世界一危険とも言えるタヒチ・チョープーで開催中のパリ五輪。
特に大会3日目は期間中最もサイズアップして1ヒートで何度も選手がジェットスキーで救助される場面があった。
このジェットスキーと後方でサポートするウォーターパトロールは出場しているサーファー同様に海のエキスパートであり、ウォーターパトロールなしでこの大会は成立しない。
R3でジョン・ジョン・フローレンスを倒したロボこととジャック・ロビンソンは、ヒート終了後に「海底に引きずられ、2回も波に潰されそうになったよ。浮き上がってもすぐに次の波は来て、空気もほとんど吸えない状態だった。ここで多くの人がひどいワイプアウトを経験しているのを思い出した。自分も何度か最悪のワイプアウトをしてきたけど、コンテストでは状況が違う。アドレナリンがはるかに多く出て、競技の結果を求めるのでリスクも大きい」とチョープーでの大会の危険性を話している。
このヒートでは両者共に2本連続でワイプアウト。
特に2本目は両者共に真っ白なスープに放り出され、ウォーターパトロールに救助されていた。
「他のすべてのスポーツはコートやスタジアムで行われる。しかし、私たちは海にいる。地球上で最大かつ最も強力な生命の源の海が会場なんだ。波の力は本当に凄い。他のどのスポーツとも違う。もしかすると、山で頭に雪崩が降りかかるようなものかもしれないし、それに近いのかもしれない。本当に危険で、クレイジーだよね」
実はロボは大会中だけではなく、大会前のトレーニング中にも危険な目に遭い、救助されていた。
その時にフィンで足首の近くを切って5針縫ったそうだ。
ロボだけではなく、出場している多くの選手がウォーターパトロールに助けられ、無傷の選手はほとんどいない。
パリ五輪の競技の中で最も過酷で最も危険なサーフィン競技。フィナーレに向けて選手はさらなる挑戦を迎えるが、それと同時に選手の安全を守るための対策も大会を成功させる重要な側面と言える。
選手たちの勇敢な姿とともに、それを陰で支えるウォーターパトロール。そして、全てのスタッフの努力にも敬意を払いつつ、最後までこの大会を追い続けたい。
(空海)
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