Photo: @kanji_museum

世界のサーフシーンにおける2018年の「災」

今年2018年の世相を表す漢字一字として選ばれた「災」。地震、豪雨、台風などの自然災害に加え、パワハラ、文書改ざん、不正入試などの人災なども目立った一年であったことから選ばれた漢字です。

では、世界のサーフシーンにおける2018年の「災」とは!?特に記憶に残っているものを独断と偏見でピックアップしていきます。

シャークアタック

Photo: Discovery Channel

サーフィン界におけるショッキングかつセンセーショナルな災いとして取り上げられることの多いシャークアタック。

特に印象的であったのが、西オーストラリアのマーガレットリバーでのCTイベント開催時、周辺で2件のシャークアタックが発生したことを受け、選手の安全面を確保するためにイベントがキャンセルになった件。

マーガレットリバーイベントはもともとの開催時期が、サメが餌を求めてマーガレットリバーに集まりやすい危険な時期であったので、2019年からは開催時期が変更となりました。

もう一つ印象的なニュースとして、かつてはシャークアタックと言えばダイビング中の事故というイメージが強かったのですが、2017年度の統計によるとサーフィン中のシャークアタックが59%で最多という驚きの数値がISAF(※)から今年発表されました。

シャークアタック防止策として、特に対策を講じているオーストラリアではドローンによるパトロールやサメの目撃情報などを集めるアプリなどが発展しているので、効果のほどを期待したいところです。

※インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル(International Shark Attack File)とは、国際的なサメによる被害情報のデータベース。通称ISAF。日本語では国際サメ被害目録、国際サメ襲撃ファイルなどと訳される。

殺人アメーバ

Photo: BSR Cable Park

今年オープンしたばかりでありながら、ウェイブプールとしては世界最高峰のエアーセクションを有する米国テキサス州ウェーコのBSRサーフリゾート。

そのBSRサーフリゾートを訪れたアメリカ人が、殺人アメーバと呼ばれ致死率97%のフォーラーネグレリアに感染し、今年9月に亡くなりました。

後に行われた水質検査によるとBSRサーフリゾートは水質基準をクリアしていたものの、同じ敷地内にあるウェイクボード用アトラクションのケーブルパークではフォーラーネグレリアが発見されたとのこと。

実はアトラクションによって水質基準は異なり、BSRサイドとしては条例に違反していたわけではなかったようなので、責任の所在は基準を制定した行政となるのでしょうが釈然としないニュース。

ですが、事故を受けてからBSRサーフリゾートは自主的により高い安全基準を満たすため、最先端の濾過システムを導入することを発表しました。

女性へのドロップイン

Photo: Black Girls Surf

Photo: Allanah Brown’s facebook

SNSの普及とアマチュアフォトグラファー(スマホ撮影を含む)の増加に伴い、なにかトラブルが発生した時に証拠が残るケースが増えてきた現在。

その最たる例が、今年話題となったバリ島とカリフォルニアで発生した女性サーファーへのドロップイン(前乗り)問題。

いずれのケースも写真がなければただの水掛け論で終わってしまったはずが、写真という決定的な証拠があったため、SNSで世界中へと拡散され、ドロップインした男性サーファーたちは非難の的となりました。

こういった残念な災いがあった一方、ワールドツアーを運営するWSL(ワールドサーフリーグ)は来年からの男女賞金格差を是正すると発表したりと、時代は着実に男女平等に向かっています。

インドネシア津波

つい先日となる12月22日にインドネシアのジャワ島とスマトラ島の間に位置するスンダ海峡で、火山噴火による地すべりにより発生した津波

津波の高さは2~3メートルと言われ、死者数は確認が進むにつれ当初の数十人から数百人規模へと増えていき、まだまだ被害全てを把握するには流動的な状況のようです。

私は今年、スンダ海峡からさほど離れていないジャワ島西部チマジャ、スマトラ島南部クルイへとサーフトリップしていたので、現地で知り合った友人に安否の連絡をしたところ、チマジャとクルイでは幸いにして被害はなかったとのことです。

まとめ

サーフシーンにおいても災いはあったものの、上記に取り上げた例の大半は改善の方向に向かっていると言えます。

「災い転じて福となす」という言葉がある通り、ネガティブをポジティブに変えていき、新たな年を迎えたいですね。

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