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シングル・ツイン・トライは、こうイメージすればよく解る(第二章)

分かっているようで分かっていないフィンとフィンセットアップを徹底的に考えてみよう。

第二章:ツインフィンは古くて新しいフィンセットアップ

凧の左右に付いた短い二本の尻尾。ツインフィン・サーフボード(以下ツインフィン)の性格はこんなイメージが近いでしょう。ツインフィンは左右のターンにクイックに反応します。中心に長い尻尾が無い凧と同じです。バランスを司る中心にフィンが無いためにターンの反応の良さはダントツです。むしろ体重移動というよりも足先でトリミングしているような感覚でサーフボードをコントロールできます。

さらにフィンが左右にありますから、ターンのときにフィンが抜けない特徴がツインフィンにはあります。つまりサーフボードのテールをワイドにできる。テールの幅を広くするとテイクオフが早くなるというメリットがあります。テイクオフが早くてコントロールが楽ということですから、小波のサーフィンにぴったりということです。

体重の重いMR(マーク・リチャーズ)はツインフィンを俺流に改良して小波の試合を攻略し4度の世界チャンピオンに輝いた。https://markrichardssurfboards.com/

さて、ツインフィンは小波用というイメージが付きまといますが、サイズのある波にも十分に対応できます。センターにフィンが無いからパワーのある波では不安定では、と考える人も多いのですが、意外にもイメージよりも直進安定性が高いのがツインフィンです。その理由はフィンの先端が内側に向いていて、水が流れると左右のフィンが、サーフボードの中心に向かおうとする力が発生し、サーフボードに直進安定性を与えるからです。
例えば自動車の前輪もトーインと呼ばれてタイヤが内側を向いています。走り出すと左右のタイヤが内側に押し合って直進する車を安定させます。ツインフィンも同じで水の流れが大きくなればなるほど、その力が強くなりその作用によってサーフボードは安定していきます。このトーインの効果はターンのときにもライダーを助けてくれます。車のハンドルがカーブの後に自然に戻るような効果があるのです。

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ただしツインフィンはターンのときにはその一枚のフィンに負荷が掛かるために、コントロールがセンシティブになってしまいます。そのためにツインフィンはフィンを大きくしたり、中心に小さなフィンを取り付けたり、チャンネルや深いコンケープを掘って安定を計るデザインもあります。クアッドもツインフィンの安定を図るためにデザインされたと言えます。しかしながら、いずれにせよ高度な技術を持ったエキスパートサーファーは、ツインフィンのセンシティブなハンドリングこそが魅力と感じている人が多いのです。言い換えればレスポンスの良さです。

最近になって再び人気が高まっているツインフィン。その火付け役となったのがレトロフィッシュというキール型のフィンが付いたサーフボードです。70年代にスティーブ・リズというシェーパーがニーボードからヒントを得て開発したのがレトロフィッシュ(別名サンディエゴフィッシュ)の始まり、と言われています。その可能性に気づいたハワイのリノ・アベリラがツインフィンを作りオーストラリアでサーフし、さらにそれにヒントを得たマーク・リチャーズが、独自でMRタイプのツインフィンを開発し世界チャンピオンに登りつめたというエピソードがあります。MRのタイプは横長のキールフィンではなく、縦長のフィンで、しかも片面フォイルという特徴があります。キールフィンよりもドライブ性能は落ちますがターンのレスポンスと回転性が良く、縦の動きにも対応するのがMRタイプのツインフィンです。(ちなみにツインフィンの誕生は諸説あり、最も古いのがボブ・シモンズの考案によるシモンズというサーフボードが定説となっています)

フィンを大きくして安定性を得るツインフィンもその形状で性格が変わる。横長のキールフィン(左)はドライブ性が高く大きなラインを描けるのに対しMRタイプ(右)は縦長で回転性が向上しよりバーチカルなターンを可能にする

さて誰が乗っても楽しいツインフィン。体重が重いために小波が苦手な人や、逆に体重が軽すぎてサーフボードのテールに体重をしっかりと載せてコントロールできないとお悩みの人は、ツインフィンを試してみたらいかがでしょう。さらに初心者にもツインフィンは向いているとも考えられます。シングルフィンでしっかり基礎的なターンを習得するという考え方も間違ってはいませんが、逆転の発想で、ツインフィンでサーフィンを練習するというのもありなのです。
テイクオフもターンも楽なサーフボードでたくさん波に乗りターンを繰り返す。経験値を増やして上手くなるという発想です。

(李リョウ)

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