CT第7戦『Outerknown Tahiti Pro』はウェイティングピリオド初日から5日連続で進行。
現地時間8月12日のチョープーは公式4-6ftプラスのオフショア。コンディションは不安定ながら、いくつかのハイスコアが生まれ、「ケリーvsロボ」というゴールデンカードもあった1日だった。

ケリー vs ロボ

メンズサイドはR3の8ヒートが進行、ウィメンズサイドはR2の8ヒートが進行。
共にQFを戦うベスト8が揃った。
メンズR3の注目カードとなった「ケリー vs ロボ」は多くの人が期待していた展開とは異なったが、これもまた自然を相手とするサーフィンコンテストの宿命とも言える。
ヒートは最初にロボが5.83を出してスタート。これでプライオリティはケリーが手にしたが、ケリーは判断ミスでシャットダウンした波に乗ってしまう。
終わってみれば、この判断ミスが全てだった。
ロボは次に入ったセットでヒートのハイスコアとなる9.17を出してトータル15.00でケリーを追い込んだ。
残り時間5分を切ってからケリーはようやくバレルをメイクして7.83をスコア。逆転の可能性を見出したが、残念ながらこの日のチョープーはロボに味方した。
「ケリーと初めてヒートで対戦した時のことは覚えているよ。13歳の時のクラマスだった。だから、僕が小さい頃から競争は始まっていたんだね。ケリーのことは本当にリスペクトしているよ。今日は本当に恵まれた一日だった。あそこでサーフィンできて、そしてちゃんと結果を出すことができた。本当にそれだけだね。かなり忙しいイベントになることは分かっていたから、今日も同じように休んでコンディションを整えて、もっと力をつけるための一日にするよ。また明日。みんなに会えるのを楽しみにしてる」
ロボはQFでグリフィン・コラピント(USA)と対戦する。
グリフィンはR2でイベント最初の10ポイントを出し、この日は最終ヒートでミゲル・プーポ(BRA)を相手に8ポイントを2本出していた。

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar



“魔法”が切れてしまったケリー

54歳のワイルドカードに優勝のチャンスはあるのか?
R2で9ポイントを出してイーライ・ハンネマン(HAW)を倒し、R3でガブリエル・メディナ(BRA)を9ポイント2本で抑えた時は多くのケリーファンがもう一度ケリーが優勝するという夢を見ていた。
残念ながらロボのヒートは魔法が解けてしまったが、改めてケリーがサーフィン界のキングだということを証明したイベントでもあった。
「ありがとう。本当に楽しかったよ。あのヒートは、プライオリティを持っていたのに、ミスしてしまってね。そのあとジャックが9ポイントを出した。だから、そこからずっと後手に回ってしまったんだ。それで時間もなくなってきて、ジャックが5ポイントくらいの波を取った。だから、自分には7.5ポイントくらいを2本取る必要があるって分かっていた。最後、なんとか盛り返すことができた。残り3分くらいで、あの波をすぐ取れてね。少し大きめの波だったから、ジャックの5ポイントよりは高いスコアになるだろうと思った。それで、まだチャンスはあると感じたんだ。あとは、2本の波が自分のところに良い形で入ってきてくれることを願うしかなかった。でも、ジャックに小さい波に乗らせるために、自分からパドルして仕掛けなきゃいけなかったし、そのあと来たセットにはアウトに出られなかった。だから、結局ずっと自分のリズムに乗れていなかったんだと思う。多分、その前の2ヒートで自分の持っている“魔法”を全部使い果たしちゃったんだろうね」



