昨年はJ-Bayで3位入賞。ワールドランキング14位でフィニッシュした五十嵐カノア Photo: WSL/Beatriz Ryder

五十嵐カノア&コナー・オレアリーがベスト8入り!パーフェクトコンディションに恵まれたCT第9戦『Corona Open J-Bay』3日目

現地時間7月18日、南アフリカのJ-Bayことジェフリーズベイを舞台としたCT第9戦『Corona Open J-Bay』は新しい南西ウネリが入り、公式6ftまでサイズアップ。
オフショアで整ったラインナップはビッグマニューバーにバレルありの美しさだった反面、カリッサ・ムーア(HAW)がサーフボードを折り、イタロ・フェレイラ(BRA)がフローターの着地に失敗して右足を負傷、病院送りになるほど凶暴でもあった。

コナーとカノアがQF進出

五十嵐カノア
PHOTO: © WSL/Alan Van Gysen

コンテスト3日目は今後の波予報とウェイティングピリオドを考慮して二つのヒートを同時に進行させるオーバーラッピングヒートを利用。
メンズ、ウィメンズ共に一気にQFを戦うベスト8まで絞られてきた。

メンズサイドではイアン・ジャンティ(HAW)、ガブリエル・メディナ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)、コナー・オレアリー(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)、ジャック・ロビンソン(AUS)、五十嵐カノア(JPN)、ヤゴ・ドラ(BRA)がベスト8入り。

カノアはElimination Roundでリアム・オブライエン(AUS)、Round of 16でジョアオ・チアンカ(BRA)を共にクロスゲームの末にクリア。
今シーズン2度目のQF進出となった。

(コナー・オレアリー)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
(コナー・オレアリー)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

オリンピックに向けての国籍の登録問題で注目されているコナーは3日目に主役級の活躍を見せた。

カラム・ロブソン(AUS)とのElimination Roundでは9.57を含むトータル18.24のハイエストヒートスコアを出し、Round of 16ではジョン・ジョン・フローレンス(HAW)に追い込まれながらもニード8.47だった最後の波でビッグターンを連発。フィニッシュまでメイクして8.70、ジャッジによっては9.20を出したほどのライディングで今シーズン5度目のQF進出。
壁となっているSF進出には次にイーサン・ユーイング(AUS)を倒す必要がある。

「難しい波だったけど、最後のチャンスで逆転するために全力を尽くしたよ。最後のターンは思いっきりやったよ。成功するか分からなかったけど、感触は良かったね。全体的に良いヒートだったので、勝敗に関わらず満足している。今はメンタル的にとても良い状態なんだ。現状に満足しているし、楽しむことを心掛けているのさ」

フィリッペのWSL Final進出確定

(フィリッペ・トレド)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

J-Bay戦が終わると残すは最終戦のタヒチのみ。
トップ5の選手が秋のローワーズでワールドタイトルを争うことになる。

すでにウィメンズは2つの席が埋まっているが、この日はフィリッペ・トレド(BRA)がRoud of 16で和井田理央(IND)を倒した時点でメンズで最初の席を確保。
Rip Curl WSL Final進出を決めた。

「この知らせを待っていたよ。すべての努力、犠牲、長時間の旅、フライト、そして費やしたお金が、それを特別なものにする。リオでの怪我から復帰できたことは本当に嬉しい。まだ膝にテープを巻いて固定しながら、やっている。結果を出すためにね。この席を手にいれるのも時間の問題と思っていたけど、気持ちを抑えるように努力してきたんだ。とても恵まれているよ」

レオナルド・フィオラヴァンティが2024年パリ五輪代表に暫定決定

(レオナルド・フィオラヴァンティ)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

2024年パリ五輪のクオリファイも兼ねている今年のCT。

この日は現在ランキング9位のレオナルド・フィオラヴァンティがイタリア代表として暫定的ながら席を確保した。
レオナルドは東京五輪にもジョーディ・スミス(RSA)のリプレイスメントとして出場しているため、2度目の五輪になる。

オリンピック選手になる夢が叶った。次のオリンピックで再び自国を代表する機会があることは夢のようだし、メダルを持ち帰れることを願っている。イタリア連盟は私をとてもサポートしてくれている。彼らは本当にこのプロジェクトを信じているんだ。私のコーチとしてエイドリアーノ・デ・ソウザを迎えたことは大きな助けになったね。多くを学ぶことができた。より優れたコンペティターになるために次のオリンピックに行くことは単に私の夢だけでなく、私は支えてくれている国全体、国民全体の夢でもある。彼らを誇らしく思わせることができればと願っているよ」

カリッサがボードを折りながらも次に進む

(ボードを追って砂浜を走るカリッサ)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ウィメンズサイドはタイラー・ライト(AUS)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)、キャロライン・マークス(USA)、レイキー・ピーターソン(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)、サラ・バウム(RSA)、モリー・ピックラム(AUS)、ステファニー・ギルモア(AUS)がベスト8入り。

ハイエストはキャロラインがOpening Roundで出した9.63でトータルでも17.80と圧倒的な数字を揃えた。
また、Elimination Roundではカリッサがジョアン・ディファイ(FRA)を相手にセットの波でサーフボードを折るトラブルがあったが、すぐにラインナップに戻り、パワフルなカービングで8.50を出してジョアンを封じ込めた。

(ステファニー・ギルモア)
PHOTO: © WSL/Alan Van Gysen

カリッサとタイラーはすでにWSL Final進出を確定しており、残る3席の内2席はキャロラインとモリーが手にいれる可能性が高い。
1席だけは5位のケイトリンから6位のステファニー、タティアナの3名で争うことが予想され、この日唯一勝ち上がったステファニーがアドバンテージを得た。

「沢山の水が動いているけど、完璧なJ-Bayよ。この波でやることが私たちがここに来る理由であり、長い間待った甲斐があった。本当に美しいわね。前のヒートでは波が大きかったから今回はやや長いボードと大きなフィンを使用したの。タティアナとはランキングが同率なので、重要なヒートだった。本当に素晴らしい波。あの波に乗る時に感じる気持ちは言葉では言い表すのが難しいほどよ」

ネクストコールは現地時間7月19日の朝7時15分(日本時間同日午後2時15分)
ライブ中継はWSL公式サイト、公式アプリ、公式YOUTUBEで配信される。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(遂に本来のJ-Bayが姿を現した)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

(空海)

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