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片瀬西浜・鵠沼海水浴場が海辺の国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得

片瀬西浜・鵠沼海水浴場を開設する「江の島海水浴場協同組合」が、2021年4月16日付で海辺の国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得した。国内では5か所目で、自治体ではない民間団体による取得は国内初となる。

ブルーフラッグとは

ブルーフラッグとは、デンマークに本部がある国際NGO「FEE」(国際環境教育基金)による、世界で最も歴史のある、ビーチ・マリーナ・観光船舶などのサスティナブルな海辺を評価する国際認証制度。ヨーロッパから世界各国へ広がり、2006年に国際基準を統一したことをきっかけにさらに発展した。2021年3月現在、47カ国・4671カ所が認証を受けている。

4つのカテゴリー(水質、環境教育と情報、環境管理、安全)において設定された33の厳しい基準を満たし、国内審査と国際審査の2段階を通過すれば、その年の海水浴シーズンに、ブルーフラッグを掲げることができる。シーズン中でも、もし基準をクリアしなくなった場合には、即フラッグを降ろさせられる。また、1年更新なので、継続のためには絶え間ない努力が必要となってくる。

なお、基準設定については各国代表が年1回集まって自国の状況を共有しながら、5年ごとに見直されているという。

綺麗で、さまざまな人が安心安全に利用でき、環境について学べ、その管理体制が確立されているビーチにブルーフラッグが立つ。 (c)NPO法人湘南ビジョン研究所

ブルーフラッグを取得する意義は、ビーチがある周辺地域のSDGs(持続可能な開発目標)を促すことにある。ブルーフラッグによって「クリーンで治安が良く家族連れでも安心なビーチ」というイメージアップによる国内外の観光客増加を見込めるだけでなく、SDGsを含めた環境への取り組みを自治体・企業・市民と協力することによって、各種関係者が協力する体制が生まれ、ビーチの持続可能な発展が期待される。そして、経済性と環境保全を両立させる役割が見込めるという。

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これまで日本で認証取得している海水浴場

2021年の審査に当たり、国内では片瀬西浜・鵠沼海水浴場のほか、既存の4カ所が認証を更新した。認証取得の目的はビーチによって異なり、治安悪化の改善、環境改善、減少した海水客のアピールなど様々だ。

神奈川県鎌倉市「由比ヶ浜海水浴場」2016年から連続
福井県高浜町「若狭和田海水浴場」2016年から連続
千葉県山武市「本須賀海水浴場」2019年から連続
兵庫県神戸市「須磨海水浴場」2019年から連続

片瀬西浜・鵠沼海水浴場の狙い

片瀬西浜・鵠沼海水浴場は、日本で一番海水浴客が集まる、都心からのアクセスも良いビーチだ。ただし、湘南のビーチ全般に言えることだが、海水浴客や観光客によるごみ問題が深刻な状態だ。ボランティアや自主的なビーチクリーンも行われてきたが、この十数年間海岸ごみの総量は減っていない。観光が環境に負荷をかけている、という自覚も必要だ。

そのため、「海岸ごみはビーチだけでなく発生源の河川や街を含めた地域全体で、自治体・企業・市民が連携して取り組まない限り解決できない」と、由比ヶ浜海水浴場の認証取得にも関わり早くから活動してきた「NPO法人湘南ビジョン研究所」協力のもと、江の島海水浴場協同組合がブルーフラッグ認証取得をめざすことを表明。この度晴れて2021年の認証取得となった。

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民間団体による認証取得はアジア初となるが、これはかなり珍しいケースだという。ブルーフラッグの申請は海水浴場設置者が主体となって行うため、通常は行政が申請者となることが多いが、藤沢市の場合は江の島海水浴場協同組合が開設者なためだ。片瀬西浜・鵠沼海水浴場がある神奈川県藤沢市は、調査や書類作成、バリアフリー対応に必要な水陸両用の車いすを購入するなどで全面的に協力している。

NPO法人湘南ビジョン研究所の片山代表は、「今後は、美化活動に興味を持つ人が増えることで、片瀬西浜・鵠沼海水浴場がより綺麗になり、国内外の観光客増加、イメージアップを図ることができるのでは」と期待する。「他のビーチにもブルーフラッグが広がっていけばと考えており、まずは湘南一帯、相模湾沿いをブルーフラッグにしたい」と語る。現在、神奈川県逗子市の逗子海水浴場が2022年の取得に向けて動いているといい、その他にも広がりを見せそうだ。

(THE SURF NEWS編集部)

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