現地時間7月6日、南アフリカのバリートで開催されていたCS第2戦『Ballito Pro』が終了。
ファイナルデイは公式4-6ftレンジのグッドコンディションとなり、ナディア・エロスタルベ(EUK)とルーク・トンプソン(RSA)が優勝。
両者共にCS初優勝を決め、CTクオリファイ圏内に一気にジャンプアップしている。
NAMINORI JAPANは都筑有夢路がランキング8位

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昨年の同イベントでは、 西慶司郎、大原洋人が5位に入り、大原洋人はランキングでもクオリファイ圏内に入っていたが、今年はRound of 32敗退でランキングは28位。
西慶司郎はRound of 64敗退でランキングは44位。
西慶司郎は前哨戦のQS2,000で2位になった勢いを維持できなかった。
また、初戦で5位に入っていた都筑有夢路はRound of 32敗退でランキング8位。
CTクオリファイはメンズが上位10名、ウィメンズが上位7名なので、クオリファイ圏内に入るチャンスは十分にある。
なお、「NAMINORI JAPAN」の模様は公式チャンネルで随時更新中。
ハイライトの他、バックステージも収録されているので、チャンネル登録して応援しよう!

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オリンピアン同士のファイナル

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ウィメンズサイドはスペインのナディア・エロスタルベ、ポルトガルのヨランダ・ホプキンスとヨーロッパ出身のオリンピアン同士のファイナルになった。
グーフィーフッターのナディアはシャープなバックハンド、レギュラーフッターのヨランダはビッグターンとチューブライドで勝ち上がり、共にCSでは初のファイナル進出。
35分間の激しい接戦、ヨランダは7.67とファイナルのハイエストスコアを出していたが、バックアップスコアを伸ばすことができず、残り数分で6.30を出したナディアの逆転優勝となった。
「今の気持ちを言葉にはできない。本当に感情が溢れているわ。沢山の友人が来てくれ、本当に嬉しい。ファイナルは波も上がってきて、ヨランダとの試合では大きな波が来るのを願っていた。今、ヨーロピアンストームが来ている。みんな調子が良いわ」
2025年はCTのリプレイスメント枠として前半5戦に出場していたが、チャンスを活かせすにミッドシーズンカットになったナディア。
しかし、実力は十分にあり、今回の優勝で17もランキングを上げて4位に浮上している。






惜しくも敗退したヨランダはゴールドコーストでの開幕戦で5位とシーズン序盤に続けて結果を出しており、ランキング3位。
9月には母国ポルトガルでのイベントも控えている。
「本当に信じられない気持ちよ。優勝まであと少しだったけど、海がもう一本のチャンスをくれなかった。あらゆることを試したけど、時にはロースコアを出すことが一番難しかったりする。自分のパフォーマンスにはとても満足しているし、まだまだ出し切れていない部分もあると思う。次のUSオープンが楽しみね」

母国ファンの前で歴史を刻む

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メンズサイドは南アフリカのルーク・トンプソンが2025年のCTルーキー、ジョージ・ピッター(AUS)を母国の大観衆の前で倒して優勝。
ミドルスコア勝負のファイナルは、ルークが序盤にバレルを抜けたものの、フィニッシュをミスしてしまい、5.33止まり。ジョージのリードでヒートは進行していた。
ラスト2分。ルークはアンダープライオリティでフェイスのあるレフトの波にテイクオフ。バックハンドでパワフルな2マニューバーを繰り出し、4.00を出してトータル9.33で逆転に成功。
ウィニングライドの後、ビーチに戻ると仲間に揉みくちゃにされて最高の瞬間を共有していた。
今イベントのファイナルに南アフリカ人が進出するのは、2017年のジョーディ・スミス以来。
21歳のルークが母国ファンの前で歴史を刻むことに成功した。
「まるで夢を見ているようで、まだ目が覚めない感じさ。南アフリカ人として本当に誇りに思う。ビーチのサポートがとにかく凄くて、ファイナルに進出した時点で感情を抑えるのが大変だった。もっと良いファイナルにしたかった。今はただ信じられない。この結果の裏には本当に多くの努力がある。コーチに最大限の感謝を伝えたい。彼なしではここまで来られなかったよ」
開幕戦33位だったルークは今回の優勝で43もランキングを上げて2位に浮上。
CS落ちとなったマシュー・マクギリヴレイは4位と南アフリカ勢がクオリファイ圏内に二人入っている。





SFではジョルガン・クズィネ(FRA)を相手にファイナルでのハイエストとなる8.67を出していたジョージだったが、ファイナルはチャンスに恵まれなかった。
それでもランキング3位とクオリファイ圏内に入り、CT返り咲きに近づいている。
「ファイナルで4ポイント台が足りなくて負けたのは悔しい。でも、嬉しさと悔しさが混じった気持ちかな。きっと明日にはもっと前向きな気持ちになれると思うし、確実に前進できた大会だった」

『Corona Cero Open J-Bay』のワイルドカードが発表

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今イベントの結果を受け、7月11日からJ-Bayで開催されるCT第10戦『Corona Cero Open J-Bay』のワイルドカードが発表された。
ツアー&コンペティション枠からはマシュー・マクギリブレイが選出。
CSのアフリカ勢最上位として、ルーク・トンプソンとサラ・バウムがリージョナルワイルドカードを獲得。
CSランキング1位、ポルトガルのフランシスカ・ヴェセルコがイベントワイルドカードとして選ばれている。
「まだ信じられないわ。Jベイはツアー入りを夢見てからずっと、最も出たいと思っていた大会よ。夢が叶った気分。このチャンスをもらえて本当に嬉しい。これまでCTには一度だけポルトガルで出たけど、その時は波が良くなかった。今度は朝食から夕食まで、1日中パーフェクトなライトハンドの波でサーフィンできるなんて楽しみ過ぎるー」
フランシスカ・ヴェセルコ
CT第10戦の後、7月26日〜8月3日はカリフォルニアのハンティントンビーチでCS第3戦『Lexus US Open of Surfing』が開催される。
『Ballito Pro』結果
1位 ルーク・トンプソン(RSA)
2位 ジョージ・ピッター(AUS)
3位 オスカー・ベリー(AUS)、ジョルガン・クズィネ(FRA)
5位 イーライ・ハンネマン(HAW)、シオン・クロフォード(HAW)、リアム・オブライエン(AUS)、ルーカス・シルベイラ(BRA)
ウィメンズ
1位 ナディア・エロスタルベ(EUK)
2位 ヨランダ・ホプキンス(POR)
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ローラ・ラウップ(BRA)
5位 ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)、キアラ・グールド(PYF)、タリア・スウィンダル(USA)、フランシスカ・ヴェセルコ(POR)


WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)