今シーズンのアジアリージョナルのQSはハイグレードの6,000が5イベントも開催。
更に「Bonsoy Asia Super Series」としてシリーズ化され、QSとは別のランキングで賞金と2025年アジアリージョナルのベストサーファーの称号が贈られる特別なシーズンになっている。
開幕から2戦の舞台はインドネシア。
そして、第3戦は韓国のウェーブプール「Wave Park」とインドネシアとは全く違う波でLQSとの併催で行われ、現地時間7月20日に終了した。
都築虹帆が完全優勝

QS6,000『Siheung Korea Open』のウィメンズは都築虹帆が大会を通して秀でており、全てのラウンドでシングル、ヒートスコア共にハイエストを出していた。
彼女の正確なレールワークとスムーズなターンが完璧なウェーブプールの波に見事にはまり、中塩佳那、脇田紗良、オージーのチャーリー・ヘイトリーとのファイナルでは1本目でバックサイド・エアリバースをメイクして8.50を出して他の選手にプレッシャーをかけていた。
各選手は合計6本のレフトの波に乗り、ベスト2スコアで争われるが、3本目で7.97、4本目で8.43とバックアップを伸ばして圧勝。
「今は本当に嬉しいです。最初の波のエアは実はミスだったんです。ターンで詰まっちゃって、最後のセクションで思い切って飛んでみたら、まさか決まってしまい、凄く嬉しかったです。最近はあまり良い結果が出てなかったので、この大会で大きなスコアを出せたこと、自分のサーフィンに手応えを感じられたこと、そして優勝できたことはとても大きいです。シーズン後半が本当に楽しみになりましたし、自信も出てきました」
22歳の都築虹帆、2025/2026シーズンはインドネシアのクルイで49位など結果を残せていなかっただけに、転機となるような1勝となった。
2位は7ポイント台を4本出した中塩佳那、3位に脇田紗良、チャーリー・ヘイトリーが4位。
QSアジアリージョナルのランキングでは中塩佳那がトップで、「Bonsoy Asia Super Series」でもカレントリーダー。
都築虹帆は5位。脇田紗良は4位。
メンズはクトゥ・アグースが優勝

メンズは日本に国籍を変えた小林桂の他、クトゥ・アグース、ブロンソン・メイディと二人の強豪インドネシア人とクルイで優勝したオージーのリーフ・ヘーゼルウッズがファイナルに残った。
今シーズン良い結果がなかったクトゥが都築虹帆と同じように完璧なウェーブプールの波にフィット。QFを除く全てのラウンドで8ポイント以上のエクセレントスコアを出して快進撃を続けていた。
ファイナルでは最初の2本で9.00、8.50と勝負を決めるようなバックサイドで主導権を握り、4本目には8.77とバックアップを更新。
2本目で8.93を出していた小林桂も5本目で8.30を出して追い上げたが、僅差でクトゥが優勝してQSアジアリージョナルと「Bonsoy Asia Super Series」の両方でトップに立った。
「最高の気分だね。韓国でこの規模の大会が開催されるのは凄く嬉しい。ウェーブプールでの試合という特別な舞台で、自分の仲間たちがいる中で優勝できたのは本当に最高。感謝の気持ちで一杯さ。次の大会もこの勢いで臨みたいと思う」
韓国のサーフィン界にとって歴史的な1日

LQSメンズはQSにも参加して9位に入った韓国のカノア・ヒ・ジェイがフィリピンのクリサント・ビジャヌエバ、日本の田岡遼平、秋本祥平を抑えて優勝。
QS6,000で韓国人がファイナルデーに残るのは初であり、WSLイベントでの優勝も初と韓国のサーフィン界にとって歴史的な1日になった。
「今日は自分にとっても、家族にとっても本当に意味がある日。ずっと支えてくれた友達や家族に感謝したいね。多くの素晴らしいサーファーたちが韓国に来て、素晴らしいサーフィンを見せてくれた中で、自分もその中で戦えたことが本当に嬉しい。QSではセミファイナルで敗退して本当に悔しかったけど、ロングボードで優勝できて、とても特別な気持ちだよ」
まだ17歳でショート、ロング共に秀でた才能を持つカノア 。
普段から「Wave Park」でサーフィンしているアドバンテージを抜きにしても韓国のサーファーのレベルが上がっていることが証明された。
ディア・ノヴィタサリがリベンジを果たす

LQSウィメンズは日本の田岡なつみ、吉川広夏、インドネシアのディア・ノヴィタサリ、韓国のスジン・パクがファイナリストに選ばれ、ディアが2本目で8.00、3本目以降は全て7ポイント台と安定したライディングで優勝。
2位の田岡なつみは最後の波で逆転のチャンスがあったが、僅かにスコアが届かなかった。
「今は本当に言葉がないわ。このウェーブパークで完璧な波に乗れて、とても幸せだし、感謝の気持ちで一杯よ。これが私にとって初めてのWSLイベント優勝なので、本当に特別な日になった。本当に本当に嬉しい」
2023年11月に始めてこの「Wave Park」で開催されたLQSではファイナルで田岡なつみと最後まで争って2位になっていたディア。
見事にリベンジを果たすことに成功した。
「Bonsoy Asia Super Series」の4戦目は9月16日〜21日に日本の愛知県田原市で開催されるQS6,000『Tahara Pro』
会場は伊良湖のロングビーチ。
2018年に開催されたISAのWSGこと『Urban Research ISA World Surfing Games』以来、7年ぶりの国際大会となる。
『Siheung Korea Open』結果
QS6,000
1位 クトゥ・アグース(IDN)
2位 小林桂(JPN)
3位 リーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)
4位 ブロンソン・メイディ(IDN)
ウィメンズ
1位 都築虹帆(JPN)
2位 中塩佳那(JPN)
3位 脇田紗良(JPN)
4位 チャーリー・ヘイトリー(AUS)
LQS1,000
1位 カノア・ヒ・ジェイ(KOR)
2位 クリサント・ビジャヌエバ(PHL)
3位 田岡遼平(JPN)
4位 秋本祥平(JPN)
ウィメンズ
1位 ディア・ノヴィタサリ(IDN)
2位 田岡なつみ(JPN)
3位 吉川広夏(JPN)
4位 スジン・パク(KOR)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)