2025/2026CSシーズンはオーストラリアのニューキャッスルで開幕して最終戦もニューキャッスルと異例のシーズンになった。
現地時間3月15日に迎えたファイナルデー。
会場のミアウェザービーチは穏やかな風から始まり、日中はオンショアでコンディションは悪化傾向とイベントを象徴するような1日となった。
なお、ファイナルデーまでもつれ込んだクオリファイの1枠はリアム・オブライエン(AUS)とアナット・レリオール(ISR)が手に入れた。
これで4月1日にベルズで開幕するCT第1戦『Rip Curl Pro Bells Beach』で戦うメンバーが全て揃った。

アリッサ・スペンサーが3度目のCS優勝

PHOTO: © WSL/Darren Anderson
ウィメンズサイドはアリッサ・スペンサー(USA)とジギー・アロハ・マッケンジー(AUS)がファイナルに残り、終わってみればアリッサの圧勝だった。
ヒートでは6.67を出してリズムを掴み、5.07を重ねてトータル11.74をスコア。一方のジギーはオンショアの波に手こずり、SFまでの快進撃にブレーキがかかってしまい、1ポイント台止まりでトータルでも3.63に終わっていた。
「ここでの1週間は本当に目まぐるしかったわ。正直、これ以上は望めないくらい最高の結果になった。この大会で得られる最高の結果を残せたし、この場所にいることに心から感謝している。故郷で待っている友人や家族、スポンサー、支えてくれている全ての人たちに、ありがとうと伝えたい。みんながいなければ、私はここに立っていません。この結果を出すために、裏でどれだけ努力してきたかを知っているのは彼らよ。周りのみんな、そして今の自分の環境全てに感謝の気持ちで一杯」

2025/2026CSシーズンは開幕戦のニューキャッスルで25位と最悪のスタートだったが、ポルトガルで5位、前大会のパイプラインで5位に入り、クオリファイ圏内に浮上。
そして、ファイナルデーの前日にRound of 16を勝ち上がった時点で2022年以来のCT入りが確定していた。
ファイナルデーは南アフリカ出身ながらニューキャッスル在住のサラ・バウムとのQFで快勝。SFでは15歳でCS史上最年少チャンピオンとなったティヤ・ゼブラウスキ(FRA)に対してバックハンドでスコアを重ねて勝利していた。
今年で40周年を迎える「SURFEST」の長い歴史でアメリカ人女性が優勝したのは二人目の快挙でもある。
「今回の優勝で、間違いなく自信がついたわ。今年は結果に波があって、良い時も悪い時もあった。だからこそ、シーズンの最後にこうしてスッキリと勝つことができて、万全の状態でCTの初戦に乗り込めるのは本当に嬉しいわ」
なお、2位になったジギーはまだ17歳。
CSはワイルドカードで2度目の出場だった。
ISAでは2024年のワールドジュニア、U16で金メダルを獲得。
2025/2026QSシーズンではフィリピンのクラウド9で優勝し、リージョナル4位で次シーズンからは正式にCSに出場する。

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アリスターがWSLイベントで2連勝

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メンズサイドはQFでフィン・マクギル(HAW)、SFでワイルドカードのダコダ・ウォルターズ(AUS)を大差で倒した25歳のアリスター・レジナート(AUS)がカウリ・ヴァースト(FRA)とファイナルを争い、エアーで7.33と8.67をスコアしてトータル16.00の圧勝。
カウリは4ポイント止まりでコンビネーションに追い込まれていた。
アリスターは3月にフィリップアイランドで開催されたQS『Phillip Island Pro』で優勝したばかりで、参加したWSLイベントでの2連勝となった。
「正直、信じられない気分だね。この数週間、なんて濃い時間だったんだろう。最高に嬉しい!ニューキャッスルで勝てるなんて特別だね。この場所が大好きだし、早くトロフィーを掲げたくてたまらない。本当に慌ただしい数週間だった。数ヶ月後にシーズンが再開する前に、まずはこの余韻に浸ってしっかり体を休めたい。来年は一年中同じような戦い方をして、CTに入りたい。オーストラリアの仲間たちが次々とクオリファイを決めるのを見て、来年は絶対に自分がやってやるんだって、めちゃくちゃ気合が入っているよ」



