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「五十嵐カノアはWSLファイナルに進出できるか?」-F+

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ロットネスト、明日25日に男女セミから先のファイナルデーかと思うけど、サーフィンを見てる分にはガブとカリッサが抜きんでてるように思う。あの何かひとつすごいことするとポンと跳ね上がるジャッジングだと、カリッサがジャッジをびっくりさせるような、女子なのにしっかりしたレールワークからのブローテール、みたいなことをすると、ついていける選手がいない感じ。この先の女子はあの方向に進むんだと思う。イタロのすばしっこいサーフィンは英語でいうニンブルって言葉がぴったりだけど、なんか忙しくて好き嫌いが別れると思う。メンズはSF1でワイルドカードとルーキーという対戦になったので、どっちかがファイナルという大金星確定だし、SF2はガブ対イタロの直接対決。レベルの差がすごすぎ。

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都筑有夢路5位。オーストラリアレッグ3試合出てイチコケなし。オーバースコアもあったけど、チャレンジャーとしてやらなくてはいけないことはできてたんじゃないかと思う。モーガン・シビリックも同じだけど、サイズのあるセットのいい波に乗って、自分のできる限り攻める。まぁ、無理してるだけにダメな時もあるけど、うまく行っちゃえば新鮮で意外なだけにハイスコアが出てくる。深いボトムターンとちょっとみんなと違うタイミングのリップが、ジャッジには新鮮に映るのかな、と思うと同時に、オリンピックを意識して日の丸押しのWSLなのかなとも思う。そうやって点出してもらってるうちに、足りないスキルを上げて、立ち位置を確定することかね。これでしばらくはプッシュしてもらえるはずだから。まぁ、この経験でCT以外ではどこで戦っても負ける気はしないだろうけど。

そんなことよりジョー・タッペルとラビットが盛んに日本人の選手はみんな重心が低いとか言ってて、大野修聖、大原洋人、都筑有夢路、みんな重心低いって。確かに白人に比べて小さくて短足という日本人体型は、重心が低く、バランススポーツでもあるサーフィンに有利ってことかと思う。タイラー・ライト、ニッキー・ヴァン・ダイク、トム・キャロルも同じかなと思うけど、今や重心が高くてもバランスが異常にいい、背が高くて手足が長くても早い動きのできる選手が出てきてるから、なんとも言えないか。

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前回と反対側の膝のケガでハワイに帰ったジョン様、ハワイからの情報だと手術ということになりそうなんだけど、オリンピックがあるなら無理しても絶対出たい、と周囲を困らせてるらしい。無理して選手生命を縮めてもねぇ。

療養中のケリー、日本の軽ワゴンの中古オーダーしたらしいよ。友人がその商売やってるんだけど、ハワイでは軽自動車ってカテゴリーがなくて輸入できない。でも30年だったか40年以上だったか、とにかく超古ければビンテージアンティークとして輸入が認められてナンバー登録もできるらしい。

さて、ミックとロスのディベート第19回、今週はクレイムの話が面白い。日本でいうガッツポーズね。クレイムといえば私はパーコちゃん。めったにクレイムしない選手だったけど、パーコがクレイムするときは確実にハイナインか10点だった。超カッコイイ。では行きましょう。

1:新しい会場のロットネストアイランド、誰が合っていそうか、そして誰がダークホースで活躍するか

ミック:良さそうなのはコナー・オレアリー。フリーサーフィンでもトップ4に入るようないいサーフィンしてるから、とりあえずは彼に賭けるかな。ほかにこの波に合ってるな、と思えるのはジョアンヌ・デファイ。彼女のバックハンドは素晴らしいし、フロントも行ける。

ロス:そうだね。誰もよく知らないポイントでの試合はすごく興味深いよね。それでも普通になじんでる感じがするのはガブリエル・メディーナかな。彼が初めてハワイに来た年もそうだったけど、すぐにパイプ、サンセットの波を理解してた感じがした。どこで待てばいいのか、どのボイル(パイプなどの海底の地形によって海面にできる小さな渦。これを目印にして波を狙う)を気にすればいいのか、すぐにわかってたように見える。ここの波はレギュラーもグーフィーも結構トリッキーだけど、それも見えててうまく合わせているように感じる。ダークホースと言われれば、ニッキー・ヴァン・ダイク。ちょっと早いライトに的を絞って早いリズムでのサーフィンはとても賢い選択と言える。

2:ロットネストでは番狂わせが多いけど、女子のほうではマーガレットリバーで優勝したタチアナ・ウエストン・ウェブがラウンド2で早くも敗退した。これで彼女はワールドタイトルから大きく後退したと思う?

