(勝負を決めたカノアのエアー)Photo: ISA/Pablo Jimenez

五十嵐カノア&稲葉玲王がファイナルデイに残る!『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』7日目

過去最多の63か国、294名が参加している『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』は大会7日目を迎え、ファイナルデイを戦う16名が決定。
日本代表の波乗りジャパンでは、五十嵐カノア、稲葉玲王の2名が残り、国別ランキングは4位を維持している。
トップはフランス、2位はペルー、3位はオーストラリア。個人、団体共にメダル獲得が見えてきた。

期間中、ストームの影響でウネリが全く途切れないエルサルバドルだが、7日目の現地時間6月6日はトリプルオーバーのセットが入り、メンズ、ウィメンズ共にR5とR6。リパチャージはR10まで進行した。

ファイナルデイはR7とリパチャージR11、12。
最後にグランドファイナルが行われる。

五十嵐カノア&稲葉玲王がファイナルデイに残る

(五十嵐カノア)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

波乗りジャパンはR5に稲葉玲王、五十嵐カノア。
リパチャージR8からの戦い。

R5のH1、稲葉玲王はブラジルのガブリエル・メディナ、ペルーのミゲル・トゥデラ、インドネシアの和井田理央と強豪揃いのカードでミゲルと共に2位通過。
R6ではメキシコのアラン・クリーランド、ペルーのルーカ・メシナスを相手に3位敗退となるが、リパチャージR10でカナダのコディ・ヤングと共に2位通過を果たし、リパチャージR11に進んだ。

(稲葉玲王)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(稲葉玲王)
Photo: ISA/Jersson Barboza

R5のH3、五十嵐カノアはペルーのルーカ・メシナスと共に1位通過。
これで全て1位通過とディフェンディングチャンピオンの貫禄を見せつけながら、R6へ。
ペルーのミゲル・トゥデラ、南アフリカのジョーディ・スミスとのカードでは一時3位だったが、じりじりと追い上げて2位に浮上。
最後はストレートエアーを含むバリエーションを加えたターンで7.40を出しトップに立ってR7進出を決めた。
後半まで全く気を抜かないカノアの戦い振りに感銘を受けたファンも多いだろう。

(松田詩野)
Photo: ISA/Sean Evans

リパチャージR8、松田詩野はペルーのダニエラ・ローザス、ドイツのレイチェル・プレスティ、ノア・クラップとのカードで3位敗退。
このヒートはノアが8.00を含むトータル15.00で唯一の2桁台を出していた。

タヒチのヴァヒネ・フィエロが2024年パリオリンピック出場権を得る

(ヴァヒネ・フィエロ)
Photo: ISA/Pablo Franco

2024年パリオリンピックの最初の選手選考大会でもある『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』

前日には8名中、5名の枠が埋まっていたが、この日は新たにヨーロッパのウィメンズ枠としてヴァヒネ・フィエロが出場権を獲得した。
WSGにはフランス代表として参加している彼女だが、タヒチ出身でパリオリンピックの会場チョープーをホームとするサーファー。
2022年のCTにもワイルドカードで出場して3位という大きな結果を残している。

「チョープーは私にとってとても特別な場所よ。今までに経験した最高の波を得ることができる場所であり、とても親切な人々に囲まれ、挑戦して学んでいる。初めてのオリンピアンとして、ホームで競技することにとても興奮しているわ。これ以上ないほどの素晴らしい状況よ。これは時間をかけて努力し、金メダルを獲得する方法を見つけるわ」

アジアとヨーロッパのメンズ枠を巡っての争い

(カウリ・ヴァースト)
Photo: ISA/Jersson Barboza

パリオリンピックの出場権、残り2枠はアジアとヨーロッパのメンズ枠のみ。

アジア枠は五十嵐カノアと稲葉玲王の2名の争い。
カノアの場合はCT枠での出場もあり得るが、前日のジョーディ・スミス同様、このWSGでまずは出場権を獲得しておくのが理想。

カノアはインタビューで、「自分のベストを尽くし、可能な限りチームメイトのレオをサポートしたいと思っている。彼が成功することは自分にとっての成功と同じくらい重要なんだ。実際、彼が成功した方がもっと嬉しい。オリンピックに値する人だし、今週の彼のサーフィンは凄いよ」
と話していた。