今回メインスポンサーになった「Outerknown」を始め、いくつもの会社を持ち、二人の幼い子供もいる多忙な日々を送っているケリーの未来のビジョンとは?
「もしパイプのワイルドカードをくれるっていうなら、俺はそれを使うよ。一度マスターになって優勝したら、一生サーフィンできる権利がもらえる、みたいな感じだよね(笑)。まあ、今のところ特に何か予定があるわけじゃない。でも、もしパイプラインのコンテストに出られるなら、ぜひ出たいね。そのために、これからいろいろ働きかけてみるよ。以前、何かしら合意があったと思っていたんだけど、最後にワイルドカードをもらったのは1年半前だったからね。まあ、いいさ。どうなるか見てみよう。でも今回は本当に最高だった。波も、予報から想像していたよりずっと良かった。予報を見たときは、本当に厳しい一週間になると思っていたんだ。でも、実際には凄い良い波が来てくれた。そして今日は、本当に素晴らしいコンディションになった。サイズの大きな波と小さな波の間にあるミドルサイズの波もかなり良かったね。俺はちょっとアウトの大きな波ばかりを狙ってしまって、それを待つことにこだわりすぎて、ゲームプランを狂わせちゃった。でもジャックはそこをしっかり見ていて、先に仕掛けて、その波をものにしたんだ」
ダークホースが金メダリストを倒す

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
メンズサイドの一番の番狂わせはチョープーで開催されたパリ五輪の金メダリストでローカルのカウリ・ヴァーストを倒したアラン・クリーランド(MEX)だった。
アランの7.67でスタートしたこのカード。
カウリは立て続けにバレルをメイクして5.83、6.17を重ねてリードするが、アランがニード4.33のシチュエーションで4.67を出して逆転に成功。
ポテンシャルがあるセットがカウリの元に入れば逆転は可能だったが、ニード6.18を超えることはできず、僅差でアランが勝ち上がった。
「カウリは本当に良い友人なんだ。僕たちはツアーや、それ以前のハワイとかでも多くの時間を一緒に過ごしてきた。彼がここでどれほど凄いかを知っているよ。彼は世界最高のサーファーの一人だし、特に彼のホームブレイクではね。彼を負かすのは難しいよ。特に彼はこのリーフ全体を自分の手のように熟知している。だからヒート表で彼を見た時はめちゃくちゃ怖かったよ。とにかくアウトに出て数本の波に乗れたこと自体、凄い嬉しかった。いくつかミスもしたけれど、最終的にかなり良い波を掴めて、バックアップスコアも作れた。だから一日が終わってみて、自分にとって上手くいってとにかく最高だったね」


PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
「みんながこんなにヤバイ波とどうラインナップを合わせているのか、どこからテイクオフしてバレルの中で何をするのか、そして今のサーフィン界にある才能を見るのは、本当に刺激になるよ。クレイジーだね。だから僕もその波を少しでも掴んで楽しみたいし、ケリー、グリフィン、カウリ、それにコナー、イタロ、ガブ。名前を挙げきれないほど多くの選手から大きな刺激をもらっている。このツアーこそが僕たちがサーフィンをする理由であり、生きがいなんだ。だからその一部になれて、もう一度サーフィンをするチャンスを得られてとにかく嬉しい」
その他、セス・モニーツ(HAW)、イタロ・フェレイラ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)、ラムジ・ブキアム(MAR)、ジョージ・ピター(AUS)がQF進出を決めている。

PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
14歳のミス・チョープーが快進撃を続ける

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
ウィメンズサイドのハイライトは、前日にタイラー・ライト(AUS)を倒した「ミス・チョープー」こと14歳のケリア・ガリーナがパリ五輪の金メダルを獲得したキャロライン・マークス(USA)を抑えて初のQF進出してヒート。
その他、アナット・レリオール(ISR)が6ポイント2本で全く波をメイク出来なかったガブリエラ・ブライヤン(HAW)に圧勝し、ブリッサ・ヘネシー(CRI)と対戦したケイトリン・シマーズ(USA)が信じられないようなバレルライドで9ポイントをスコアした。
今シーズン結果を出せていないエリン・ブルックス(CAN)がカリッサ・ムーア(HAW)を倒したことも話題になっていた。


PHOTO: © WSL/Hannah Anderson


PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson

その他、モリー・ピックラム(AUS)、イザベラ・ニコルス(AUS)、ナディア・エロスタルベ(ESP)、ヨランダ・ホプキンス(POR)がQF進出を決めている。
ネクストコールは現地時間8月13日の朝7時(日本時間8月14日午前2時)で、35分後にスタート予定。
4日間予報では、13日が一番良い予想のため、ファイナルデーになる可能性が高い。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)






















