね」

24歳のマルコにとって、37歳のジョーディは憧れの存在であり、目指すべきアスリート。その相手に果敢に挑んだ、攻撃的かつ見応えのあるパフォーマンスだった。

次のQFでは2度の優勝経験があるフィリッペ・トレド(BRA)とのカードになる。

(エアーを武器にスコアを伸ばしたマルコ)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor
(ヒート中にリーフに乗り上げてしまい、手を負傷した様子のジョーディ)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

ブラジルのリベンジを果たしたグリフィン

(序盤はエアーで攻めたグリフィン・コラピント)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

ベスト8入りを果たした選手はブラジル、イタリア、アメリカ、フランス、オーストラリア。そして日本。
H4はグリフィン・コラピント、コール・ハウシュマンドとアメリカの中でも同じカリフォルニアのサンクレメンテ出身の二人のカード。
6月末に終了したばかりのブラジル戦のファイナルと同じ組み合わせになった。

同じ故郷を代表してCTを戦う両者のヒートは余計な駆け引きなしのフリーサーフィンのような時間になる。
序盤からエアーで攻めたグリフィンは次々とスコアを伸ばしてコールに差を付けていく。バックハンドのコールはクリティカルセクションでのターンに集中。二つの6ポイントをまとめるが、グリフィンはターンオンリーにシフトして更にスコアを伸ばし、終盤にはプライオリティを利用してコールが乗った波にドロップイン。ラッピングカットバックから入ってハードなターンの連続。フィニッシュもスタイリッシュかつパワフルに決めて7.50とヒートのハイスコアを出してコールを完璧に抑え込んだ。

(コール・ハウシュマンド)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

「良い気分だよ。今回のヒートは自分にとってすごく大事。ファイナル5に入りたいからね。彼はブラジルで優勝したばかりだし、喜んでくれていると思うよ。兄弟のような存在なんだ。今はどのヒートも絶対に落とせない立場さ」

現在ランキング6位のグリフィンにとって今イベントと次のタヒチでの最終戦はファイナル5入りをかけた重要な局面。
トップ5の内、ジョーディ、イタロの二人が敗退した今、少しでも差を詰める絶好のチャンスでもある。

次はキッズ時代からのライバルであり、親友でもあるカノアと対戦する。

ヤゴがライブランキングでトップに浮上

(ライブランキングでトップに浮上したヤゴ・ドラ)
PHOTO: © WSL/Kody McGregor

ブラジル戦終了後のランキングではジョーディがトップだが、ヒート毎に動くライブランキングではすでにヤゴ・ドラ(BRA)がジョーディを抜いてトップに浮上している。
ファイナルデーの結果次第ではカノアにもトップの可能性が残されているが、現時点ではヤゴが優勢となっている。

この日のジョアオ・チアンカとのブラジリアン対決では二つのビッグターンからスピードを出してフルローテーションを難しいフラットな地点での着地まで綺麗に決めてイベント2本目の9ポイントを出し、「J-Bay」との相性の良さとジャッジの評価の高さを改めて示していた。

「フィンの先端を折っちゃったけど、それがマジックボードだったんだ。ボードは変えたくなかったから、波に乗って一度戻ってフィンだけ交換したんだ。長い間ブレイクがなかったけど、我慢してチャンスを待ったよ。ちょっと変な波だったから、また思い切っていくしかないと思った。サーフィンで2番目に気持ち良い瞬間は、空を飛んでフラットに着地する時。めちゃくちゃ怖いけど、決まった時は最高の気分なんだ」

次のQFはレオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)とのカードになる。

7月14日、15日はすでに中止が決定。
ネクストコールは7月16日の朝7時45分(日本時間同日午後2時45分)で、18分後に再開予定。

PHOTO: © WSL/Kody McGregor
PHOTO: © WSL/Alan van Gysen
PHOTO: © WSL/Alan van Gysen

Corona Cero Open J-Bay Men’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Yago Dora (BRA) 14.57 DEF. Joao Chianca (BRA) 13.67
HEAT 2: Leonardo Fioravanti (ITA) 13.34 DEF. Jack Robinson (AUS) 9.76
HEAT 3: Kanoa Igarashi (JPN) 13.50 DEF. Crosby Colapinto (USA) 9.33
HEAT 4: Griffin Colapinto (USA) 14.37 DEF. Cole Houshmand (USA) 12.57
HEAT 5: Marco Mignot (FRA) 14.57 DEF. Jordy Smith (RSA) 11.17
HEAT 6: Filipe Toledo (BRA) 14.97 DEF. Barron Mamiya (HAW) 10.60
HEAT 7: Connor O’Leary (JPN) 12.83 DEF. Italo Ferreira (BRA) 12.33
HEAT 8: Ethan Ewing (AUS) 12.00 DEF. Jake Marshall (USA) 10.00

Corona Cero Open J-Bay Men’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Yago Dora (BRA) vs. Leonardo Fioravanti (ITA)
HEAT 2: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Griffin Colapinto (USA)
HEAT 3: Marco Mignot (FRA) vs. Filipe Toledo (BRA)
HEAT 4: Connor O’Leary (JPN) vs. Ethan Ewing (AUS)

Corona Cero Open J-Bay Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Gabriela Bryan (HAW) vs. Tyler Wright (AUS)
HEAT 2: Caitlin Simmers (USA) vs. Caroline Marks (USA)
HEAT 3: Molly Picklum (AUS) vs. Lakey Peterson (USA)
HEAT 4: Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Isabella Nichols (AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)

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