(ロングボードの聖地・マリブでLTが開催される!) PHOTO:© WSL/Sean Wolflick

井上鷹&田岡なつみも出場!2021年秋にWSLロングボードツアーが復活!

CTの方はすでに最終戦が終了したが、LT(ロングボードツアー)は2020年2月にジョエル・チューダーが優勝した『ヌーサ・ロングボードオープン』以来、沈黙が守られていた。

そして、待望のツアーが9月のサーフランチで復活、10月のマリブとの2戦、更に2020年2月のヌーサイベントの3つの獲得ポイントでワールドタイトルを決定すると発表された。

なお、日本からは井上鷹、田岡なつみが参加する。

ワールドタイトルは誰?

(サーフランチの特別イベントで優勝したソレイユ・エリコ)
PHOTO:© WSL/Tommy Pierucki

すでに終了した『ヌーサ・ロングボードオープン』の結果は以下。

メンズ
1位 ジョエル・チューダー(USA)
2位 ケヴィン・スカヴァーナ(USA)
3位 デクラン・ウェイトン(AUS)、カイ・サラス(HAW)
…33位 井上鷹(JPN)

ウィメンズ
1位 ケリス・カレオパア(HAW)
2位 ソフィア・コーヘーン(HAW)
3位 エミリー・レスブリッジ(AUS)、クロエ・カルモン(BRA)
…9位 田岡なつみ(JPN)

事実上の2戦目となるサーフランチを舞台とした『クエルボ・サーフランチ・クラシック』は9月29日に開催される。

2020年10月に開催されたサーフランチでの特別イベントではジャスティン・クインタル(USA)、ソレイユ・エリコ(USA)が優勝していた。
CTイベントでも分かる通り、サーフランチの波は規則的ながらサーファーによって向き不向きがあるため、この二人が本命と言っても良さそうだ。


サーフランチでの完璧な人工波の後、10月3日〜13日に同じカリフォルニアのマリブ「ファーストポイント」で最終戦『ジープ・マリブ・クラシック』が開催される。

ロングボードの聖地でもあるマリブの波はサーフランチ以上のマシンウェーブが期待できる。
普段からサーフィンしているジョエルなどのカリフォルニア勢が必ずしも有利とは言えず、サーフランチの結果次第ではタイトル争いも拮抗することが予想される。

「サーフランチは一日中パーフェクトな波を保証してくれる。願ってもない公平な競争の場だよね。一方、マリブのファーストポイントはロングボードの世界チャンピオンを決めるための最高の舞台さ」
デヴォン・ハワード

フォーマットと参加選手

(2019年スペイン戦で3位になった井上鷹)
PHOTO:© WSL/Masurel

ウェーブプールで行われる『クエルボ・サーフランチ・クラシック』と自然の海で行われる『ジープ・マリブ・クラシック』はフォーマットが異なる。

共に18名のメンズ・ウィメンズサーファーが参加。

『クエルボ・サーフランチ・クラシック』は基本的にCTのサーフランチイベントと同様で、各選手はまず予選ヒートでライト・レフト共に2本の波に乗り、それぞれのベストスコアを合計して順位を決める。
18名の内、上位8名がSFに進み、SFでも同様のスコアリングで最後に上位2名がライト、レフトに乗ってイベントの勝者を決定する。

マリブで開催される『ジープ・マリブ・クラシック』は通常のLTイベントと同様。
R1は3人ヒートで上位2名がR3に進み、1名は敗者復活戦のR2に回る。
R3の後はQF、SF、ファイナルへ進むフォーマット。

参加選手は男女共に18名。

選手のキャンセルや渡航制限によって次点のサーファーに置き換わる可能性があるが、現在公表されている選手は以下。
なお、シーズン終了後、トップ10の選手が2022年のLTにリクオリファイする一方、残りの選手は各リージョナルのイベントで出場権を獲得する必要がある。

ジャスティン・クインタル(USA)
ロドリゴ・スファイアー(BRA)
テイラー・ジェンセン(USA)
カニエラ・スチュワート(HAW)
カイ・サラス(HAW)
スティーブン・ソーヤー(ZAF)
ハリソン・ローチ(AUS)
トニー・シルヴァニ(USA)
ベン・スキナー(GBR)
エドゥアルド・デルペーロ(FRA)
ルーカス・ガリード・レッカ(PER)
井上鷹(JPN)
コール・ロビンソン(USA)
ジェフソン・シルヴァ(BRA)
フィル・ラズマン(BRA)
ジョエル・チューダー(USA)
ケヴィン・スカヴァーナ(USA)
アウグスト・オリント(BRA)

ウィメンズ
ホノルア・ブロムフィルド(HAW)
クロエ・カルモン(BRA)
アリス・レモーン(FRA)
リンジー・ステインリード(USA)
タリー・ホワイト(AUS)
キラ・シール(HAW)
サリー・コーヘン(HAW)
ゾエ・グロスピロン(FRA)
ケイトリン・ミケルセン(USA)
ソレイユ・エリコ(USA)
ケリス・カレオパア(HAW)
オフェリー・ア・コウエン(REU)
マヒナ・アカカ(HAW)
田岡なつみ(JPN)
アヴァロン・ガル(USA)
ソフィア・カルヘーン(HAW)
ヘーリー・オット(HAW)
ケアニ・カヌロ(HAW)

注目選手

(ジャスティン・クインタル)
PHOTO:© WSL/Morris

LTツアーが開催された直近、2019年のワールドチャンピオンはジャスティン・クインタル(USA)とホノルア・ブロムフィルド(HAW)
ジャスティンはサーフランチでの特別イベントで優勝、ホノルアは2位に入っていた。

元はダクトテープの常連だったジャスティンが本格的にツアーに参戦したのは2019年からで、その年に2勝でワールドタイトルを獲得。
大柄な身体を活かしたサーフィンはノーズライド、ターン共に安定しており、今年もタイトル候補の筆頭と言える。
初戦のヌーサを欠場したことも彼にとって大きなハンデになることはないだろう。

「大変な2年間だったけど、これまで時間がなかったサーフィンの練習や生活の側面を振り返り、リセットして集中することが出来たのは良かったね。世界的なパンデミックの中で、イベントを運営するのは大変なことだけど、WSLが今年もロングボードツアーを継続するために最善を尽くしているのを見て嬉しく思う。これからのイベントを楽しみにしているし、また他のサーファーに会えるのを楽しみにしているよ。サーフランチでの完璧な青い水のチューブを思い出すね。あれは楽しみさ」

(ホノルア・ブロムフィルド)
PHOTO:© WSL/Pierucki

初戦のヌーサで5位とスロースタートのホノルアだが、2017年から毎年タイトル争いをしてその内の2つを獲得しており、特に完璧な波が保証されている残り2戦は確実に上位に入ってくるだろう。

「最も楽しみにしているのは、マリブよ。10歳の頃から毎年あの場所での大会に出場しているので、私にとっては特別な場所。マリブは私のロングボードのキャリアが始まった場所でもあるの。10年後にそこで世界タイトルを獲得できれば、それは夢のようなことよ」

まずは9月29日にサーフランチで開催される『クエルボ・サーフランチ・クラシック』を楽しみに待とう!

WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)

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