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ケリー・スレーターが「WIRED」のQ&A企画に出演

もし、ケリー・スレーターに質問できるとしたら、あなたは何を聞きたい?

世界中のありとあらゆる波でサーフィンをしてサーフィンに関わるほぼ全ての栄光を手に入れ、更にゴルファーとしても一流。
彼の人生の経験値から弾き出された答えはとても重みがある。

今回はアメリカを代表するテックカルチャー・メディア「WIRED」が企画したケリー・スレーターのQ&A動画を紹介する。
質問の内容はテック系のフォロワーがメインなので、サーフィンをしていない人からの素朴な質問が多いが、真摯に時にユニークに受け答えをしている。


Q:ウエットスーツの仕組みを教えて。全身が濡れないのか?少しは濡れるの?解説して欲しいです。

A:基本的には常に濡れているよ。でも、ウェットスーツを着ることで身体を温めてくれるので、長時間海に入ることができるようになる。
ウェットスーツは凄い良いし、生地も今は進化しているんだ。
ウェットスーツを着ることで冷たい海でサーフィンが可能になる。アメリカ東海岸では冬の間、水温がマイナス1度でもサーフィンする人がいる。
それは本当に凍えるような冷たさだし、氷のようだけどウェットスーツを着ればサーフィン可能なんだ。
あとね、小便をするとウェットスーツの中が温まるよ。

Q:サーファーが多い海では、波に乗る順番にルールがあるの?

A:これは複雑な問題がある。
各場所にはヒエラルキーのようなものがあり、それによって順番が決まることがある。
その場所に長く住んでいる人や、近所に住んでいる人、波に対する知識、攻撃性、技術。
全ての要素が絡み合っているのさ。
時々、その順番が狂ってしまい、ある人が強引に波に乗ってしまうことがある。
それをスネーキングと呼ぶんだ。
あとはある人が乗った波を横取りすることをドロップインと呼ぶよ。
もし、子供とかならラインナップの後ろで待つのが基本だけど、それだとなかなか波に乗れないからインサイドで小さい波に乗った方が良いね。

Image: WIRED(YouTube)

Q:サーフィンの大会って誰が一番楽しんでいるかとか、そういうことですよね?

A:実はサーフィンを客観的に判断する方法はないのです。
何故なら、波というのは高さも長さも違うからです。その波によって可能となるマニューバーや数も違います。
それぞれ異なる難易度があります。タイミング、パワー、テクニックなど様々なものが動的に作用してくるのです。
ジャッジの感情がスコアになるようなものです。

Q:サーファーはどうしてあんなにボードに張り付いていられるの?

A:ワックスを塗っているからだね。
張り付くためのワックスをボードに塗っているんだよ。
ワックスはベタベタしているので、初めて使う人は足が動かないと言う人もいるそうですね。
でも、私達はそれを求めているのです。
特に大きなマニューバーやエアーをする時、カービングで強くボードを抑える時に有効なんですよ。
私達は全ての体重と力をボードに乗せるのです。

Q:波情報の腰サイズって誰基準?
私は身長が157.5で大体の人よりも小さいのよ。
ちょっと知りたいわ。

A:波のサイズは場所によって測り方が異なるんだ。
ハワイで3ftと言えば、頭サイズ。
でも、フロリダで頭サイズは6-7ftと言うという具合にね。
多分、ハワイの測り方は海のウネリで判断しているんだね。
これが私のベストな推測。
もし海のウネリが10ftあったら、波の間隔が15秒で大きい波だと3mにもなる。

その他の質問リストは以下。

「何故、サーファーはハング10と言うの?」
「シークレットにしているサーフスポットはある?」
「サーファーはどのように怪我をする?」
「なんでサーファーは長髪が多いの?」
「サーファーは日焼け止めを塗る?」
「今まで見た中で最も大きな波は?」
「海に入る時、車の鍵はどうするの?」
「海に入った後、目が痛いんだけど対策はある?」
「何故、サーファーはスケーターより強そうに見えるの?」
「何故、サーファーはヘルメットを被らないの?」
「パドルグローブを使ったことはある?」
「車の上にボードを積む時、何故フィンが前なの?」
「どのような予測や計画でサーフィンの大会を開催するの?」
「サーフィン中にライフジャケットを着たことはある?」
「ウェーブプールが普通のプールと同じように一般的になり、常にサーフィンできるような環境になることを夢見ています」

ちなみにケリーはApple TV+で配信されている『Make or Break』シーズン2にも出演。
2022年のパイプラインでの感動的な優勝のシーンは必見だ。

(空海)

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