9月3日に終了したウィメンズQS1,000&プロジュニア『White Buffalo Omaezaki Pro』。
サーフィンの国際大会としては初の舞台となった静岡県御前崎には多くの観客が集まり、日本トップのウィメンズとジュニアの戦いを楽しんでいた。
今回は『White Buffalo Omaezaki Pro』最終日のリポートで紹介し切れなかった写真を裏話を交えて紹介しよう!
御前崎・ロングビーチ
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静岡県の御前崎といえば、ウィンドサーフィンのメッカとして有名であり、国際大会も開催されている。
今回は地元ローカルサーファーが中心となり、地域団体・地元企業とも連携する形でWSL御前崎プロ実行委員会を発足。クラウドファンディングも利用して開催を実現した。
会場の御前崎ロングビーチは、日中など風が強まりやすい印象はあったものの、コンスタントにウネリがあり、良い時間帯も十分にあった。
御前崎市=サーフタウンという認知を広げるには大きな成果があったのではないだろうか。
3日間で3,000人が来場、ライブ視聴数は20万回越え
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本大会における3日間の来場者数は、公式発表で約3,000人。選手や関係者等を含めると、延べ4,000人が会場に訪れたとも言われている。
東西に長く伸びる御前崎の海岸は県道に面しており、ビーチに降りる際は信号のない車道を渡る必要がある。周辺の駐車場施設も限られており、観客を集めるイベント会場としては決して有利な条件とはいえないが、実際にはこれだけの観客が会場に訪れた。
平日こそ人手がまばらだったものの、最終日には多くの観客が訪れ、用意されたシャトルバスは常に満員状態。
またライブ配信の動画視聴者数は、3日間で20万回を超えており、多くの注目を集めた大会と言えるだろう。
コロナ感染者ゼロ
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また、今大会の成功のひとつには、徹底した感染対策という点も挙げられる。
イベント前や期間中の検温、消毒の徹底はもちろん、会場レイアウトも再検討を重ね、一般エリアと選手エリアを完全に区分けするなどの感染対策を実施。
新型コロナウイルス流行「第7波」もささやかれる難しい時期においても、選手や関係者内のコロナ感染は0名。
イベント期間中は大きなトラブルの報告もなく、参加した選手達は競技に集中することができた。
柔軟かつ選手ファーストの運営体制
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なお、今大会のウェイティングピリオドは、9月1日(木)~4日(日)までの4日間。当初はこの4日間を全て使用する予定だったが、日本の南西海上を進む台風11号の影響を考慮して3日間の開催に変更。
そして大会実行委員会の読み通り、期間中はコンテストに十分な波があり、大会終了翌日の9月4日(日)は朝からクローズアウト。
このような難しい判断も、ローカルサーファーらが中心となる大会実行委員会ならではといえるだろう。
また、大会本部横にはシャワー施設付きの選手駐車場が用意されており、ビーチまでの動線も確保。選手ファーストで考えられたレイアウトは選手からも高評価だったという。
来場者のマナーも良く、それに応えるかのように、選手達も素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。
都筑有夢路
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今回参加した選手の中で唯一CTを経験している都筑有夢路。
都築虹帆とのファイナルでは後半に追い上げられる場面もあったが、試合運びとレールワークは一枚上手だった印象。
今後は9月16日からカリフォルニアで開催されるISAのWSGに参加。その後はCSと目標であるCT入りに向けて忙しい日が続く。
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都築虹帆
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今大会でただひとり、ダブルでファイナルに進み、プロジュニアでは優勝を果たした都築虹帆。
YouTuberとしても有名な河村海沙をコーチに2021年にはJPSA初優勝をホームの伊良湖で果たし、プロジュニアでも初優勝。
年末のワールドジュニア出場枠にも確実に近づいた。
ヒート中でも積極的に狙って成功するエアリアルのレベルが更に上がれば目標であるワールドジュニアでの世界一も現実的と言えるだろう。
ちなみに今回は新島のJPSAからそのまま御前崎に直行、仲が良い佐藤李の家にステイしていたそうだ。
「自分は気持ちが入り過ぎると空回りするから今回はラフな気持ちで楽しんでやりたい」と話していた通り、良い意味で自由奔放にサーフィンを楽しんでいた印象だった。
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加藤翔平
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ジュニアメン優勝の加藤翔平は、浩大、翔平、賢三の三兄弟の次男。
八王子出身ながら高校生の時に千葉の一宮に家族で引っ越して日本一ハイレベルな地でしのぎを削っている。
