Photo: WSL / SEAN ROWLAND

南カリフォルニアやヨーロッパなどで徐々にビーチ開放へ

ハワイやオーストラリアなどビーチカルチャーが根付いたエリアでは、新型コロナウイルス感染拡大の中でもビーチ閉鎖やサーフィン禁止という措置を選びませんでした。

一方、欧米の多くのエリアではビーチが閉鎖され、閉鎖されたビーチに侵入した場合は罰金が科せられるケースもありました。

その欧米でロックダウンがスタートしたのは主に3月のことで、すでに2か月ほどの月日を経ていることから徐々に制限が緩和されています。

そこで今回は、サーフブランドの本社が集まるサーフィン中心地と言える南カリフォルニア、そしてヨーロッパのサーフエリアの動向などをお届けします。

南カリフォルニア

10個の郡(カウンティ)から成るカリフォルニア州の南カリフォルニア。前提条件としてアメリカの行政区分は州、郡、市と続き、基本的には州が決めたルールに郡と市も基本従わないといけませんが、州と意見が異なる自治体は州の承認を得られれば独自でルールを定められるようで、より単位の小さいローカルコミュニティもある程度力を持っているというイメージです。

その前提条件を基に、現状、カリフォルニア州は州管轄のビーチを2020年5月31日まで閉鎖しています。(ただし、以前にCTイベントが開催されていたトレッスルズはサンオノフレ州立ビーチ内に位置し、閉鎖しているはずなのですが、5月8日に再オープンしているので一部例外はある模様です。)

続いては郡レベルで見ると、南カリフォルニアで海に面しているのは、サンルイスオビスポ、サンタバーバラ、ベンチュラ、ロサンゼルス、オレンジ、サンディエゴの6郡。

4月25日にベンチュラやオレンジ郡の一部で、4月27日にサンディエゴ郡の一部のビーチが開放されました。

最も人口が多く人の往来が激しいロサンゼルスはビーチ開放までに最も時間が掛かったものの5月13日に再オープンとなり、6郡すべてで、郡管轄のビーチが開放となりました。

残すはビーチ沿いの各市に市管轄のビーチを開放するのかどうか判断を委ねられるのですが、現時点でメジャーエリアにてサーフィン禁止という情報はありません。

カリフォルニアは州を代表するスポーツにサーフィンが選ばれたほど、世界的にみてもサーフィンに理解のあるエリアであり、むしろエクササイズとしてのサーフィンは推奨されているようです。

ただし注意点として、ビーチ再オープンについては完全開放ではなく、現状においてはソーシャルディスタンスの確保や団体行動の禁止、日焼けやビーチで座ってくつろぐことも禁止など制限が設けられています。

あくまでもビーチ利用はエクササイズ目的に限定されているので、海でのサーフィンやスイミング、ビーチでのランニングなどといった線引きが引かれています。

オレンジ郡ではビーチ再閉鎖などの騒動も

via youtube

さて、ここまでの緩和の流れを見ていると順調に進んできたと思いきや、騒動もありました。

4月最終週にオレンジ郡でビーチを再オープンすると、住民たちによる感染対策のガイドラインを守らない行動が目に余り、週末を終えるとカリフォルニア州知事がオレンジ郡のビーチを全て再閉鎖すると発表。

この発表にローカルは激怒し、ハンティントンビーチ市ではソーシャルディンスタンスを守らない大規模デモが行われたり、市として州知事を訴える事態にまで発展しています。

最終的に、州知事は1週間も経たない内にオレンジ郡のビーチ再閉鎖を撤回することになり、オレンジ郡のビーチは再々オープンとなりました。

感染被害が甚大なヨーロッパでも徐々にビーチ開放

ヨーロッパについては、現在、そして過去のCTイベント会場であったフランス、スペイン、ポルトガルの現状について。

上記3か国における新型コロナウイルスの影響は、5月16日時点においてフランスは世界4番目となる死者数27,529人、スペインは世界5番目となる死者数27,459人を記録したりと、甚大な被害な受けています。

フランスでは5月11日にロックダウンが一部緩和されたものの、6月2日までビーチは全て閉鎖すると首相が発表。

ところが、後に内務大臣がビーチ閉鎖の解除に関する権限を地方自治体に委ねると発表したことで、一部エリアでは開放への動きが認められています。

スペインやポルトガルでも同様の措置が取られ、国として一斉にビーチオープンとはせず、各エリアの感染状況を見極めてローカル単位でビーチの再オープンを判断するという流れとなっています。

World Surf Movies

参照記事:
COVID-19 Closures | Carifornia Department of Parks and Recreation
Spain, Portugal Beaches Begin Opening, French Ban Continues | World Surf League
BREAKING: SURFING AUTHORISED IN FRANCE FROM MONDAY | Wavelength

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