Photo: WSL

WSLが2020シーズンを中止、来期以降は最終戦の最終ヒートでタイトルが決まる

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う~ん、そうきたかぁ、というのが私の印象。
WSLがようやく2020シーズンのキャンセルを宣言、2021シーズンのCT新フォーマット、スケジュール、などなどまとめてドンと発表。新CEOのエリック・ローガンさんの何ともビジネスマンっぽいプレゼンムードの英語は、サーファー以外の普通の人にもわかりやすいかな、と思う。そのニュース動画のラストで、パットがビーサン脱いじゃって裸足で足組んでるあたりがもう、すごくサーファーでホッとした(どこ見てるんでしょWW)。ここに目くじら立てるような、サーファーっぽくない方向に行くのは、個人的にはどうも好きになれないわけだけど。

Photo: WSL

とりあえずCTの2020シーズンは無し、状況が許せば8月にサーフランチ、9月10月にフランスとポルトガルのユーロカップオブサーフィン、ゴールドコーストとマーガレットリバーのオーストラリアングランドスラムという、「WSLカウントダウン」と銘打った2021シーズンにつながるプレイベントシリーズが開催される予定。まぁ、これは現状をかんがみると、無理だわよ、が9割9分。明日ワクチンができたところで、それが世界中にいきわたるのには時間がかかるもの。

で、2021シーズンのCTは男女ともに10戦ずつ。2019年12月のハワイスタートで、2月ポルトガル、3月GC、4月ベルズ、マーガレットリバーで前半終了、後半は5月ブラジル、6月サーフランチ、Gランド、7月Jベイ、8月タヒチ。そして9月にここまでの男女トップ5がワールドタイトルを争うTHE WSL FINALS(会場未定)が行われ、CTシーズン終了となる。

まぁ、フランス外してハワイスタートの早終わり(9月)ってことか。女子も同じ。ハワイはパイプとマウイに分かれるものの、あとは一緒。2006年以来の女子タヒチ、チョープー復活。ま、これは2024のオリンピック会場に決まったことが大きいのかなと思う。

CTが2020年12月から2021年9月なら、QSは2021年1月から8月(リリースでは6月、ビデオニュースでは8月)、どっちにしてもCS(チャレンジャーシリーズ、つまりQS10000イベントかたまり)のスタート前までで終了、ここでCSの参戦権を確定し、CSが2021年8月から12月。まぁ、3ツアーうまくすみ分けたかね。

ちなみに今シーズン序盤に行われたQSの獲得ポイントはそのまま2021シーズンに持ち越し。ある意味短期決戦になるので、これはQS上位にいた選手には非常に有利に働くと思う。

まぁ、でもこれもすべて状況が許せば、の条件付きで、実際問題12月にハワイでパイプマスターズって現実的じゃないと思う。そうなるとまた新たにスケジュール組みになるわけで、まだまだ流動的だ。

ただ、CT、CS、QSのすみわけとか、WSLファイナルズの形はフィックスだと思う。
CTツアーを前半5試合、後半5試合に分けたのは、2022年からシーズン中盤でカットが行われる予定だからだ。2021年シーズンはトランジションイヤーにつき中間カット無しだけど、2022年シーズンには前半5試合はメンズ36、ウイメンズ18で行われるが、後半はメンズ24ウイメンズ12に絞られる。そしてその中の男女共々トップ5がワールドタイトル争いのワンデーイベントに出場する。
ま、つまりタイトルはどの年も最終戦の最終ヒートの水の中で決まる、ということ。通年見ているものからすれば、これがそんなに重要なエキサイティング要素とは思わないけど、WSLとしてはどうもそれがお望みのようだ。

ファイナルズのフォーマットはマンオンマン4ヒート。最初に4位と5位の選手が戦い、勝ったほうと3位の選手、その勝ったほうと2位の選手、その勝ったほうと1位の選手でファイナル、勝ったほうがワールドタイトル。シーズン前半24位、後半5位でもこの日に4ヒート勝てばワールドチャンピオン。
何かねぇ、これだけコンディションとかに左右されるスポーツなのに、そういうワンチャンスデーで決まるのって、どうなんだろうと思うけど。
前後半の試合会場の得意不得意もカットに影響しちゃうだろうし、ファイナルズの会場やコンディションにもよるだろうし……。

まぁ、考えれば考えるほど、なんかなぁ、ってところ満載なわけだけど。
昔パイプスタートだと怪我したら1シーズン棒に振るから、って反対にあって1年だけ最終戦オーストラリアでやって、結局翌年に戻ったよね。まぁ、昔よりパイプでケガする人は減ってるとは思うものの、いきなりあれをチャージするところから始まるってのもねぇ。

ぶっちゃけ2021年7月のオリンピックも厳しいと思うので、実質この形のツアーが成立するのは2022年なのかなぁ、と思う。だって、世界中の国が世界中の人を受け入れて、大イベントを許可し、誰もが自由に飛行機であちこち動けないとねぇ……

写真は猫の椅子取りゲーム。トリガタ、ユウマ、ジュンコ、ヒカル、ぎうぎうに4匹います。

Photo by snowy

F+編集長つのだゆき

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