『Phillip Island Pro』の後、オーストラリアのボードライダース対抗『Australian Boardriders Battle』にもサンシャイン・コーストのノースショア・ボードライダースの一員として参加していたアリスター。
一晩中車を走らせて今イベントに出場した甲斐があった最高の結果。
40周年の節目となった「SURFEST」のトロフィーを手に入れたことは、オージーとして素晴らしい名誉でもある。
「夢みたい。多くの素晴らしい名前やオーストラリアのレジェンドたちが刻まれたこのトロフィーに、自分の名前が並ぶなんて本当に最高だよ。そこに名を連ねることができて感無量さ。ビーチには応援してくれたり、歓声を送ってくれたりする最高の仲間たちがいて、だからこそ僕らはこのスポーツを追い続けているんだ。この場に立って、素晴らしい試合を見せて、さらに優勝まで手にすることができて本当に幸せだよ。来年もまたこれを繰り返せるように頑張る。スポンサーやサポーターのみんな、そして何より、最初の一歩からずっと支えてくれた両親に感謝したい。母さん、父さん、本当にありがとう!」
2位になったカウリはクオリファイに加え、イーライ・ハンネマン(HAW)を抜いてCSチャンピオンの座も手に入れた。
パリ五輪で金メダルを獲得、CSでチャンピオンの座を獲得。
次の舞台であるCTでも活躍を期待しよう!

PHOTO: © WSL/Darren Anderson
イスラエル初のCT選手誕生

PHOTO: © WSL/Darren Anderson
ウィメンズのクオリファイの最後の枠を獲得したアナット・レリオール。
イスラエル初のCT選手誕生という歴史的快挙の瞬間だった。
現在25歳の彼女はイスラエルのテルアビブ出身。
5歳の時に地中海でサーフィンを覚え、2014年からQSを回り始めている。
東京五輪、パリ五輪に出場し、初めてのCSシーズンでクオリファイという成功を収めた。
「実感が湧かないわ。CSに参戦してまだ1年目。私は波の穏やかな地中海育ちで、外海でサーフィンをして育ったわけでもないのにね。本当に信じられない状況よ。まだ頭が追いついていないわ。他の選手が負けるのを待っている時間は、人生で最も過酷な経験の一つだった。今日戦った全ての選手たちをリスペクトしている。ただ『ありがとう』と言いたいわ。夢って本当に叶うものね。イスラエル出身の女の子がここまで来れるなんて。次はベルズで会いしましょう!」

返り咲きを決めたリアム・オブライエン

PHOTO: © WSL/Darren Anderson
メンズはリアム・オブライエン(AUS)が最後の枠に入った。
ランキング9位で最終戦に入ったリアムは、最初のラウンドで敗退。
その後、5日間に渡って目まぐるしく変わるシナリオの中で、自らの運命を他人に委ねることとなった。
複雑な感情に拍車をかけたのは、パートナーであるソフィー・マカロック(AUS)の存在で、彼女自身もファイナルデーでCTクオリファイまであと1ヒートというところまで迫りながら、QFで敗退。
リアムの方はQFでリヴァイ・スローソン(USA)が敗退した時点で返り咲きが確定した。
「週の初めにチャンスがあったのに、自分のミスで台無しにしてしまいました。あの時はもう、荷物をまとめて家に帰ることになるだろうなと確信したよ。でも、ソフィーをサポートするために残ることにしたんだ。辛かったから、本当はすぐにでも立ち去りたかったけど、彼女の側にいてあげられて良かった。でも、今日は彼女にとっても本当に精神的にキツい展開になってしまった。彼女は最高のサーフィンをしていたのに、最後の一歩が届かなかった。本当に不憫で、昼間はどん底の気分だった。自分のクオリファイも、もう絶望的だと思い込んでいたよ。その後、『通過したぞ』というメッセージが届いた。なんて奇妙な一日なんだと思ったね。とにかく、心の底からホッとした瞬間だった」
2026/2027CSシーズンは2026年7月から2027年3月にかけて南アフリカ、アメリカ、ブラジル、ポルトガル、オーストラリアで5戦が開催される。
開幕戦は7月12日〜18日で会場は南アフリカのバリート。
また、4月1日〜11日はCT開幕戦『Rip Curl Pro Bells Beach』がベルズビーチで開催。
今回クオリファイを決めた選手は2週間後に迫った大会の調整に入ることになる。

