(ヒーローを倒したコール) PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

メンズベスト8が決定した『Rip Curl Pro Bells Beach』3日目

現地時間3月30日、CT第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』は2日間のレイデイの後、公式2-4ftレンジのウィンキーポップでメンズRound of 32のH6から再開。
日本のGWよりも多くの国民が休みになるイースターホリデーで大勢の観客が見守る中、一気にRound of 16まで進行してQFを戦うベスト8が決定した。

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ヒーローを倒した男

(コール・ハッシュマンド)
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Round of 32のハイライトはガブリエル・メディナ(BRA) vs コール・ハッシュマンド(USA)のカード。

グーフィーフッター同士の対決は怪物ぶりが戻ってきたガブリエルが本命で、序盤は定石通りリードしていたが、この日のウィンキーポップはコールのホームであるトラッセルズに似た波で驚くべきバックハンドの応酬を見せた。最後の波でギャビーに特大のスプレーを浴びせるおまけ付きで逆転に成功。彼にとって特別なラウンドアップを果たした。

「ベルズで活躍することはずっと目標だった。ベルズは歴史あるアイコニックなイベントで、自分のサーフィンに合う波だと思う。だからファイナルデーに残れて最高だよ。自分には大きな結果も必要なんだ。だからもっとヒートを重ねたい。そして、自分にとってメディナとのヒートは優勝よりも夢だった。10歳か11歳の頃のインタビューで、ギャビーは大好きなサーファーと話していたほどなんだ。このハイレベルなイベントで彼と同じヒートを戦えた。一つ夢が叶ったよ。勝てたのは勲章だね」

一方、最後のコールの波にプライオリティを持っていたにも関わらずブロックしなかったギャビーは、単純に波が小さかったからスコアが出ないと思っての判断だった。

それをミスと言われたインタビューで「あれがミスなの?それはおかしいね。あんな最悪なジャッジ初めてさ。でも、スポーツだからね。ジャッジに関しては何度も考えてきたけど、あれは最悪さ。私たちは一度話し合わないといけないよね。あれはハプニングなのかな。このスポーツにとって良くないことかもよ。改善されることを望む。もっと私たちの意見を聞いて欲しい。今日はハプニングとして片付けるしかないね。あの波は小さかった。ベストウェーブではなかったよね。だから、自分はパドルしなかった。まあ、自分のサーフィンに集中するよ。あんな負け方は悲しいけどね。家族を離れて果てしない距離を旅してハードなトレーニングも積んでいる。もう落ち込むよ。仕方ないね」と静かに怒りを吐き出していた。

波に乗ったコールはRound of 16で五十嵐カノア(JPN)も抑えて見事に初のQF進出を決めた。

ちなみにコールと同じサンクレメンテクルーのケイド・マトソン(USA)もジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ヤゴ・ドラ(BRA)と強豪を倒して初のQF進出を決めている。

(スネークのコーチの元で戦うケイド・マトソン)
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(ケイド・マトソン)
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ケリー最後のベルズか?

(ケリー・スレーター)
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Round of 32ではミック・ファニング、マーク・リチャーズに並ぶ4度の最多優勝記録を持つケリー・スレーター(USA)がバロン・マミヤ(HAW)に敗れた。
次のマーガレットリバー戦で優勝か上位に入れなければケリーはミッドシーズンカットでCTから脱落。そのまま引退となる。

「マーガレットで優勝しなければ、ベルズはこれが最後になるだろう。ただ楽しむことを心がけている。ベルズはいつも魔法のようだし、何十年も通っているよ。ワールドツアーのフルタイム競技者として出場した初めての大会もここだった。最も記憶に残っているのはベルを鳴らした回数だろう。自宅にベルを飾れるのは名誉なことだし、幸運にも4回優勝できた。今回の大会でも良い成績を残したかったね。今はこういった大会、人との繋がり、友情、そして思い出を楽しむようにしている。過去の勝者を見てみると、その中には自分のヒーローたちも沢山いるんだ。サーフィンの偉大な選手たちが皆、この大会で優勝している。マーガレットはマーガレットとして楽しむつもりだし、無理はしない。これまでの人生にとても感謝している。キャリア全体を通して本当に楽しかったよ。でも、どうなるかは分からない。ワイルドカードでたまに出ようかなとも思っているけどね」

(ケリー・スレーター)
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初のコラピント兄弟対決

(兄弟対決を制した兄のグリフィン)
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Round of 16ではポルトガル戦で優勝したグリフィン・コラピント(USA)、3位に入ったクロスビー・コラピント(USA)の兄弟対決が実現。
潮が上げて波数が少ないヒートで強さを発揮したのはグリフィンで、フィンフリーのレイバックスナップで7.17を出し、クロスビーはロースコア止まりで敗退した。

「クロスビーの方が自分に勝ちたかったみたいだね。父親が観に来てくれたのは嬉しかった。試合を観に来たのは初めてだし、クロスビーと自分が当たるなんて運命みたい。波数が少なかったけど、楽しかった。二人で本気になったね」とグリフィン。

(弟のクロスビー)
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クロスビーの方は「どっちも負けたくない気持ちだったと思う。パドルで競り合いになった時、これは本気だって思ったよ。よし、あいつを見返してやるってね。また一緒にヒートできたら良いね。今回はちょっとモヤモヤが残る感じかな。良い波の時に当たれたらもっと楽しめると思うよ」と話していた。

コール、ケイド、グリフィンの他、ジェイク・マーシャルとサウスカリフォルニア勢がベスト8の内、半分を占めることになった。
コール、ケイドはミッドシーズンカットでCS落ちを免れるため、ベルズと次のマーガレットリバー戦で結果を残す必要がある。

ベスト8入りを決めたのは他にマシュー・マクギリヴレイ(RSA)、イーサン・ユーイング(AUS)、和井田理央(IND)
ワイルドカードのモーガン・シビリック(AUS)も残っている。

ネクストコールは現地時間3月31日の朝7時45分(日本時間同日朝5時45分)
明日も同程度の南西ウネリが続く予報。
イースターサンデーなので、多少コンディションが悪くても決行する可能性がある。

Rip Curl Pro Bells Beach Presented by Bonsoy Men’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Morgan Cibilic (AUS) vs. Matthew McGillivray (RSA)
HEAT 2: Ethan Ewing (AUS) vs. Cole Houshmand (USA)
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) vs. Jake Marshall (USA)
HEAT 4: Kade Matson (USA) vs. Rio Waida (INA)

Rip Curl Pro Bells Beach Presented by Bonsoy Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Johanne Defay (FRA) vs. Ellie Harrison (AUS)
HEAT 2: Sawyer Lindblad (USA) vs. Brisa Hennessy (CRC)
HEAT 3: Caroline Marks (USA) vs. Tatiana Weston-Webb (BRA)
HEAT 4: Caitlin Simmers (USA) vs. Gabriela Bryan (HAW)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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