(ポルトガルのファイナリスト) PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

アリッサ・スペンサー&デイヴィッド・シルヴァが優勝!CS第5戦『EDP Vissla Pro Ericeira』

いよいよ大詰めになってきた2024年のCTクオリファイを決めるCS。
最終戦のブラジルを前に重要な一戦となる第5戦『EDP Vissla Pro Ericeira』がポルトガルのエリセイラで行われ、現地時間10月8日に終了した。

なお、日本人選手はRound of 32で全て姿を消し、ポルトガルに別荘を持つ五十嵐カノアは、Round of 64で敗退。
ブラジルで一矢報いることに期待したい。

アリッサ・スペンサーが優勝でクオリファイ圏内に入る

(アリッサ・スペンサー)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

ウィメンズのQFからスタートしたファイナルデイ。
舞台はライトのポイントブレイク、リベイラ・ディアスで公式4-6ftレンジのグッドコンディションでクライマックスを迎えた。

ウィメンズはカリフォルニア、エンシニータス出身のアリッサ・スペンサーがブラジルのルアーナ・シルヴァを2本の8ポイントで撃沈。
ルアーナも7ポイント2本と好調だったが、ファーストラウンドから合わせると7つもエクセレントスコアを出し、QF以降全てのヒートでトータル16点以上を出したアリッサの勢いには勝てなかった。

(4位に浮上したアリッサ、念願のクオリファイを達成することができるか?)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

「最高の気分ね。この優勝には沢山の感情と努力が詰まっている。今年は本当に厳しい年。ウィメンズサーファーのレベルは過去最高で、みんな素晴らしいわ。だから、優勝するには多くの努力が必要なの。ランキングやクオリファイへのシナリオのことを考えるのは止めて、周囲にいる最高の人々と共に大会自体を楽しもうとしたわ。それがこの場所で上手くいったのだと思う。この優勝は最高の自信になる。次のサクアレマに向けて素晴らしい位置に立てたわ」

昨年はブラジル戦で優勝、5位が2回あったアリッサだが、開幕戦と中盤の結果が響き、ランキング7位と僅かにクオリファイに届かなかった。
クオリファイの条件であるトップ5に入るのはそれだけ難しいことであり、シーズンを通して崩れずコンスタントな結果を残す必要がある。
アリッサは今回の結果でクオリファイ圏内の4位に浮上。しかし、予断を許さない状況であることは彼女自身が一番理解しているだろう。

(ルアーナ・シルヴァ)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

デイヴィッド・シルヴァがCT返り咲きにリーチ

(強烈なバックハンドでハイスコアを量産したデイヴィッド)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

メンズサイドはブラジルのデイヴィッド・シルヴァのバックハンドが爆発。
SFでは9.73を含む、トータル19.03と驚異的な数字を揃え、ジェイク・マーシャル(USA)とのファイナルでも8ポイント2本で圧勝。

「特別な優勝だね。このイベントで優勝することは夢でもあった。お気に入りのイベントの一つなんだ。最高に幸せだよ。ここで稼いだポイントはツアーに戻るために重要さ。次のブラジル、サクアレマに戻るのが楽しみだよ」

2022年のCTでミッドシーズンカットされ、CS落ちしたデイヴィッド。
その年のCSは全く結果を残せず、29位でシーズンを終えていた。
今年も開幕戦49位と最悪のスタートだったが、カリフォルニアで9位、今回優勝して20もランキングを上げてクオリファイ圏内の5位に浮上した。

(デイヴィッド・シルヴァ)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(2位のジェイク・マーシャルもクオリファイ圏内に浮上)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

サリー・フィッツギボンズが一番手でクオリファイを確定

(父とクオリファイ確定の通知を聞いたサリー)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

CT歴13年のベテラン、オーストラリアのサリー・フィッツギボンズは今シーズン、ミッドシーズンカットでCS落ちしていたが、4戦連続でQF以上をメイク。ファイナル2回と圧倒的なコンスタントさで2位のイザベラ・ニコルズに大差をつけてポルトガル入り。
ここでもQF進出を果たし、5位で4,745ポイントを重ね、ウィメンズでは一番手となるCTクオリファイを確定させた。

「様々な感情が入り混じっているわ。今年はとても長いわね。適切な視点から見れば、ウィメンズサーファーは本当に凄くてヒートに勝つのも容易ではないの。このポジションにいることは本当に光栄。このクラスの戦いに勝って2024年に挑めることになったことも光栄よ。私にはたくさんの目標がある。ツアーでのパフォーマンスを向上させたいと思っているの。世界最高峰の波で行われることがワクワクさせてくれるわ。私にとってホームのみんなからの応援は本当に意義がある。ベストを尽くし、ツアーに戻れたこと。それはみんなのおかげだと思っている」

(念願のCT入りが確定したジェイコブ・ウィルコックス)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

メンズではコール・ハウシュメンド(USA)のクオリファイが第3戦で決まっていたが、ポルトガルではウエスタンオーストラリアのジェイコブ・ウィルコックスが確定させた。
ロボことジャック・ロビンソンと共に神童と呼ばれていた彼が2024年にどんな活躍をしてくれるのかにも注目したい。

CS最終戦『Corona Saquarema Pro』は10月14日〜21日にブラジルのサクアレマで開催される。

『EDP Vissla Pro Ericeira』結果
1位 デイヴィッド・シルヴァ(BRA)
2位 ジェイク・マーシャル(USA)
3位 ディミトリ・プロス(USA)、マテウス・ハーディ(BRA)
5位 コール・ハウシュメンド(USA)、ジュスタン・ベクレ(FRA)、ジャクソン・バンチ(HAW)、ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)

ウィメンズ
1位 アリッサ・スペンサー(USA)
2位 ルアーナ・シルヴァ(BRA)
3位 インディア・ロビンソン(AUS)、ゾーイ・ベネデット(USA)
5位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS)、エリー・ハリソン(AUS)、フランシスカ・ヴェーセルコ(POR)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

最終戦前のCSランキング

(空海)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。