Albee Layer from Instagram

未来のサーフィンを担うフリーサーファー「アルビー・レイヤー」インタビュー

シリーズ「サーフィン新世紀」⑩

ビッグウェーブ、エアーそしてインスタグラム。
プロ・フリーサーファーとしてのあたらしい生き方。


『未来のサーフィン』を占ううえで注目したいサーファーがマウイにいる。
ジョーズのトップガン、そしてエアリアルのスペシャリストとしても大活躍するフリーサーファー、アルビー・レイヤーだ。

彼はテイラー・スティールが企てた映画『Innersection』(インターネットベースによるビデオコンテンツの投票コンテスト)で優勝。賞金10,000ドルを獲得し注目された。
米サーファー誌のサーファーアワードでは2016年と2017年にベストマニューバー部門で優勝。ピアヒチャレンジでは2015年の試合で2位、さらに今年の冬は3位に入賞している。

歯に衣を着せぬ発言で一部から反感を買い『悪ガキ』的な側面があることも否めないアルビーだが、スノーボードやスケートボードと比べるとサーフィンは進化が停滞していると唱える彼の指摘は鋭い。
その彼が米サーファー誌のインタビューに応じた。ビッグウェーブとエアリアルという両極の分野で世界のベストの一人という彼の実力は侮れず、先入観を捨てて耳を傾ける価値はある。

 
 
 
 
 
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君が昨年インスタグラムへ「WSLはサーフィンの進化と個性を阻害していると思わないか?」と文章を投稿して炎上したけどそのソーシャルメディアの過激な反応には驚いた?

うん、笑えたけどね。僕がサーフィンの写真をインスタにポストしても誰も気にしないんだけど、その文章をスクリーンショットでポストしたら大騒ぎとなった。
とは言うものの、最近はみんなスマートに話し合うようになったね。僕が嫌いとか好きとかいうんじゃなくて、なんていうか、誰だって誰かの意見を聞きたがるんだよね。だから自分の意見を言えるプラットホームを持っていることは今の時代幸運なことじゃないかって思っている。

Albee Layer Reference rotationsportsmanagement.com

君が映画『Innersection』で優勝してフリーサーファーのキャリアを積み始める前、君はコンテストグロムだったんだよね?その世界にいたころも試合に対して批判的だったの?

そう、僕は昔からそうなんだ、笑。
子供のころはコンペティターだった。12か13歳くらいまで僕はNSSAでジョンジョンといつも優勝を争っていた。2回ワールドジュニアに出場したこともある。でもすごい結果は残していない。18か19で僕はスポンサーに契約を切られ、試合に燃え尽きて終わった。その頃に感じた気持ちは心に残っている。僕がしたいサーフィンと試合は合わないし、自分より劣る連中に負けるのは嫌だった。

ソーシャルメディアが普及してからそれを利用して怒ったり不平を発信するようになった。でもそれはあの『Innersection』での優勝する前の話。だから優勝してからは、ヤバイ、俺の意見を聞いているやつが増えているぞ。すこし発言のトーンを下げて間抜けに思われないようにしたほうが良いな。もう友達との内輪の会話じゃあなく、知らない人々が僕の話に耳を傾けるようになったんだって思うようになったね。

 
 
 
 
 
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君がワールドツアーに強い関心を払っているのはよく分かる。クオリファイシリーズを勝つ実力があると自分で感じている?

たぶんないね。CTツアーに参加できたら最高だと思うよ。でもQSに出て勝てるとは思わない。でももしWSLが、僕が納得するようなエアーショーのツアーを始めたら、僕はそのツアーに全力投球するだろうね。

現在のエアリスト世代はそのようなツアーのコンセプトを実現する義務があると感じている。もし僕たちができなければ未来の世代でもいい。そしたら僕はセコンドを務めて継続できるように応援する。波やフォーマットは僕たちのやり方で、ジャムセッションのようなスタイルで行う。一人がビッグエアーを決めると次の奴がもっと大きくとトライする。そうしたら進化はすごい勢いで進むと思う。お互いに切磋琢磨を共有するグループが出来るからね。

もしそんな感じで僕たちが努力して実現すれば、サーフィンのエキサイティングなカテゴリーの一つとなるだろう。そうなれば一年か二年もしないうちにCTの選手の中から「俺のほうがもっと上手くやれる」って言い出して試合に参加するようにもなる。

2017年サーファーアワードで、ベストマニューバーを受賞したアルビー・レイヤー

君の多くのポストはサーフィンのエアリアルの進化と他のスポーツを比較しているけど、スケーティングやスノーボードからサーフィンは学ぶべきだと思うかな?

今の僕はサーフィンより他のスポーツを観戦するほうが多いかな。比較するとサーフィンは進化が遅れていると思う。その理由は試合のフォーマットが原因だ。進化の源は『やる気』だ。ベストな選手たちが彼ら自身をプッシュする。現在の試合フォーマットではサーファーたちはやる気を起こしていない。

スノーボードやスケートでは、選手たちのベストトリックがそのスポーツの顔となっている。でもサーフィンの顔となっているのは選手たちだ。
CTのベスト10で新しいエアーを飛ぼうとするのは二人くらい。才能が無いんじゃないよ。じゃあなんでトライしないんだろう?僕がビッグエアーやその進化について必ず話すことは、怪我のリスクだ。ビッグエアーをしたい理由は何だろう。もしエアーをしないでも高い得点を稼げるならば?どうする?

