ベルズ、マーガレットリバー、ゴールドコーストと続くオーストラリアレッグ、シリーズ戦では「GWMオージートリプル」のセカンドイベント、CT第2戦『Western Australia Margaret River Pro』は1日のレイデイを経て現地時間4月19日に再開した。
ウェイティングピリオド中のコンディションが期待できないため、マンオンマンのヒートが同時に進行するオーバーラッピングヒートを利用して足早に進行。
公式4-6ftレンジの絵に描いたようなオンショアのバンピー。初日よりレフト多めのメインブレイクでウィメンズR2、メンズR3が全て終わり、QFを戦うベスト8が決定した。
なお、20日、21日はストーミーコンディションが予想されているため、すでにオフが決定。
風とウネリが落ち着く22日の水曜日に再開予定となっている。

カノアとコナーはR3で姿を消す

五十嵐カノア、コナー・オレアリーの日本勢は初日のR2こそ好調だったが、R3はカノアがサミュエル・プーポ、コナーがヤゴ・ドラと共にブラジリアンに敗退して姿を消した。
R3のオープニングヒートに重なったカノアは前半にリードしていたが、後半に8.00をスコアしたサミュエルが逆転。
カノアは終了間際に得たチャンスでアグレッシブなビッグターンからラッピングターン、フィニッシュのスナップもメイクするが、ニード7.34のシチュエーションで7.13と僅かに届かず…。
サミュエルが出した8.00はこの日のメンズの唯一のエクセレントスコアとハイレベルな戦いだった。



PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
「最初から厳しい戦いになると分かっていたし、組み合わせの時点ですでにビッグヒートだったよ。カノアは本当に素晴らしいサーファーさ。自分が犯した二つのミスがいかに彼が波を読む力に長け、集中しているかを浮き彫りにした。自分が目もくれなかった波を選んで、彼はハイスコアを出したんだ。それは自分が今後もっと成長するために改善すべき点を示しているよ。これまで何年も皆が感じていたようなストレスや重圧を感じずに、ここにいられるのは良い気分だね。この場面で状況を打破できたことは、より大きな試合やヒートに向けて自分を強くするための精神的な大きな一歩になったよ」
ベルズ戦で優勝した兄のミゲルと共にツアーを回っているサミュエル。
2022年にはトップ10入りを果たしてルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したが、その後の3年間は毎年ミッドシーズンカットの壁に阻まれていた。
今年はベルズ戦で5位となり、すでにQF進出で5位以上が確定しているため、ライブランキングでは5位とキャリア最高のシーズンスタートになっている。
コナーとヤゴのヒートはロースコア勝負の中でヤゴが深いボトムターンからの1マニューバーでスコアした6.67が決め手となり、QF進出を決めた。

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson

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ギャビーがローカルヒーローを倒す

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QFに残った8名中の4名がブラジリアン。
ライブランキングを見るとミゲル、ヤゴ、ガブリエル、サミュエルと上位4名をブラジリアンが占めている。
クロスビー&グリフィンのコラピント兄弟のこの日のハイライト的なカードの後に登場したガブリエルはローカルヒーローのロボことジャック・ロビンソンとのクロスゲームを制し、苦手だったオーストラリアレッグで好調を維持している。
「彼はここでのベストサーファーの一人だよ。あんなヒートで勝てるのは、いつだって最高の気分だね。彼は素晴らしいサーファーであり、人間なんだ。ジャックの大ファンだし、勝てて嬉しいよ。今日みたいに風が強いと難しい。まるでスノーボードか何かをやっているみたいさ。雪の方がまだ面が綺麗なんじゃないかな。次は良いパフォーマンスを見せられるように、クリーンなコンディションになって欲しい。でも、こういう厳しい状況も乗り越えていかなければならない。すでに良い結果は出ているけれど、もっと上を目指したいね」