昨年は靭帯の怪我で半年も我慢の時が続き、やっと封印が解けたエアリアルで勝負を決め、プロジュニア初優勝。
カービングも良いし、これから更に優勝を積み上げてきそうだ。
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中塩佳那
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JPSA2連勝(この後3連勝を果たす)で国内無敵の中塩佳那はQSこそRound of 16で敗退したが、プロジュニアではファイナル進出。
最後の最後まで都築虹帆に食らいついていた。
今回は2位に終わったが、際立った存在だったことは間違いない。
ちなみにサーフボードの絵は自分で描いだそうだ。
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脇田紗良
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今年3月のQS1,000「Asia Open」 で都筑有夢路を倒して優勝した脇田紗良。
今回は徐々にペースを上げてファイナル進出。
3位に終わったが、笑顔で表彰台に上がった。
CS後半戦での活躍に期待しよう。
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和井田龍貴
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来シーズンのCT入りがほぼ確実になった和井田理央の弟、和井田龍貴。
これまで兄の存在が大き過ぎたが、今年は一気に目立つ存在になり、ランキングでも3位とワールドジュニア出場の枠が見えてきた。
顔もサーフィンのスタイルも似ており、兄と同じ道を確実に歩んでいる。
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岩見天獅
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プロジュニア3位の岩見天獅。
8月に強化合宿で訪れたカリフォルニアでエアーの着地の際に腰を痛めてしまい、海に戻ったのが大会1週間前だったとか。
「Asia Open Pro Junior」で優勝、今回の3位で着実にポイントを重ね、カレントリーダーに立った。
これでワールドジュニアの出場枠もほぼ確実になった。
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藤本世音
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オーストラリア留学が5年と長かったため、日本では馴染みが薄い藤本世音だが、「Asia Open Pro Junior」で3位。
今回もファイナルに残る活躍を見せた。
四国の生見から千葉へ引っ越し、現在は20歳の大学生。
文武両道を目指している。
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金沢呂偉
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新島のJPSAで優勝して勢いがあった金沢呂偉。
17.00のトータルスコアは最後まで破られず大会でも目立つ存在だったが、SFでは僅差で敗退を喫した。
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村田嵐
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YouTuberとしても有名な村田嵐。
課題だったバックサイドを積極的に攻めたが、金沢呂偉とSFの同じヒートで惜しくも4位敗退。
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フォトギャラリー
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大会は今後も続けていきたい
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なお「White Buffalo Omaezaki Pro」の大会実行委員会は、そのほとんどが御前崎ローカルサーファーらで構成されている。
今大会の開催趣旨は、競技サーフィンの普及と発展、ジュニア世代の育成、環境教育の推進等を目的としており、地元で活躍する若い選手達のため環境を整えたいという想いから企画されたもの。
国際大会といえば、まずは予算ありき、スポンサーありきの開催を想像するが、今大会は地元ローカルサーファー達が手探りで準備し、大会を成功させようという想いで協賛を募った。こうした働きかけに多くの地元企業らが賛同し、開催に漕ぎつけたという。
クロージングセレモニーで登壇した御前崎市長の栁澤重夫氏は、大会成功における感謝の気持ちに加え「今回で終わりでなく、来年も、再来年も、10年後もこの大会を続けてもらいたい。御前崎市としてもできる限りの支援をしたい。」とコメント。
1枚の企画書から始まったという地元主体の本大会、来年以降の開催も期待したい。
『White Buffalo Omaezaki Pro』公式サイト
https://www.wb-omaezakipro.com/
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Photo: S.Yamamoto
(THE SURF NEWS編集部)