ミック:それはないかな。ちょっと準備が間に合わなかっただけだと思う。サーフィンはとてもいい感じだし、優勝は彼女に大きな自信をつけたと思う。その分自分に期待を持ちすぎるってこともあったりするから、この先はそこをうまく調整してくると思うよ。

ロス:彼女もコーチしてるんだけど、コーチとしては見ててとてもフラストレーションのたまるヒートだった。事前の作戦とかでもいかにして彼女の長所をうまく使うかを考えたんだけど……。ロットネストで負けたヒートは本当に波数が少なくて、その上彼女はスコアできる波を選べなかった。それはニューキャッスルでも同じような感じ。最初に乗った波は2フィートのクローズアウト、そしてそのあと波が来なかった。確かに運はなかったけど、いくつかミスもした。そのミスを分析して修正しなくちゃならない。

ミック:2試合連続でファイナルなんて、きっと君はコーチとして現地にいないで家にいたほうがいいんじゃないかって思ったんじゃない? まぁ、でもここから学べることはたくさんあるよ。トップを走ればいろんなことに時間を取られてなかなか満足な準備ができないことが多い。短い期間で次の試合に頭を正しく切り替えるやり方とかを見出すのがチームの仕事だね。

ロス:ワールドチャンピオンの経験だね。彼女の場合、時間はあったし準備はできてたと思うんだ。ただ、小さなミスの積み重ねが、あの波のないヒートで最後に大きな問題になったんだと思う。

3:クレイム(派手なガッツポーズアクション)は好きか、嫌いか?

ロス:もちろん好き。感情のままにあふれ出てるから。時にちょっと問題かなと思うのはタイミング。ジャッジに向けてのアピールとしての、感情があふれるっていうんじゃない、4.8とか6.8とか勝つのに必要なポイントを引き出すためにやってる感じのクレイムは、変な感じがする。時に有効だけど(笑)

ミック:ホント(笑)。マーガレットリバーのカノアのやつはちょっと変だったと思うけど、僕もあちこちでいろいろやったよ。JベイではAFLの好きな選手の背番号55を手で表したり、フィジーではフラダンスしたり(笑)。でも時にそれが大きなミスになることもある。Jベイでのウィゴリー・ダンタス対ジョエル・パーキンソンのヒートで、ウィゴリーはバレルから出てきてクレイム。で、そのあとワイプアウトしたけど、クレイムしなきゃもう少し長くバレルに入れてた。そういう致命的なミスもあるよね。

ロス:あぁ、あれ覚えてる。そうね、クレイムはいいけど、確実にハイスコアのすごくいい波でいいライディングをした時にしないと、恥をかくことになるかもね。何でもかんでもクレイムするのもどうかと思う。カノアはけっこうよくクレイムする選手だと思うけど、彼はなんか怒りの感情をぶつけてるようにも見える。タイラー・ライトもよくやるし、エース・バッカンも多いと思う。でも見てて面白いのは確かだ。

ミック:エンターテインメントとしてね。ジョアンヌ・デファイも面白いよ。彼女自身がびっくりしたり、わ~、って感じで感情を表現するクレイム。本当に楽しそうな感じが伝わる。だから見てるのは好きだけど、間違ってもそれでワイプアウトしないように。そうなったらアホか、って感じだもの。

ロス:確か3~4年、いや4~5年前だったと思うけど、ケリーがチップを入れるジャーを置いて、8点以下でクレイムした人は罰金100ドルを入れること、ってのがあったけど……。

ミック:今ならみんな入れなくちゃ(笑)

ロス:そう、最近クレイム多すぎるから少しあの時代の戻らないとかもね(笑)

4:オーストラリアレッグも終わるけど、ファイナル5に争いはどんな感じ? ワンスポット変わるとすれば?

ロス:グリフィン。今6位だけど、この先の会場でも良さそうだし、サーフランチは得意そうだからね。ブラジルやメキシコも。プレッシャーがかかるとよりいい感じに見えるから後半強いんじゃないかな。そしてロウワーは彼のホームだからチャンスもあるだろうし。

ミック:グリフィンは賛成。そうね、あとひとり、いいサーフィンしてるけど大きな結果が出てないのはライアン・カリナン。ちょっとしたアンラッキーが続いてる。女子のほうは難しいけど、タイラーとサリー・フィッツギボンスのトップ5争いはし烈になるんじゃないかと思う。サリーはオールラウンドで、サーフランチやブラジルでも良さそうだ。バックハンドではサリーのほうが少し上かな、とも思うけど、タイラーはいつだってびっくりするようなことをするから。

ロス:女子のほうはホント難しいね。確かにタイラーはいいサーフィンするし、バレルもいいと思う。ダークホースとしてあげたいのはイザベラ・ニコルス。安定感に欠けるけど、ルーキーにはよくあることだし、彼女が爆発したときはすごい。

ミック:そうだね、あとタイラーで言い忘れたけど、タヒチ。あのラインナップで彼女の兄弟が叫べば突っ込むことになるからね。メンズは本当に8位タイぐらいまで激戦で、コナー・コフィンとカノアとのことを話してないけど、彼らもすべてがうまく回れば来るよね。特にカノアは、時にそういう選手がいるんだけど、ウエイブマグネット。いつも一番いい波に乗ってるような気がする。

ロス:カノアは典型的なモダンサーファーって感じだ。タクティクス面でも頭がいいし、サーフランチでのサーフィンはアグレッシブで好きだ。海でのサーフィンはどっちかっていうと保守的でうまくまとめる感じだけど、サーフランチではアグレッシブにエアーとかするから、面白いね。

F+編集長つのだゆき

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