村上舜が個人4位。ISAワールドサーフィンゲームスが終了

9日間に渡り宮崎木崎浜で開催されていた「2019 ISA ワールドサーフィンゲームス」の全日程が終了。

ファイナルデーとなる9月15日(日)は、敗者復活戦のリパチャージ9~12、メインラウンドの最終となるラウンド7、そして双方を勝ち上がった4名によるグランドファイナルが行われ、今大会の全行程が終了。ついにメダリストが確定した。

全55カ国、240名の参加選手より、2019年大会のメダリストが確定。ゴールドはブラジル代表のイタロ・フェレイラ。そして日本代表でただ一人ファイナルデーまで勝ち上がった村上舜が、見事決勝進出を果たし4位入賞。世界トップ選手らと渡り合い、来る2020年東京オリンピックでもメダル獲得の可能性を証明してみせた。

日本代表としてただ一人、ファイナルデーまで勝ち進んだ村上舜

リパチャージ10で和井田理央とのアジア人対決を制した村上は、続くリパ11で元CTのフレデリコ・モライス、リパ12ではケリー・スレーターを破ってグランドファイナルへ進出。
特にケリーとの勝負に関しては、以前の記者会見で「ケリーを倒したい」と明言していたため、この有言実行を取り上げるメディアも多く見られた。

ファイナルを戦った村上を迎える波乗りジャパン Photo:THE SURF NEWS

ワールドチャンピオンを含む、現役CT選手 3名と対戦

迎えたファイナルでは、ワールドチャンピオンのカブリエル・メディナに加え、イタロ・フェレイラ、コロヘ・アンディーノと対戦。
3名とも現役CT選手であり、ワールドランキング6位以上の強豪選手。

序盤から7点台を2本揃えたイタロ・フェレイラが、中盤になりバックサイドのフルローテーションエアーをメイクし、今大会初の10ptをスコア。
後半に追い上げてきたコロヘ、ガブを交わし、イタロがISA初の金メダル!
攻めの姿勢を見せながらも村上は4位入賞。
昨年と同じカッパーメダルとなったが、前回大会とは比べものにならないほど、世界の強豪が集結した本大会でのファイナル進出は大きな意味があり、オリンピックでのメダル獲得も夢ではない結果を見せてくれた。

去年と同じ結果になってしまったけど、内容的には今回の方が良かったと思う。自分のできることを全てぶつけたので、この結果には満足してます。
ジャッジの評価にも手応えを感じました。自分が思ったよりも高いスコアがついたライディングも多かったので、自分のいつものサーフィンができれば、もっと評価してくれるのではないかと感じました。

村上 舜
イタロ・フェレイラのフルローテーションエアー。着水時にバランス崩しながらもしっかりと立て直して今大会初の10ptがコール Photo:THE SURF NEWS

村上舜と松田詩野が条件付きながら、2020年東京オリンピックの出場資格を獲得

今大会は2020年東京オリンピックの出場選考も兼ねており、各大陸ごとで最も順位が高い選手が、条件付きながらもオリンピックの出場資格を得ることができる。
具体的には、各国最大2名までが2020年東京オリンピックに出場することができ、選考の優先順位は以下の通り。

1.2019年のWSLワールドツアー(CT)のメンズトップ10とウィメンズトップ8。
2.2020年『ISA World Surfing Games』のメンズの上位4名とウィメンズの上位6名。
3.2019年『ISA World Surfing Games』、メンズの上位4名とウィメンズの上位4名(アフリカ・アジア・ヨーロッパ・オセアニアの男女トップ1名ずつ)
4.2019年『Pan American Games』のメンズ、ウィメンズ共にトップ。

日本の場合、CT枠からの出場資格を得られる可能性があるのはメンズの五十嵐カノアのみ、メンズのもう一名、そしてウィメンズの出場資格として、次に優先度の高い2020年のワールドサーフィンゲームスの結果に該当する選手がいなければ、今大会でアジア大陸枠1位となった村上舜、松田詩野のオリンピック出場が確定することとなる。

