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『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』の見どころ徹底解説

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2021年東京オリンピックの最終選考も兼ねた『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』が5月29日〜6月6日に中米エルサルバドルで開催される。

本大会は、国際サーフィン連盟(ISA)が主催するサーフィンの世界チャンピオンと国のランキングを決定する「サーフィンのワールドカップ」。2021年大会は東京五輪の最終選考会も兼ねており、五輪に出場する男女各20名のうち最後の男子5名、女子7名がここで決定する。

そんな『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』の見どころを徹底解説!

▼目次
1.全五輪出場選手が決まる
2.五輪日本代表になるのは誰か?
3.海外強豪選手が多数集結
4.参加選手数が過去最多

全ての五輪出場選手が決まる!

2020年東京オリンピックの選手選考も兼ねている『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』。五輪に出場する男女各20名(計40名)のうち、既に28名は暫定的に出場を決めており、この大会では残り12名が選ばれる。今大会の表彰式では、全ての五輪出場選手が発表される予定だ。

残り12枠を獲得するための条件は以下の通りだ。

・今大会における五輪内定条件

「2019年WSLチャンピオンシップツアー」から五輪出場権を獲得している選手と、1ヶ国の上限人数(男女各2名)に既に達しているアメリカ・ブラジル・オーストラリア・フランスの男子を除き、男子上位5名、女子上位7名が東京オリンピック出場権を獲得する。

≫東京五輪サーフィン競技の選考基準詳細


オリンピック日本代表になるのは誰か?

五十嵐カノアは、五輪選考基準のなかで最も優先度の高い「2019年WSLチャンピオンシップツアー」から出場権を獲得済み。

その他に、村上舜と松田詩野は「2019年ISAワールドサーフィンゲームス」で条件付きの出場権を獲得しているが、今大会におけるその他の日本代表選手の結果に左右される。

また、女子はまだ1名分しか出場枠を獲得していないため、もう1枠確保したいところだ。

2021 ISA ワールドサーフィンゲームス出場選⼿ ©JAPAN OPEN OF SURFING

<男子シナリオ>
五十嵐カノアは出場権獲得済み。

村上舜は条件付の出場権を獲得済みで、まだ出場権を得ていない大原洋人の動向に左右される。大原洋人が五輪に出場するには、今大会で五輪出場権確定済のCT選手を除く上位5名に入ることが第一条件だ。

大原が上位5名に入り、村上がそれ以下だった場合
⇒大原洋人と五十嵐カノアが五輪出場

大原が上位5名に入らなかった場合
⇒村上舜と五十嵐カノアが五輪出場

村上と大原の2名が上位5名に入った場合
⇒より上位の選手と五十嵐カノアが五輪出場

2021 ISA ワールドサーフィンゲームス出場選⼿ ©JAPAN OPEN OF SURFING

<女子シナリオ>
松田詩野は条件付の出場権を獲得済みで、その他2名の動向に左右される。

都筑有夢路と前田マヒナが五輪に出場するには、今大会で五輪出場権確定済のCT選手を除く上位7名に入ることが第一条件だ。

都筑か前田どちらか1名が上位7位入りした場合
⇒その選手と松田詩野が五輪出場

都筑も前田も上位7名に入り、松田がそれ以下だった場合
⇒都筑有夢路と前田マヒナが五輪出場

3名とも上位7名に入った場合
⇒上位2名が五輪出場

松田のみ上位7位に入った場合
⇒松田詩野と前田マヒナが五輪出場
※「2019 ISAワールドサーフィンゲームス」の枠がアジア2位の前田マヒナに移行する


海外強豪選手が多数集結!

1ヶ国男女各2名という五輪出場の上限人数に既に達している、アメリカ、ブラジル、オーストラリア、フランス(男子)以外の国は、今大会で残りの枠をかけて戦うことになる。以下の選手や国が注目株だ。

<現役CT選手>
現在WSLのチャンピオンシップツアー(CT)に参戦中のレオナルド・フィオラヴァンティ(イタリア)や、ルーキーのマシュー・マクギリヴレイ(南アフリカ)は有力候補。

<元CT選手>
男子ではマーロン・リプケ(ドイツ)。女子では、前回勝者のソフィア・ムラノヴィッチ(ペルー)、ペイジ・ハレブ(ニュージーランド)、チェルシー・トゥア(バルバトス)、アリッツ・アランブルー(スペイン)。

そのほか、CTワイルドカード出場経験のあるカルロス・ムニョス(コスタリカ)や、テレッサ・ボンバロ(ポルトガル)にも注目だ。

和井田理央 PHOTO: ISA / Sean Evans

<そのほか>
日本人の母とインドネシア人の父を持ち、前大会で村上舜と最後までアジア枠を争った和井田理央は、ロス・ウィリアムスを「CT選手の半数以上よりうまい」と言わしめるほど最近注目の選手。

同じくインドネシアのハイリル・オニー・アンワーもQSで活躍中で、来日経験も豊富だ。

五十嵐カノアや前田マヒナと同様、二重国籍を活かしてハワイからカナダに国籍変更したビッグウェーブサーファー、ペイジ・アルムス(カナダ)も五輪枠獲得を目指す。

今年もチームブラジルは最強の布陣 Photo: ISA / Ben Reed

また既に五輪出場を確定させているCT選手達も、本大会の出場は必須とされているため、彼らのパフォーマンスからも目が離せない。

アメリカ代表は、カリッサ・ムーア、キャロライン・マークス。(コロへ・アンディーノ、ジョン・ジョン・フローレンスは怪我のため欠場の模様だ。)

ブラジル代表はイタロ・フェレイラ、ガブリエル・メディナ、フィリペ・トレド*、タティアナ・ウェストン・ウェブ、シルヴァナ・リマ。

オーストラリア代表はジュリアン・ウィルソン、オーウェン・ライト、ライアン・カリナン*、ステファニー・ギルモア、サリー・フィッツギボンズ、ニッキ・ヴァン・ダイク*。

その他にもフランス代表のジェレミー・フローレス、ミシェル・ボウレズ、ジョアン・ドゥルー*など強豪が勢揃いする。

*五輪出場権は獲得していない


参加選手数が過去最多

今大会には52の国と地域から全257名の選手が参加する。これは世界選手権がショートボードとロングボードに分かれた2013年以降最も多い人数となる。

このうち全体の47%となる122名を女子選手が占める。男女の出場枠が等しく3枠ずつになった2018年以降、3大会連続で女子参加比率を更新している。

また、普段のサーフシーンではお目にかかることのない世界の様々な国が参加するのもこの大会の醍醐味の一つ。今回はアルジェリアとウクライナの2カ国が初参加する。

開幕式は壇上で全ての国旗が掲げられる Photo: THE SURF NEWS

パレード・オブ・ネイションズや開幕式では、これまで以上に多くの国旗が掲げられることになるだろう。開幕式では、「サンド・オブ・ザ・ワールドセレモニー」と呼ばれる各国から持ち寄った海の砂を一つの箱におさめる儀式もある。

通常のサーフィン大会とは異なり、サーフィンを愛する参加国の選手の絆、平和の祭典を象徴するこれらのシーンにも注目だ。(コロナ対策により例年とは実施方法が変更となる可能性もある。)

サンド・オブ・ザ・ワールドセレモニーで集まった世界中の砂
PHOTO: ISA / Sean Evans

(THE SURF NEWS編集部)

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