(ファイナリスト) PHOTO: © WSL/Beatriz-Ryder

イザベラ・ニコルス&コール・ハウシュマンドが優勝!CS第2戦『GWM Sydney Surf Pro』

スナッパーロックス、ノースナラビーンと続く、CS(チャレンジャー・シリーズ)のオーストラリアレッグ。
全く違うタイプの波で来年のCTクオリファイに向けてのシーズンが幕を開けた。

スナッパーロックスでの初戦『GWM Sydney Surf Pro』はCT選手も多数参加してサミュエル・プーポ(BRA)、イザベラ・ニコルス(AUS)が優勝していたが、ノースナラビーンでは波に当たる確率がガクンと下がることもあり、QS各リージョナルの選手、ミッドシーズンカットでCS落ちした選手、ワイルドカードが争うイベントになった。

ノースナラビーンは千葉で言えば志田下のような道場で、普段からハイレベルなセッションが行われている。
ショートボード向けの掘れた波質が特徴で特に左側のレフトがこの場所を象徴するブレイクとなる。

イベント期間中はサーフボードが何本も餌食になるほどの大きなウネリがヒット。レフト、ライト共にあり、バレルでスコアを稼ぐ選手もいたほどのコンディションに恵まれていた。

ウィメンズはCS落ち同士のファイナル

(イザベラ・ニコルス)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

現地時間5月22日に迎えたファイナルデイは公式6-8ftレンジ。
ノースナラビーンを象徴する長いレフトが姿を現してくれ、見応えあるクライマックスとなった。

ウィメンズはCTのミッドシーズンカットでCS落ちになったサリー・フィッツギボンズ(AUS)とイザベラ・ニコルス(AUS)がファイナルに残り、両者共に軽くヘッドオーバーはあるハードなブレイクにチャレンジ。
ベテランのサリーでさえてこずるような波にイザベラは果敢に攻めのサーフィンを見せ、インサイドセクションまでメイクして8.14をスコア。トータル13.84でサリーを抑えることに成功、ランキングでも初戦の9位を埋め合わせ、3位まで浮上した。

「今週の初めにはこれほどの結果になるとは思ってもみなかった。正直、精神状態があまり良くなくて、このイベントにも来るか迷ったの。今年はとても辛い年で、自信も低下していたわ。だから、今こうして優勝したのは信じられないのよ。素晴らしい人々に囲まれ、沢山のポジティブなエネルギーに触れて自信を回復できた。それが今までとの大きな違いね。波は凄かったわ。アウトに出るまでは不安で、二人とも何本かの大きな波に対処しなければいけなかった。何本かの波に乗り、自分自身に挑戦することができたわ。以前は知らなかった沢山の自分を発見した」

(イザベラ・ニコルス)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
(サリー・フィッツギボンズ)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

惜しくも優勝は逃したものの、サリーはオーストラリアレッグを3位と2位で終え、ランキング2位とツアー返り咲きを早くも固めている。

「このトロフィーはとても特別よ。最近のウィメンズツアーはとてもレベルが高く、表彰台に上がるのは大変なことなの。今日、この舞台に立つのに値する選手も沢山いるわ。ローカルの良いサポートのおかげで、今週はずっと良いエネルギーが送られていたわ」

メンズはダークホースが制する

(コール・ハウシュマンド)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

このオーストラリアレッグではコロへ・アンディーノを中心としたカリフォルニアのサンクレメンテチームが何かと注目されていた。
初戦で3位に入ったジェット・シーリング、クロスビー・コラピント。そして、ノースナラビーンを制したコール・ハウシュマンドだ。

22歳のコールはイーライ・ハンネマン(HAW)、マーク・ラコマー(FRA)、ジャクソン・ベイカー(AUS)を倒してファイナルまで進み、最後はジェイコブ・ウィルコック(AUS)を相手に最高のレフトを掴み、サンクレメンテチームのエネルギーを浴びながらパワフルなターンを連発。
9.80と9.17、トータル18.97というイベントを通してのハイエストという驚異的なスコアで圧勝した。

「今は言葉が出ないよ。全てが思い通りに進み、今までの努力が報われて本当に嬉しいね。才能あるサーファーで溢れ、CTに値するサーファーも数多く参加している本当に最高のツアーだよ。だから、本当に意味がある優勝さ。全てのイベントで優勝を目指している。それは簡単なことではないんだ。本当にチャレンジングで、難しかった。初優勝に興奮しているよ」

優勝したコールは5月27日、28日に開催されるCT第6戦『Surf Ranch Pro』のワイルドカードも獲得。
すでにヒート表も公開されている今イベントの情報は近日公開予定!

(コール・ハウシュマンド)
PHOTO: © WSL/Beatriz-Ryder
(ジェイコブ・ウィルコック)
PHOTO: © WSL/Beatriz-Ryder

2位になったジェイコブは今を時めくロボことジャック・ロビンソン(AUS)と同胞で、ウエスタンオーストラリアの神童と呼ばれ続けていたが、CTクオリファイは逃していた。
今年は初戦で5位、第2戦でキャリア最高の2位となり、ランキングトップに浮上。
クオリファイが現実的になってきた。

「2位は辛いけど、とても良い気分。昨年は2つのイベントでは最下位で終わり、今年は5位と2位。今は少し違った立場にいるよね。本当にチャレンジングな波だったけど、パワーサーフィンができて嬉しい。コールと一緒のファイナルは良かった。彼は一週間、素晴らしいサーフィンをしていたし、今このポジションにいられることに本当に興奮しているよ」

(ノースナラビーンのラインナップ)
PHOTO: © WSL/Beatriz-Ryder

日本人選手の結果

(大原洋人)
PHOTO: © WSL/Beatriz-Ryder

初戦で良い結果を残せなかった日本人選手。
今回も大原洋人が49位。
都築虹帆、都筑有夢路が25位と良いニュースは入らなかった。

次の第3戦『Ballito Pro』は7月2日〜9日に南アフリカのバリートで開催される。
昨年は和井田理央(IND)、モリー・ピックラム(AUS)が優勝。
理央は2連覇でCTクオリファイを固めていた。

『GWM Sydney Surf Pro』結果
1位 コール・ハウシュマンド(USA)
2位 ジェイコブ・ウィルコック(AUS)
3位 ジャクソン・ベイカー(AUS)、マルコ・ミニョ(FRA)
5位 フレデリコ・モライス(PRT)、マーク・ラコマー(FRA)、ケイド・マットソン(USA)、モーガン・シビリック(AUS)

ウィメンズ
1位 イザベラ・ニコルス(AUS)
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
3位 ベラ・ケンワーシー(USA)、インディア・ロビンソン(AUS)
5位 アリッサ・スペンサー(USA)、メイシー・キャラハン(AUS)、テレッサ・ボンバロ(PRT)、エリン・ブルックス(CAN)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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