アジア大陸1位の枠を賭けて村上舜と和井田理央が直接対決。お互いの健闘を讃えヒート終了後にハグを交わした Photo:THE SURF NEWS

アメリカ大陸を除く、各大陸毎のオリンピック出場資格選手

前途の通り、今大会の結果を受け各大陸毎の出場資格選手が確定。アジア以外の選手に関しても、2019年のCTランキング、および2020年ワールドサーフィンゲームスの選考内に、自国の選手がいない場合は、2020東京オリンピックへの出場が確定する。

アジア:村上舜(日本)、松田詩野(日本)
オセアニア:ビリー・ステアマンド(NZL)、エラ・ウィリアムス(NZL)
ヨーロッパ:フレデリコ・モライス(POR)、アナット・ルノアール(ISR)
アフリカ:ラムジ・バークヒアム(MAR)、ビアンカ・ブッテンダグ(RSA)

※アメリカ大陸に関しては、2019年パンアメリカンゲームスの結果により、ペルーのルーカ・メシナスと、ダニエラ・ローザスに決定。


2020東京オリンピッックの出場選考を兼ねた本大会は、一般メディアの注目度も高く連日大きく報道。
また、ケリー・スレーター、ガブリエル・メディナなど、WSLのワールドツアーに出場している世界のトップ選手らも、来るオリンピックの出場資格を得るために参戦。これまでのISAイベントとは比較にならないほどの規模で開催となった。

世界中から集まった全ての参加国との交流は素晴らしかったよ。チーム同士の友情が全てであるこのイベントは本当に楽しかったね。

ケリー・スレーター
最年長 47歳にしてファイナルデイまで残ったケリー。最後まで観客を楽しませてくれた Photo:THE SURF NEWS

今回はオリンピックの出場選考に直接的な関わりのないアメリカ、ブラジル選手らのモチベーションを疑問視する声もあったが、ひとたびコンテストとなれば各選手ともに最高のパフォーマンスを披露。
団体金メダルを獲得したブラジルをはじめ、普段のプロツアーではライバルとなる選手らとともに応援する姿が印象的だった。
会場の宮崎木崎浜には、連日沢山の観客が来場。ファイナルデーには18,000人以上のファンが訪れた。

2019 ISAワールドサーフィンゲームス結果

【団体結果
1位 ブラジル
2位 アメリカ
3位 日本
4位 ペルー

【メンズ個人結果
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 コロへ・アンディーノ(USA)
3位 ガブリエル・メディナ(BRA)
4位 村上舜(JPN)
…11位 大原洋人(JPN)
…13位 五十嵐カノア(JPN)

【ウィメンズ個人結果
1位 ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)
2位 シルヴァナ・リマ(BRA)
3位 ビアンカ・ベイタンタグ(RSA)
4位 カリッサ・ムーア(USA)
…15位 松田詩野
…21位 前田マヒナ
…41位 脇田紗良 

【国別対抗リレーレース「アロハカップ」結果
1位 オーストラリア
2位 南アフリカ
3位 アメリカ
4位 日本

2019 ISA ワールドサーフィンゲームス
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ファイナルデーの来場者は18,000名以上! Photo:THE SURF NEWS
日本代表「波乗りジャパン」は団体3位と健闘 Photo:THE SURF NEWS
 予想通り圧倒的な強さを見せたブラジルチーム。オリンピックでも最大のライバルになることは間違いない Photo:THE SURF NEWS
USA団体2位に貢献したケリー・スレーター&コロヘ・アンディーノ Photo:THE SURF NEWS
「応援してくれた皆の声援が本当に力になりました」報道陣を前に普段はおどけることが多い村上舜が、家族やファンに感謝の気持ちを伝えた。日の丸で顔を覆い感極まる場面も Photo:THE SURF NEWS
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Movie: THE SURF NEWS / Kenji Iida

(THE SURF NEWS編集部)

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