Photo: The New Zealand Merino Company提供

サーフボードにメリノウール?Firewireが斬新なエコ素材に挑戦

2014年以来サーフボードの全ラインアップが第三者認証機関Sustainable Surfによるエコボード認定されている米大手サーフボードメーカーFirewire。11度のサーフィン・ワールドチャンピオンのケリー・スレーターが支配株主として加わってから環境負荷の軽減に一層力が入っているようだ。現状に満足せず、よりエコな素材を探求してたどり着いたのはニュージーランド産のメリノウール。

アイディアの発端がニュージーランドの東海岸タウランガ市でサーフボードを作っているポール・バロン氏。作業中にウールのセーターに樹脂をこぼしてしまったことでひらめいたそうだ。数年間試行錯誤を繰り返して開発した新技術をファイヤーワイヤーに提案してみたら、CEOのマーク・プライス氏が食いつき、メリノウール巻きのサーフボードの生産が決まった。

左からFirewireマーク・プライス、NZmerinoハドレー・スミス、BarronSurfboardsのポール・バロン
Photo: The New Zealand Merino Company提供

従来のグラスファイバーの代わりに使用するのは、本来カーペットや家具そして日本の布団などに使われるストロング・ウール。軽量で強度が高く、エコだけではなくパフォーマンスも期待できるそうだ。また、メリノウールのボードには最新の樹脂reresを使用していて、サーフボード処分時にはウールから分離することで、ウールの再利用が可能になる。

Photo: The New Zealand Merino Company提供

ニュージーランドでメリノウールのマーケティングを担当しているハドレー・スミス氏によると、いずれは船舶や飛行機、家具など、サーフボード以外の製品にグラスファイバーの代替品として使ってもらうことを期待している。「持続可能で倫理的に生産しているニュージーランド・ウールの本当の価値を他の分野や市場に知ってもらいたい」と述べている。

Firewireは2020年までにゼロ・ウェイスト(素材の無駄ゼロ)目標を掲げているなか、CEOのマーク・プライス氏は「グラスファイバーは生産過程で有害な物質を使うので、メリノウールは代替品として非常に興味がある。Firewireは革新的なデザインや新素材と先進的な製造方法によって、よりよいサーフィン体験を提供していくことに献身している」と、新しいコラボに期待を寄せている。

Photo: The New Zealand Merino Company提供


Firewireは、タイの工場で生産する500枚の「ウール・ライト」(Woolight)サーフボードを4月以降にニュージーランド、オーストラリア、アメリカで販売する予定。

ポール・バロン氏の経営する「Barron Surfboards」では、このボードの日本での代理店を募集している。

■問合せ先
Barron Surfboards
公式サイト

(ケン・ロウズ)

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