PHOTO:© WSL ジョーディ・スミス(右)とコーチのクリス・ギャラガー(左)

元CT選手のクリス・ギャラガーがアメリカ代表サーフィンチームのヘッドコーチに就任

サーフィンが史上初のオリンピック競技として行われる2020東京オリンピックまで残り2年を切り、今年はいよいよ選手選考が始まる。

ここまでの世界的な動きで最も有名なのはサーフィン大国オーストラリアがCT引退直後のビード・ダービッジをコーチに採用するなど早くからメダル獲得への体制を整えていたこと。

もう一つの大国アメリカはオリンピックのメダル獲得数トップ。2位以下を大きく引き離す強豪国。
当然、サーフィンにも力を入れており、1984年のパイプマスター、ジョーイ・ブランが2017年6月のチーム設立以来チームに携わり、2018年5月にヘッドコーチに任命。
2017年のジュニア団体金メダル、2018年にジュニア団体銀メダル。オープンでは2018年に団体銅メダルを獲得、障がい者によるアダプティブチームでも団体金メダルを獲得するなどISAでのアメリカチームの活躍を見ればその貢献度の高さが分かるが、2018年12月にオレンジカウンティの教会の牧師としての仕事に専念するために辞任。

そのジョーイ・ブランに代わり、元CT選手のクリス・ギャラガーをサーフィンチームのヘッドコーチに就任するとアメリカのニュースサイト「Santa Cruz Sentinel」が報じている。

カリフォルニア・サンタクルーズで生まれ、CT参戦の経験もあるクリス・ギャラガー。
選手引退後はオアフ島ノースショアに移住、エリック・アラカワに影響を受けてシェイパーとしてのキャリアを歩むと同時にC.J&ダミアンのホブグッド兄弟、ジョーディ・スミスなどのコーチを務め、成功を収めている。
今回の抜擢は彼の選手やコーチとしての実績、シェイパーとして道具面での理解の深さが理由だそうだ。

「サーフィンがオリンピックで行われるのは史上初、凄いことが沢山あるよね。うまくいけば’アメリカのサーフィンチームは素晴らしい仕事をしたね’と人々は振り返るだろうし、彼らのサーフィンや競技に対しての向上が目の前で見ることができる。こんな仕事を頼まれて断る理由はないさ」
クリス・ギャラガー

PHOTO:© ISA
前任のジョーイ・ブラン(中央)はアメリカサーフィンチームに大きく貢献した

2020東京オリンピックの選考基準は以下の通り。

メンズ、ウィメンズ共にショートボードのみで各20名、合計40名。
同じ国の選手はメンズ、ウィメンズ各2名が上限(例外として3名まで)

1.2019年のWSLワールドツアーのメンズトップ10とウィメンズトップ8。
2.2020年『ISA World Surfing Games』のメンズの上位4名とウィメンズの上位6名。
3.2019年『ISA World Surfing Games』、メンズの上位4名とウィメンズの上位4名(アフリカ・アジア・ヨーロッパ・オセアニアの男女トップ1名ずつ)
4.2019年『Pan American Games』のメンズ、ウィメンズ共にトップ。
5.開催国枠メンズ1名、ウィメンズ1名。

2020年東京オリンピックの選考基準

強豪国のアメリカは代表選手の枠をめぐって熾烈な争いが予想される。

WSLワールドツアーのランキングを例にしてみると2018年、メンズはコナー・コフィン、コロへ・アンディーノ。
ウィメンズはレイキー・ピーターソン、カリッサ・ムーアが候補の筆頭になる。

メンズは2016年、2017年と2年連続でワールドタイトルを獲得したジョン・ジョン・フローレンスがアメリカ代表として最も欲しい選手だが、2018年は怪我でシーズンを棒に振っていた。
2019年は復帰が予定されているものの、完全復活しているかは現時点で不透明。

その一方でサーフィン界のキング、ケリー・スレーターが2020東京オリンピックの出場に意欲を見せていることは明るい材料と言えるだろう。

(空海)

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