2025/2026CSランキング&クオリファイ
1.カウリ・ヴァースト(FRA)
2.イーライ・ハンネマン(HAW)
3.モーガン・シビリック(AUS)
4.ジョージ・ピッター(AUS)
5.サミュエル・プーポ(BRA)
6.カラム・ロブソン(AUS)
7.ルーク・トンプソン(RSA)
8.オスカー・ベリー(AUS)
9.マテウス・ハーディ(BRA)
10.リアム・オブライエン(AUS)
1.ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)
2.ヨランダ・ホプキンス(POR)
3.サリー・フィッツギボンズ(AUS)
4.アリッサ・スペンサー(USA)
5.フランシスカ・ヴェセルコ(POR)
6.ナディア・エロスタルベ(EUK)
7.アナット・レリオール(ISR)
『Bioglan Newcastle SURFEST』結果

1位 アリスター・レジナート(AUS)
2位 カウリ・ヴァースト(FRA)
3位 ダコダ・ウォルターズ(AUS)、ルーカス・カシティ(MEX)
5位 カレブ・タンクレッド(AUS)、フィン・マクギル(HAW)、リヴァイ・スローソン(USA)、カラム・ロブソン(AUS)

ウィメンズ
1位 アリッサ・スペンサー(USA)
2位 ジギー・アロハ・マッケンジー(AUS)
3位 ソル・アギーレ(PER)、ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)
5位 エリー・ハリソン(AUS)、ソフィー・マカロック(AUS)、サノア・デンプフル=オーリン(CAN)、サラ・バウム(RSA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
Bioglan Newcastle SURFEST Presented by Bonsoy Women’s Final Results:
1. Alyssa Spencer (USA) 11.74
2. Ziggy Aloha Mackenzie (AUS) 3.63
Bioglan Newcastle SURFEST Presented by Bonsoy Men’s Final Results:
1. Alister Reginato (AUS) 16.00
2. Kauli Vaast (FRA) 9.57
Bioglan Newcastle SURFEST Presented by Bonsoy Women’s Semifinal Results:
HEAT 1: Ziggy Aloha Mackenzie (AUS) 13.10 DEF. Sol Aguirre (PER) 8.93
HEAT 2: Alyssa Spencer (USA) 14.57 DEF. Tya Zebrowski (FRA) 10.67
Bioglan Newcastle SURFEST Presented by Bonsoy Men’s Semifinal Results:
HEAT 1: Alister Reginato (AUS) 16.27 DEF. Dakoda Walters (AUS) 11.23
HEAT 2: Kauli Vaast (FRA) 11.67 DEF. Lucas Cassity (MEX) 8.10
Bioglan Newcastle SURFEST Presented by Bonsoy Women’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Ziggy Aloha Mackenzie (AUS) 11.73 DEF. Ellie Harrison (AUS) 11.30
HEAT 2: Sol Aguirre (PER) 13.16 DEF. Sophie McCulloch (AUS) 10.27
HEAT 3: Tya Zebrowski (FRA) 14.83 DEF. Sanoa Dempfle-Olin (CAN) 7.26
HEAT 4: Alyssa Spencer (USA) 15.63 DEF. Sarah Baum (RSA) 12.27
Bioglan Newcastle SURFEST Presented by Bonsoy Men’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Dakoda Walters (AUS) 14.00 DEF. Caleb Tancred (AUS) 8.00
HEAT 2: Alister Reginato (AUS) 9.84 DEF. Finn McGill (HAW) 7.33
HEAT 3: Kauli Vaast (FRA) 13.16 DEF. Levi Slawson (USA) 11.90
HEAT 4: Lucas Cassity (MEX) 13.33 DEF. Callum Robson (AUS) 11.00
(黒本人志)






















