(メンズファイナリスト) PHOTO: © WSL/Bielmann

CS最終戦『Haleiwa Challenger』はジョン・ジョンとサクラが優勝!クオリファイメンバーも出揃う

今シーズンから変わったQSからのCTクオリファイのフォーマット。

QSの各リージョナルの上位選手を中心にメンズは96名、ウィメンズは64名がチャレンジャーシリーズ(CS)に出場し、メンズは上位12名、ウィメンズは上位6名がCTにクオリファイする。CSはカリフォルニア、ポルトガル、フランス、ハワイの4戦。今シーズンは、上位3戦のポイントと2020年QS最上位1イベントのポイントの合計値で、CSランキングが決まる。ランキング内にCT選手が含まれた場合は繰り上げられることになる。

最終戦はハワイアンが制する

(怪我から完全復帰したJJF)
PHOTO: © WSL/Bielmann

CS最終戦の舞台はオアフ島・ノースショアのハレイワ。
イベント期間中は不安定な風に悩まされてしまったが、豊富なウネリに恵まれ、ノースショアらしいダイナミックなサーフィンを堪能できた。

メンズサイドは今年5月のマーガレットリバー戦で怪我をしてから欠場が続いていたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が最初のラウンドから次元の違うライディングを披露。
クオリファイが絡んだCS最終戦の緊迫感に関係なくマイペースでフリーサーフィンのようにハレイワの波を楽しみ、ファイナルではイベント唯一の10ポイントまで出して圧勝した。

ウィメンズサイドも、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)が優勝し、最終戦はハワイアンが制することになった。

「この波で試合に戻れて楽しかった。数年続いた怪我から回復してまたこの舞台に立つことができて嬉しいね。支えてくれた妻や家族、全ての人に感謝するよ。ロス・ウィリアムスとは沢山仕事をしてきた。彼やチームの支えで今の自分はここにいる。数年間、大変な思いをして勝てた気分は最高だね」
ジョン・ジョン・フローレンス

(シグネーチャームーブのレイバックが炸裂した)
PHOTO: © WSL/Heff

今シーズンのジョン・ジョンはアップダウンが激しかった。

開幕戦の「パイプマスターズ」を初制覇した後、オーストラリアレッグでは思うような結果を残せず、マーガレットリバー戦で怪我をして欠場。
東京オリンピックには間に合ったものの、アメリカ代表として結果は残せずにその後のCTイベントもキャンセルしていた。

すでに怪我が完治したジョン・ジョンはこの後12月8日〜20日にパイプラインで開催されるQS1,000『HIC Pipe Pro』に出場する予定。
1月29日〜2月10日にパイプラインで開幕する2022年CT開幕戦『Billabong Pro Pipeline』では2連覇達成が期待されている。

『Haleiwa Challenger』メンズ結果
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
2位 ジャック・ロビンソン(AUS)
3位 五十嵐カノア(JPN)
4位 サミュエル・プーポ(BRA)

五十嵐カノアがCSチャンピオンに輝く

(最終戦は3位、CSランキングトップのカノア)
PHOTO: © WSL/Bielmann

CT選手として唯一CSの4戦全てをフォローしていた五十嵐カノア。ホームのハンティントンビーチでも、トリッキーなフランスのビーチブレイクでも、パワフルなノースショアでもコンスタントな強さを見せ、4戦中3戦で3位に入り、見事にCSの初代チャンピオンに輝いた。

なお、CSからクオリファイを決めた12名は以下の通り。

コナー・オレアリー(AUS)はCSからのリクオリファイ、ジークことエゼキエル・ラウ(HAW)、ナット・ヤング(USA)は返り咲き組み。
リアム・オブライエン(AUS)、ジェイク・マーシャル(USA)、カラム・ロブソン(AUS)、サミュエル・プーポ(BRA)、イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)、ルッカ・メシナス(PER)、ジョアン・チアンカ(BRA)、ジャクソン・ベーカー(AUS)、カルロス・ムニョス(CRI)の9名はルーキーとして2020年のCTにデビューする。

