1週間に渡って続いた『2022 ISA World Surfing Games』もいよいよ明日が最終日。
現地時間9月23日に7日目を迎えた今イベントは優勝国に2024年パリ五輪の男女1枠が追加で与えられる重要な選手選考も兼ねており、上位国は特にヒートアップした一日。
更にパンデミック後初の国別対抗リレーレース「アロハカップ」も行われるなど会場のハンティントンビーチは大いに盛り上がっていた。
この日のハンティントンビーチはイベント前半に入った南南西ウネリが弱まる傾向となり、コシ〜ハラサイズ。
イベントを通して日中になると吹いていた西よりのオンショアはお昼頃まで耐えてクリーンなフェイスを維持したものの、波数の少なさにやられてしまった選手が目立っていた。
7日目はメインラウンドのメンズR6、ウィメンズR5。
その後、リパチャージラウンドのメンズR9、ウィメンズのR7。
リパチャージラウンドのメンズR10、ウィメンズのR8が行われた。
最終日は6ヒートで終了する。
日本代表
日本代表で残っているのは五十嵐カノア、村上舜の2名のみ。
メインラウンドのメンズR6では五十嵐カノアがアメリカ代表のナット・ヤング、オーストラリア代表のジャクソン・ベイカーと同じCTを戦うメンバーと対戦。
7.83を含むトータル13.10で1位通過を果たしている。
カノアはR1から6連続で1位通過と驚異的な強さを見せており、ファイナルデイも十分に期待出来る。
村上舜はリパチャージラウンドのメンズR9でブラジル代表のミゲル・プーポ、インドネシア代表のクトゥ・アグースと対戦。
波数が少ないヒートでチャンスがなく、3位敗退。
今大会を11位で終えた。
これで日本代表は五十嵐カノアのみが残り、メインラウンドのR7を戦う。
対戦相手はペルー代表のルーカ・メシナス、ポルトガル代表のギリェルメ・フォンセカ、アメリカ代表のナット・ヤング。
日本代表の動向などは以下。
・NSA公式サイト
https://www.nsa-surf.org/
・NSA公式Facebook
https://www.facebook.com/nsasurf/
・NAMINORI JAPAN公式Instagram
@naminori_japan
https://www.instagram.com/naminori_japan/
インドネシア代表の活躍
大会7日目で最も白熱したヒートはリパチャージR10のH10だった。
オーストラリア代表のジャクソン・ベーカー、ブラジル代表のミゲル・プーポ、インドネシア代表の和井田理央の3人のカードは、ジャクソンが前半に9.57をスコア、6.83のバックアップでトップを固めていた。2位のミゲルはトータル14.27で和井田理央を大きく引き離していたが、終了間際に和井田理央が7.77を出して大逆転。
更に次のヒートではインドネシア代表のクトゥ・アグースがミゲルの弟、サミュエルを抑えてラウンドアップを果たした。
驚くことにインドネシア代表はメンズのポイントで暫定2位に立っている。
ウィメンズは一人も参加していないために総合では10位だが、インドネシアの実力はこの結果が示している通り、世界トップクラスなのだ。
最終日のリパチャージR11でインドネシア代表の二人はアメリカ代表のコロへ・アンディーノ、オーストラリア代表のジャクソン・ベイカーと戦う。
東京五輪の補欠だったクトゥ・アグースは志田下で待機していたのにも関わらず、出場できず、華やかな舞台を指をくわえて見ていた。
それだけに今回のWSGは彼にとって大きな意味を持つのだ。
「私たちにとって大きなことなんだ。インドネシアを代表してオリンピックで競争したい。東京五輪ではサーフィンできなかったけど、エネルギーを感じたよ。今パリ五輪に向けて戦う必要があるのさ」
メインラウンドのダークホース
WSGで面白いのは、無名の選手がCT選手を倒して台頭してくることだろう。
ポルトガル代表、ペニシェをホームとする25歳、ギリェルメ・フォンセカはコロへ・アンディーノとオリンピアンのルーカ・メシナスを抑えて1位通過でR7進出を決めている。
「自分の故郷で愛するポルトガルを代表することに誇りを感じている。カリフォルニアは良い気分で過ごしているよ」
ウィメンズはオーストラリア代表が強い
WSGで3度の金メダルを獲得しているサリー・フィッツギボンズを擁するオーストラリア代表。
ソフィア・マックローチの二人がリパチャージラウンドに残り、ウィメンズのランキングではトップに立っている。
メインラウンドではポルトガル代表のテレサ・ボンバロ、アメリカ代表のキラ・ピンカートン、フランス代表のポーリン・アドゥ、ペルー代表のダニエラ・ローザスが残り、明日の最終日で全てが決まる。
現在、アメリカがトップを維持して2位はオーストラリア、3位はポルトガル。
ポイント差からこの3カ国が2024年パリ五輪の男女1枠の追加をかけて戦うことになるだろう。
ウィメンズで唯一残っているアメリカ代表のキラ・ピンカートンはISAイベントで好成績を残したこともあり、五輪出場にもふさわしい選手だ。
「各ヒートごとに自信が高まっているように感じている。明日は自分の力を発揮するつもりよ」
国別対抗アロハカップ
パンデミック後初の国別対抗リレーレース「アロハカップ」は前回のWSGの上位8チームから男女4名が出場。
45分ヒートで3本ずつ波に乗るISAならではの面白いレースだ。
今回はフランス、ペルー、ドイツ、アメリカ。
日本、ポルトガル、アルゼンチン、チリが出場。
日本はSFで僅差だったものの、カノアがインターフェアを犯してペナルティを受けてファイナル進出はならず。
ファイナルはフランス、アメリカ、アルゼンチン、ポルトガルが戦い、フランスが優勝を手に入れた。
なお、アロハカップの後、2012年のISAワールドジュニアチャンピオン、カラニ・デイヴィッドの追悼パドルアウトが行われた。
スケジュール
最終日は日本時間9月24日の23:00からヒート開始予定。
メンズリパチャージR11から始まり、以下の順で進行。
全てのヒート終了後、表彰式が行われる。
公式サイトでライブ中継が配信されるので、お見逃しないように!
ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/
(空海)