(ウクライナ代表と親交を深めるサリー)
Photo: ISA/Pablo Franco

ヨーロッパ枠はフランスのカウリ・ヴァースト、スペインのゴンサロ・グティエレスの2名の争い。

この日、メインラウンドにはイスラエルのウリ・ウジール、リパチャージにはポルトガルのフレデリコ・モライス、ドイツのディラン・グローエンも残っていたが、脱落して二人に絞られた。

カウリはウィメンズ枠を獲ったヴァヒネと同じタヒチ出身で、フランス代表として参加。
彼もまたチョープーをホームとするサーファーであり、2022年のCTではワイルドカード出場で2位の成績を収めている。

21歳の彼は9.43とトータル16.93。
イベントを通してのハイエストシングルスコアとヒートスコアを出してファイナルデイ進出を決めた。

(稲葉玲王とリパチャージR11を戦うコディ・ヤング)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(15歳のエリン・ブルックス)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(オリンピアンは一生の誇り ミゲル・トゥデラ)
Photo: ISA/Pablo Franco

『2023 Pan American Games』出場枠が決定

今回のWSGではアフリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの4大陸の選手が直接パリオリンピックの出場権を得られるが、アメリカ大陸のオリンピック出場枠に関しては、男女各1枠ずつ、サンティアゴで開催される『2023 Pan American Games』で決定される。
その男女14名、合計28名の出場枠が決まった。

(『2023 Pan American Games』出場を決めたアラン・クリーランド)
Photo: ISA/Pablo Franco

Qualified Santiago 2023 Pan American Games Athletes

Women
Tatiana Weston Webb (BRA)
Erin Brooks (CAN)
Leilani McGonagle (CRC)
Sol Aguirre (PER)
Daniella Rosas (PER)
Silvana Lima (BRA)
Chelsea Tuach (BAR)
Lucia Indurain (ARG)
Sanoa Olin (CAN)
Isabella Gomez (COL)
Regina Pioli (MEX)
Ornella Pellizzari (ARG)
Nataly Bernold (CRC)
Dominic Barona (ECU)
Host Nation Allocation TBC (CHI)
Host Nation Allocation TBC (CHI)

Men
Cody Young (CAN)
Alan Cleland (MEX)
Sebastián Williams (MEX)
Miguel Tudela (PER)
Lucca Mesinas (PER)
Krystian Kymerson (BRA)
Leandro Usuna (ARG)
Isauro Elizondo (PAN)
Jean Carlos González (PAN)
Franco Radziunas (ARG)
Marcos Correa (BRA)
Oscar Urbina (CRC)
Francisco Bellorin (VEN)
Jose Joaquin Lopez (VEN)
Host Nation Allocation TBC (CHI)
Host Nation Allocation TBC (CHI)

ファイナルデイのスケジュール

(南アフリカのゾーイ・ステイン) Photo: ISA/Pablo Franco

コンテスト最終日の6月7日は朝7時30分に開始予定。
日本時間同日の22時30分。

会場はラ・ボカナ。
メンズのリパチャージR11から始まり、グランドファイナルまで行われる。

各ラウンドのカードは以下。

◾️メンズ リパチャージR11
カウリ・ヴァースト(FRA)
稲葉玲王(JPN)
コディ・ヤング(CAN)
ゴンサロ・グティエレス(ESP)

◾️ウィメンズメンズ リパチャージR11
ソフィー・マックロック(AUS)
エリー・ハリソン(AUS)
ソル・アギーレ(PER)
エリン・ブルックス(CAN)

◾️メンズ R7
五十嵐カノア(JPN)
ルーカ・メシナス(PER)
アラン・クリーランド(MEX)
ミゲル・トゥデラ(PER)

◾️ウィンメンズ R7
サリー・フィッツギボンズ(AUS)
ヴァヒネ・フィエロ(FRA)
ジョアン・ディファイ(FRA)
タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)

ライブ配信はISA大会特設ページで!

2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games
https://isasurf.org/event/2023-world-surfing-games/

(THE SURF NEWS編集部)

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