一方、ツアーから脱落したのはマシュー・マクギリヴレイ(ZAF)、カイオ・イベリ(BRA)、ピーターソン・クリサント(BRA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ジャック・フリーストーン(AUS)、ウェイド・カーマイケル(AUS)

エゼキエル・ラウ(HAW)
ナット・ヤング(USA)
コナー・オレアリー(AUS)
リアム・オブライエン(AUS)
ジェイク・マーシャル(USA)
カラム・ロブソン(AUS)
サミュエル・プーポ(BRA)
イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)
ルッカ・メシナス(PER)
ジョアン・チアンカ(BRA)
ジャクソン・ベーカー(AUS)
カルロス・ムニョス(CRI)

16歳のサクラがCT入りを果たす

(ウィメンズファイナリスト)
PHOTO: © WSL/Heff

ウィメンズサイドで優勝したベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)は母親が日本人でニックネームはサクラ。
5xワールドチャンピオンのカリッサ・ムーア(HAW)を含むファイナルではコナウィンドの影響でバンピーだった難しいハレイワでローカルナレッジを活かし、8.00を出して優勝。
フランス戦での最下位の穴を埋めてCSランキング3位でクオリファイにも成功した。

「この優勝は私の人生の中でとても大きな瞬間。雨が降っても晴れても見てくれていたここにいる全ての人に感謝の気持ちを込めて笑顔を送るわ。私を支え、応援してくれたハレイワのみんなにも感謝している。ハレイワを代表して、この壇上に立つことが出来て本当に嬉しい。最高に感動しているわ」
ベティルー・サクラ・ジョンソン

(ローカルナレッジを活かして優勝したサクラ)
PHOTO: © WSL/Heff

残念ながらファイナルデイまで残った都筑有夢路も含めて日本人女子のクオリファイは叶わなかったが、日本人の血を引くサクラがツアーの一員になったことは喜ばしいこと。
まだ16歳のサクラの活躍に期待しよう!

『Haleiwa Challenger』 ウィメンズ結果
1位 ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
2位 ガブリエラ・ブライアン(HAW)
3位 カリッサ・ムーア(HAW)
4位 インディア・ロビンソン(AUS)

ウィメンズは10代の選手が多くツアー入りする

ウィメンズでCSからクオリファイを決めた6名の内、サクラを始め、ガブリエラ・ブライアン(HAW)、ケイトリン・シマーズ(USA)、ルアーナ・シルヴァ(HAW)はまだ10代。
インディア・ロビンソン(AUS)は21歳と若い選手が揃っている。

33歳になったステファニー・ギルモア(AUS)を始め、トップの選手の平均年齢が上がってきた近年のツアー。
そろそろ世代交代が始まる時期でもあるだろう。

以下、6名がCSからクオリファイを決めた選手。
ブリッサ・ヘネシー(CRI)はCSからのリクオリファイ、その他5名はルーキー。

ガブリエラ・ブライアン(HAW)
ブリッサ・ヘネシー(CRI)
ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
ケイトリン・シマーズ(USA)
インディア・ロビンソン(AUS)
ルアーナ・シルヴァ(HAW)

一方、ツアーから脱落したのはメイシー・キャラハン(AUS)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)、ブロンテ・マコーレー(AUS)、セージ・エリクソン(USA)、キーリー・アンドリュー(AUS)の5名。

(インディア・ロビンソン) 
PHOTO: © WSL/Bielmann

なお、12月8日〜20日はQS1,000『HIC Pipe Pro』がパイプラインで開催。
例年だとパイプラインマスターズが行われていた特別な期間のイベントにはジョン・ジョン・フローレンス 、セス・モニーツ、カリッサ・ムーアの強豪ハワイアンや、キャロライン・マークス、コーロニー・コンローグ、レイキー・ピーターソンなどのアメリカ勢とQS1,000とは思えない豪華な選手がエントリーしている。

ハワイのリージョナルから脇田貴之、日本人は補欠で安室丈、金沢呂偉がエントリー。
和井田理央も補欠でリストに記されている。

WSL公式サイト

(空海)

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