マスクを路上で配布するカリッサ・ムーア PHOTO:© WSL/Every1ne Hawaii

ハワイでプロサーファーが協力して大量のマスクを配布!

新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に問題になっているマスク不足の問題。
特に欧米では昔からマスクをする文化がなく、それが感染拡大に繋がったとも言われている。

アメリカ本土と比べると感染者が少ないハワイでもマスク不足は深刻だが、あるNPO(非営利団体)が先頭になり、その輪がプロサーファーに広がって最終的に200万枚もの大量のマスクを無料で配布した。

Every1ne Hawaiiの行動

今回の発起人となったNPO「Every1ne Hawaii」は、今年初めにオアフ島在住のサーフィンの水中カメラマン、ザック・ノイルが友人と共に設立。
アメリカで最も投票率が低いハワイ州を変えるべく、地元の組織を構築することが目的だったが、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックにより、ハワイアンがこの危機を乗り越える手助けをすることに目的を変えた。

「Every1ne Hawaii」はハワイが直面した多くの問題の中で、可能な取り組みとして一般市民のための個人防護具(PPE)を確保し、特に着用が義務付けられることになるマスクの必要性を重視したのだ。

「私達は早い段階でマスクの問題が浮上するだろうと考えた。アジアの文化を調べたところ、ウイルスの蔓延を抑えることに成功した国でマスク着用が重要だったと分かったのさ」
ザック・ノイル

「お店に行ってもトイレットペーパーさえ見つからなかったよ。そんな状況でマスクを探すことを想像出来る?」
ジェイミー・オブライエン

プロサーファーの協力

「Every1ne Hawaii」は、まず草の根運動として、約10万枚のマスクを注文することから初め、それがカリッサ・ムーア、エゼキエル・ラウ、ジェイミー・オブライエン、マクア・ロスマン、セス・モニーツ、イアン・ウォルシュ、カイ・レニーなどのプロサーファーに広まり、遂にはホノルル市、州政府の協力(ハワイアン航空の協力で貨物をチャーター)を得るところまで発展。

最終的には200万枚のマスクが集まり、それの配達や配布にもプロサーファーが参加したのだ。

マウイ島ではイアン・ウォルシュ、カイ・レニーが国家警備員と共にボランティア活動を行った PHOTO:© WSL/Every1ne Hawaii

「中国から200万枚のマスクを購入するチャンスがあったんだ。すぐに無くなってしまう可能性が高かったので、最短の手順で購入したんだ」
ザック・ノイル

中国からの大量のマスクはハワイ州の管理の元に到着し、その日からマスクの着用が義務化された。
5月5日には、ザック・ノイルとジェイミー・オブライエンがノースショアのカフク病院にマスクを配達。

ジェイミー・オブライエンの他にも、カリッサ・ムーアはハワイアン航空のCEOと共に防護服の購入を発表して自ら道路の脇で看板を掲げ、人々にマスクを配布した。

マウイ島ではイアン・ウォルシュ、カイ・レニーが20万枚のマスクを持ち帰り、国家警備員と共に配布。
他にもザック・ノイルが、いくつかのイベントで7,000枚のマスクを配布する予定だ。

「多くのサーファーが私達のところに来て、参加してくれたのは素晴らしいことさ。彼らが自らの手でマスクを島民に届けることで元気づけることも出来るよね。マスクは5個セットでパッケージして厳しい手順を行った。今の世界でマスクをどのように配布するかについて考えている。ハグとキスがセットになっているようなハワイの文化では特に心配だよ」」
ザック・ノイル

(空海)

参考記事:This Grassroots Movement in Hawaii Turned Into Surfers Donating 2 Million Masks|World Surf League

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