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コラピント兄弟対決は弟の勝利

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プーポ兄弟ともう一組の兄弟であるコラピント兄弟は2024年のベルズ戦以来、2度目の対戦。
最初のやりとりでは、よりサイズのある波でクリティカルなターンをメイクしたグリフィンが7.83を出し、6.00のクロスビーを上回った。
その後もグリフィンが主導権を握り、ステイビジーに波に乗りまくっていたが、対照的に波を待ったクロスビーが7.17を出して僅か0.24ポイント差で逆転に成功した。

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson

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「今の自分がここに立ってツアーで戦えているのは、マインドセットを含めてて兄のグリフィンのおかげだと思っている。勝ったけど、本当に不思議な気分だよ。兄であり、最大のロールモデル。一番のファンなんだ。いつだって最大の理解者で、側にいてくれる。ベルズの時も、負けたあとに階段で最初に顔を合わせたのは彼で、一緒に内容を分析したんだ。今日のヒートに向かう時は変な感じだったよ。『二人とも勝ち進んでファイナルで会いたいけれど、今日はどちらかが負けるんだな』なんて話していたから。でも、それが勝負の世界だし、こういう結果になった。ベルズでは彼が勝って、ここでは自分が勝った。これで1勝1敗だね」
その他、ジョエル・ヴォーン(AUS)、ジョージ・ピッター(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)がQF進出を決めている。

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女王の貫禄を見せたモリー

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ウィメンズサイドはモリー・ピックラム(AUS)、キャロライン・マークス(USA)、ケイトリン・シマーズ(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)と8名中4名のワールドチャンピオンが残った。
中でも昨年のワールドチャンピオン、モリーはサリー・フィッツギボンズ(AUS)と2大会連続でR2で当たり、ライトの波で美しいカービングを披露して7.00をスコア。今度はレフトでの垂直リップで8.50を重ね、サリーをコンビネーションに追い込んで圧勝した。
トータル15.50はウィメンズのここまでのハイエストヒートスコアと女王の貫禄を見せて2大会連続でQF進出を決めた。

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「まるで『荒れ狂う海での勝利』という感じで、セクションを見つけたらそこに全力を叩き込むしかない。ガッツポーズなどのアピールについて聞かれたけれど、最高に気持ちが良いから、全部さらけ出しているだけよ。波のリップを叩いて、一回一回のセクションや瞬間に全てを注ぎ込んでいるわ。まるで魔法のような瞬間。今は色々なことが上手く噛み合っていて、中には自分ではコントロールできないような幸運もある。そういうことが起きている時は、ただそれを楽しんで、流れに乗るだけ。今はその波に乗っているし、もちろんそれを手に入れるわ。このまま私の思い通りに進むか、見ていてね」
モリーのコメントの通り、荒れ狂う海での戦いにベルズ戦を圧巻のパワーハックで優勝したガブリエラ・ブライアン(HAW)は苦戦しながらもルーキーのヨランダ・ホプキンス(POR)を倒した。
その他、ベテランのレイキー・ピーターソン(USA)がベルズに続き、R2でエリン・ブルックス(CAN)を抑えた。
ソーヤ・リンドブラッド(USA)は今シーズン初のQF進出、ルアーナ・シルヴァ(BRA)は2戦続けてのQF進出を決めている。

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson

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カリッサとケイトリンのゴールデンカードが実現

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
すれ違いのキャリアのため、過去に1度しか実現していないカリッサとケイトリンが再び顔を合わせることになった。
1度目は2023年のブラジル戦で、ケイトリンが勝利してそのまま優勝を決めていた。
この日のケイトリンは、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)を相手にスタイリッシュなレイバックを披露。
カリッサはイザベラ・ニコルス(AUS)を退け、ベルズ戦でのリベンジを果たしていた。

PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder
「とにかくサーフィンがしたい。前の大会では、あまり波に乗れなかった気がしていて。今回は結構波があるし、どれが良い波かなんてはっきり分からないんだから、とにかく行って、5ポイントを出すためのエンドセクションがあることを願うしかないって思っていたわ。目の前にある状況で全力を尽くす、ただそれだけ。それはサーフィンや波に限った話じゃないけれど、今日はレイバックを数回決められて良かった。本当は5ポイントより上のスコアを出したかったんだけどね。実は今年、まだ一度も5ポイントを超えていなくて、自分にちょっと腹が立っているの。でも、次のヒートこそは達成したいわ」
ケイトリン・シマーズ

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson

「ベラ(イザベラ)も私も、あんなパフォーマンスはあまり頻繁にやりたいとは思わないわね。幸運にも私は勝ち上がることができたけれど、あと一歩で、笑顔になれずにビーチを歩いて戻るところだったわ。だから、マーガレットリバーが私の味方をしてくれ、幸運にも勝ち上がれたことに感謝しているの。世界で一番好きな場所のひとつ。私はケイティのサーフィンも、彼女の人柄も大ファンなのよ。この2年間、ファンとして彼女の活躍を座って見ていられたのは本当に素敵なことだった。彼女はワールドチャンピオンであり、私を刺激し、プッシュしてくれる存在。また彼女と一緒にゼッケンを着て戦えることを、とても光栄で幸せに感じているわ」
カリッサ・ムーア
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
Western Australia Margaret River Pro Women’s Round Two Results
HEAT 1: Gabriela Bryan (HAW) 9.67 DEF. Yolanda Hopkins (POR) 8.44
HEAT 2: Sawyer Lindblad (USA) 9.60 DEF. Bettylou Sakura Johnson (HAW) 7.60
HEAT 3: Caroline Marks (USA) 12.27 DEF. Francisca Veselko (POR) 10.17
HEAT 4: Lakey Peterson (USA) 10.10 DEF. Erin Brooks (CAN) 8.34
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) 15.50 DEF. Sally Fitzgibbons (AUS) 9.30
HEAT 6: Luana Silva (BRA) 10.97 DEF. Sophie McCulloch (AUS) 10.07
HEAT 7: Caitlin Simmers (USA) 11.40 DEF. Vahine Fierro (FRA) 7.40
HEAT 8: Carissa Moore (HAW) 9.16 DEF. Isabella Nichols (AUS) 8.47
Western Australia Margaret River Pro Men’s Round Three Results
HEAT 1: Samuel Pupo (BRA) 14.00 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 13.80
HEAT 2: Joel Vaughan (AUS) 9.33 DEF. Liam O’Brien (AUS) 6.34
HEAT 3: Crosby Colapinto (USA) 13.67 DEF. Griffin Colapinto (USA) 13.43
HEAT 4: Gabriel Medina (BRA) 11.90 DEF. Jack Robinson (AUS) 10.63
HEAT 5: Yago Dora (BRA) 10.34 DEF. Connor O’Leary (JPN) 7.03
HEAT 6: George Pittar (AUS) 13.53 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 12.46
HEAT 7: Italo Ferreira (BRA) 13.40 DEF. Joao Chianca (BRA) 12.80
HEAT 8: Ethan Ewing (AUS) 11.40 DEF. Miguel Pupo (BRA) 10.73
Western Australia Margaret River Pro Women’s Quarterfinal Matchups
HEAT 1: Gabriela Bryan (HAW) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 2: Caroline Marks (USA) vs. Lakey Peterson (USA)
HEAT 3: Molly Picklum (AUS) vs. Luana Silva (BRA)
HEAT 4: Caitlin Simmers (USA) vs. Carissa Moore (HAW)
Western Australia Margaret River Pro Men’s Quarterfinal Matchups
HEAT 1: Samuel Pupo (BRA) vs. Joel Vaughan (AUS)
HEAT 2: Crosby Colapinto (USA) vs. Gabriel Medina (BRA)
HEAT 3: Yago Dora (BRA) vs. George Pittar (AUS)
HEAT 4: Italo Ferreira (BRA) vs. Ethan Ewing (AUS)
(黒本人志)






















