Art: The Inertia / Sean Bernhardt

「ウェイブプールとオリンピックを巡る戦い」は終わったのか。

5月22日、ISA(国際サーフィン連盟)のフェルナンド・アギーレ会長は、フランスの大手通信社AFPに対して「2020東京オリンピックのサーフィンはウェイブプールではなく海で開催する」と発言した。

一方、当THE SURF NEWSと協力関係にある米サーフィン系メディア(カリフォルニアに拠点を置き、サーフィンを主軸にディープな情報を配信するwebメディア)『The Inertia』は、今月になって「ケリースレーターウェーブカンパニーのオリンピックを巡る戦いはまだ終わっていない」という記事を発表。

その記事内容の一部を紹介する。


・WSLのCEOソフィー・ゴールドシュミッドは建設候補地として東京を公言しており、ケリー・スレーター・ウェーブ・カンパニー(以下KSWC)の日本法人が登記されている

・現在も、千葉県内の某所でウェイブプール建設に向けて動いている。

・WSLや、KSWC日本法人の相談役を務めるBrian Nelsonは、日本におけるウェイブプール建設の進捗について明言を避ける姿勢を崩さない。

・Brian Nelsonは同志社大学でMBAの学生に対しプレゼンテーションをしたが、そのメインの内容は日本における起業家精神についてで、ウェイブプールについては公式サイトで発表されている以上のことは言わなかった。

・The InertiaがWSLの担当者に対して、AFP通信の報道について尋ねたところ、報道内容については直接的に回答しなかったものの、「まだウェイブプールがオリンピック会場になる可能性は残っていると思いますか?」という質問に対しては、否定はしなかった。

・WSLはフランスでもウェイブプールの建設に向けて土地を検討中であり、2020年に会場とすることができたらWSLにとって優勢になることは間違いない。

・もし、2020年は海で開催することになれば、現在パリ近郊で建設中のWavegarden社のように、2024年の開催時にはより高額な利用料を提示せざるを得なくなるだろう。

・オリンピック会場になるかどうかに関わらず、2020年までに、千葉県にウェイブプールはできるだろう。

・オリンピックの会場を最終的に決めるのは、オリンピック側の人間だが、それはWSLやKSWCがいかに自分達のテクノロジーを魅力的に提案するかにかかっている。


既にTHE SURF NEWSでも報道している部分が多いが、『The Inertia』が独自に行ったWSLインタビューでも、踏み込んだ質問には一般的な回答しか得られず、WSL側としてもまだオリンピックの可能性を残した検討をしているのではと感じさせた。

しかしながら、オリンピック会場になるかは別の問題として、実際、今も千葉県内でウェイブプールの建設に向けた用地取得や建設許可申請などの動きが確認されている。
オリンピック関係者や、会場準備スケジュール感など現状を鑑みると、現時点からの会場変更は流石に難しいという声も強まってきているが、まだしばらくこの問題は収束しそうにない。

調査・取材協力:『The Inertia』 Dylan Heyden

(THE SURF NEWS編集部)

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