(JJF) PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

『Western Australia Margaret River Pro』ギャビーvsJJF 名勝負の結果は?

現地時間4月19日、西オーストラリアの,マーガレットリバーで開催中のCT第5戦『Western Australia Margaret River Pro』は不安定なコンディションにより、小刻みに進行。
大会6日目はメンズRound of 16の8ヒート中、4ヒートのみが行われた。

前日のバックアップ会場、サウスサイドからメインブレイクに戻ったこの日は公式3-4ftレンジのサイズ。朝はクリーンなコンディションだったが、ハイタイドとオンショアにより、残りヒートは翌日に持ち越しになった。
ウェイティングピリオドは残り2日間。最終日の21日はイベント最大の南西ウネリの到達が予想されている。

ギャビーvsJJF

(名勝負を制したJJF)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
(序盤は完璧なギャビーだったが…)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

4ヒートのみながら濃密な1日となったこの日。

オープニングラウンドからガブリエル・メディナ(BRA)とジョン・ジョン・フローレンス(HAW)のゴールデンカードが実現。
序盤は完璧なバックハンドでスコアを重ねたガブリエルがリードしていたが、徐々にエンジンが温まってきたジョン・ジョンが7.00を出して追い上げ、ニード6.67のシチュエーション。
終了間際、プライオリティはガブリエルが持っており、ピッタリとジョン・ジョンをマーク。定石通り、ジョン・ジョンをブロックする形でセットの最初の波に乗ったガブリエルだったが、次の波に乗ったジョン・ジョンがシグネーチャームーブであるレイバックからラインナップに戻るガブリエルの目の前でフィンフリーのフィニッシュ。
勝利を確信したガッツポーズからしばらくのスコア待ちの後、ジャッジは6.90をコール。
見事な逆転劇を演じてQF進出を決めた。
名勝負を締めくくったのはヒート終了後の二人のハグ。今回のジャッジにはガブリエルも納得だったようだ。

「かなりストレスフルなヒートだったよ。ガブリエルとのサーフィンはいつも楽しいし、一緒にクオリファイを果たして以来、争う仲さ。最後にあの波を得て本当に嬉しかった。彼に勝つために神経を集中したんだ。彼は同じ世代で最高のコンペティターの一人。ヒートの中の彼は常に計算されているんだ。全てを把握していると感じている。だから、早めにリードを奪わないとヒート中はずっとプレッシャーになるのさ」

ミッドシーズンカットを争ったプーポ兄弟

(辛い勝利となったサミュエル)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ミッドシーズンカット前の最終イベントとなるマーガレットリバー戦。
連日、CS落ちの選手を報告することになっているが、この日はサミュエル、ミゲルのプーポ兄弟がミッドシーズンカットを争い、8ポイントを出した弟のサミュエルが勝利。
同時に兄のミゲルのCS落ちが確定した。

PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

「彼がいなければ、今の私はいないよ。多分、サーフィンさえもしていなかったかも。このポジションにいるのは、すべて彼のおかげなんだ。彼をツアーから落とすことは、自分にとって敗退したように感じるね。でも、彼は本当に強いので、また戻ってくるでしょう。ヒート後、彼は笑顔でまるで勝ったように見えた。それが彼がどれだけ強いかを示している。本当に辛いよ」

ヒート後半、勝っていたサミュエルが涙を流し、それを兄が励ますという異例の光景があった。
インタビュー中もサミュエルはずっと涙ぐんでいた。

ワイルドカードの快進撃

(ジョージ・ピッター) PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ベルズ戦の活躍が認められてマーガレットリバーでもワイルドカードを与えられたジョージ・ピッター(AUS)が快進撃を続けている。

Round of 16ではリアム・オブライエン(AUS)を相手にハードなカービングで9.00をスコア。6.90のバックスコアを重ねて圧勝した。
QFでは現在ランキングトップのグリフィン・コラピント(USA)と対戦する。

(21歳、マンリー在住のジョージ)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

「実際に何が起こっているのかさえ信じられないよ。まさに波に乗っているような感じ。楽しんでやっているけど、あのヒートではエンドセクションでワイプアウトしたり、いくつかのミスがあった。プレッシャーが少ないこのイベントは気楽なんだ。みんながミッドシーズンカットのことを考えている一方、自分はただパドルアウトして経験を積んでいるだけだからね。経験と共にこの波を知ることができるのは本当に楽しい。良い波に乗り、このレベルのコンテストで勝ち続けているのは最高の気分だよ」

現在21歳のジョージはバヌアツから11歳の時にダイアン・ネイブ、リッチー・ラベットを輩出したシドニー北部のマンリービーチに移住。
2024年最初のシンデレラボーイになっている。

その他、グリフィン・コラピント(USA)がラムジ・ブキアム(MAR)に完勝。
残りヒートにはミッドシーズンカットに関わるセス・モニーツ(HAW)、カイオ・イベリ(BRA)が登場する。

セスはイーサン・ユーイング(AUS)に勝てばカットラインの上に浮上するが、敗退すればCS落ちとなり、サミュエルがクリアする。
ジョーディ・スミス(RSA)と対戦するカイオは敗退すればCS落ち。また、Round of 32で敗退したコナー・オレアリー(JPN)はセスかカイオが敗退すればカットラインの上に浮上する。
セス、カイオの両者が敗退した場合、ヤゴ・ドラ(BRA)がカットラインの上に浮上する。

ネクストコールは現地時間4月20日の14時45分(日本時間の同日15時45分)

Western Australia Margaret River Pro Men’s Round of 16 Remaining Matchups (Heats 5 – 8):
HEAT 5: Ethan Ewing (AUS) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 6: Jordy Smith (RSA) vs. Caio Ibelli (BRA)
HEAT 7: Jake Marshall (USA) vs. Imaikalani deVault (HAW)
HEAT 8: Italo Ferreira (BRA) vs. Jack Robinson (AUS)

Western Australia Margaret River Pro Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: India Robinson (AUS) vs. Gabriela Bryan (HAW)
HEAT 2: Molly Picklum (AUS) vs. Brisa Hennessy (CRC)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Tyler Wright (AUS)
HEAT 4: Sally Fitzgibbons (AUS) vs. Sawyer Lindblad (USA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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