 
 
 
 
 
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もしジャッジが革新的なマニューバーに対してハイスコアを付ける準備が本当にあれば、それがコンペティターの進化を助けるという論理だね

ジャッジは絶対になにがなんでも10点を付けるべきではないね。なにがあろうともね。それは愚かな行為で、選手は伸びようとしない。サーフィンが進化しない理由の1つだ。

他のスポーツではありえない。ショーン・ホワイトが良い例だ。彼は人生のなかでたった2度しかパーフェクトスコアを達成していないんだ。彼は10年以上もベストのスノーボーダーとして生きてきたのにね。もしサーファーたちがなにかクレイジーなダブルスピンかなにかで10ポイントを出さなければならないとして、その選手たちがシーズンオフにその練習をする。それでハイスコアが必要な状況になってビッグエアーに挑戦する。ファンにとってはそれがたまらない魅力となるんだ。

アルビー・レイヤーの540アーリーウープ/SURFER

なぜWSLのジャッジは他のスポーツに比べて10点を付けることが多いのだと思う?

僕が思うには、視聴率が落ちるのが怖いんじゃないかな。スコアが4点台のような低い結果だとヒートをクリックして見ようとは思わないだろ。

でもそれは改善できる。5点や6点が良いスコアだと認識を改めれば良いだけの話。ジャッジたちにはサーフィンに進化して欲しくないという理由もある。これまでも同じことを長い間繰り返してきたからだ。つまりターンやバレルは理解している。人は変化を嫌う、ジャッジも同じ。

ウェーブプールでの試合は、エアーに良い結果をもたらすんじゃないかな。もっと選手が大技へ取り組むチャンスとなって

そのとおり。ウェーブプールは変革となるね。選手のベストエアーに対してフォーマットを変更しやすい。それにプールはジャッジたちの勉強にもなるんだ。なにが重要かを見極めるためのね。

スポーツの新しい技はなかなか理解しにくいんだ。ウェーブプールならばさまざまなエアーの特徴や違いをクリアーに理解できる。同じセクションでなんども同じことを繰り返し、それを十分に理解して、さらに少しずつ違いを理解して、やがてエアーの全てが分かり、どれが最も難しい技かを見極めるようになるんだ。

 
 
 
 
 
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ウェーブプールは試合以外でどのようにサーフィンの進化を助けるかな?アベレージサーファーも海ではなかなかできないことに挑戦できるんじゃないか?

ケリーのプールだけじゃあ進化するには時間が掛かるけど、でもアメリカンウェーブマシーンのプールがあちこちにできるようになり、アクセスも簡単になれば同じセクションで何度も何度も練習ができるからサーフィンの進化を助けることになる。

海では波がいつも変化しているから思うように練習できないね。プールだとやりたいエアーを成功するまで何度も繰り返せる。プールを利用することでほとんどのサーファーが最高のエアーを行うことができる。

多くの人がこれまでのエアーの限界に到達するようになれば、そこから本当の進化が起こる。サーファーたちがいろいろなエアーをコンスタントに成功させるようになれば、エアーサーフィンという基準がそこから始まるんだ。

 
 
 
 
 
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君はスノーボーデイングから多くのインスピレーションを受けているようだけど。サーファーはスノーボードからいろいろなことを学べると思う?

スノーボーダーは進化の全てを見せてくれている。それ以外の新しいことに取りくむということはサーフィンにはもうないんだ。だってすべてのトリックはスノーボーディングとスケーティングですでに行われているんだから。

君が60歳になったらサーフィンはどう変わっていて欲しいと思う?

今年冬季オリンピックを見ていて僕はショーン・ホワイトに泣いてしまった、笑。そういうシーンがサーフィンで見れたらうれしいね。
選手が最後の波でベストを尽くして優勝するような光景が見れたらいいよね。ホキーパとかエアー向きの波のところがツアーの最終戦で、キッズがダブルコークを決めて世界タイトルを獲るなんて素晴らしい。

今期待していることは僕やマット・メオーラや仲間がやっていることが2年後くらいで普通のテクニックになっていると良いと思う。難しい技の進化には10年はかかるかもしれないけど、でもベストサーファーたちが積極的にエアーを取り入れて一般サーファーを鼓舞すればほんの数年で達成するだろう。

君自身が思い描くサーフィンの進化を、君のような立場で声を出して発言することは重要だと思う?同意しない人々を怒らせても?

そう思うよ。ポジティブな影響を及ぼすと思ったから発言したんだ。ただ単に叫ぼうと思って叫んだわけではない。
人々は僕がWSLに悪意を持っていると誤解してると思う。それは違う。僕はWSLの発展を願っているんだ。同時にこのスポーツの発展も願っている。僕はポジティブな変化を求めている。僕が助けになったかどうかは分からないけど、でもジャッジは点数を今年下げた。10点満点は今年あった?多くはないよね。僕自身ももっとスマートに意見を発言するべきだと思う。相手の立場も考慮しなければならない。

クリスチャン・フレッチャーは彼の時代に誰よりも先を行き、エアーを成功させた。でも彼のサーフィンは理解されるまで長い時間がかかった。
当時は彼を理解する人は少なかったのに「じゃあこれがいかに未来のサーフィンかってことを証明してあげましょう」と彼は言わずに、「ファック、馬鹿者、やれるもんならやってみな」という態度をとってしまった。
エアーが無価値なものとみなされることに彼は大きなフラストレーションを感じていたと思う。90年代後半から現在までこのスポーツの進化が停滞した一因がそこにあるのかもしれない。

現在の正しいサーフィンとは何だと思う?

サーフィンをよくなるようにと僕が話していることかな。修正するため些細なことにいまは注目している。

とにかくサーフィンというものは信じられないくらいにラディカル。現代のサーフィンはかつてないほど成長した。だからサーフィンのさまざまな分野にスポットライトを当てたい。一つの分野だけじゃなくて、サーフィンは広く拡張しているというのに、人々はまだそのほんの一部分にしか注目していないんだ。

李リョウ

reference Surfer magazine Vol59-5

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