surfeater.com ウェーブプールは波の少ないフロリダで育ったケリーの子供の頃からの夢でもあった

ケリー・スレーターが明かすサーフランチの真実(メカニズム・乗り方・お勧めのボード)

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2015年の12月にケリー・スレーターによって公開され世界的な注目を集めたサーフランチは、長さ約609メートル幅152メートルのウェーブプールで、10年間という研究開発の末に完成した。このウェーブプールはすでに約4年が経過しているが、人口波の設備が乱立しはじめた現在でも世界で最も優れた波を造り出すプールとして存在している。もちろんCTイベントで使われるほどのクオリティーであるのは言うまでもない。「このサーフランチの波よりクオリティの高い自然の波がブレイクするのは、カリフォルニアの海岸線でさえ年にほんの数回だろう」とケリーは語る。

ケリーは数年に渡りキャンピングカーに籠ってこのプールのデザインに関わり、数分間(数時間?)チューブに入り続けた。最近、ここに訪れる回数は少なく2019年はまだ4日間のみだが、彼がこの波のエキスパートであることに疑いの余地はない。フレッシュウォータープロ出場のためにサーフランチへ向かうケリーにこのプールの秘密を聞くことができた。

現実となった今でも「夢の波」であることに変わりはない

プールのベストコンデションは?

無風がベスト、もしくは西風。ここは、たいていは北西が吹き、ライトブレイクは強いオフショアとなり、レフトではオンショアとなる。理論上では西風がどちらもオフショアとなる。波質はどんな波でも造り出すことができる。フォイル(発生装置)のスピードが変えられるし、水深も、フォイルの進行方向も変更できる。それらを全て制御できるのさ。

でも水量の調整は簡単じゃないな。水は蒸発するし。水位が低すぎるとき、多すぎるときもある。バレルが最後に一気に崩れてしまうのを見たことがあると思うけど、それはおそらく水深が数インチ高すぎて、スウェルがフォイルに押しのけられるからだと思うけど、正確にはまだ解明されていない。

プログラムされた波は5つセットされていて、個人的に好きなのはCT3というやつ。それは試合で使っている。5つの波を選び、それを全部テストしてどれが自分の体力にとってベストかという風になれば良いよね。過去の2つのイベントでは、レフトでやや遅めのCT3を使い、ライトでは速いブレイクのCT2を使った。CT2は速くパワフルで、中心でバレルになる。CT3は予測がつかないところがあってミドルセクションでバレルになったり、ならなかったりする。だから波のブレイクをジャッジしなければならない。

その他にはビギナー向けのプログラムがあって、それはゆっくりした波で小さくてバレルにはならない。数人が一度に乗ることも可能だ。仲間で楽しめるね。
フォイルの角度は変更可能。波が通り過ぎてから、フォイルは次の波のために回転しリセットされる。フォイルはたしか7度から10度の角度を変えられる。フォイルの速度が遅くても角度を立てればダウンザラインのスピードは維持できる、遅い速度のスウェルは省エネにもなる。ダウンザラインの波よりももっとプッシーな波質に変えることもできる。

混雑とは無縁

プールの使い方は、使い方が分かっている同士なら一人が波に乗り、もう一人がジェットスキーでバックアップすれば良い。3人か4人でならば誰かがワイプアウトしたときに、誰かがバックアップする。支柱の20本くらいの間隔で待つとかそんな感じかな。

wsl.com 同じ波で平等にサーフィンを競うという発想はゴルフに近い、自然の波では不可能だ。ケリー・スレーター

お勧めのサーフボード

誰にでも、海で使うお気に入りのボードを持っておいでって言ってる。というのも高速でブレイクする波を乗らなければならないからね。サーフランチの波は、コンデションが良いときのロワーズの3~4フィートくらいの感じに似てる。ウェーブプール用のボードというのはどうだろうな。そんなことを考えている人もいるだろうけど、たとえば専用ボードとか、ウェーブプールで何度もサーフしている奴は誰よりも良いのを持ってるとか、でもそんなことないよ。今週ボードを作って来週それを試すなんてできる奴はいないし、ここでサーフすることは難しくないんだ。だからシークレットなんてないよ。マジックボードを用意しなければならないなんてこともない。

サーフするときのアドバイス

パーコだろうがファニングだろうが、初めてサーフする人だろうが、波に乗ったら、適当なスペースを維持して、ポケットでふざけたりしないこと。最初の波はとくに慎重にテイクオフするのが重要だ。ここでサーフしたグループの中には、上手に乗れなかった人が何人かいる。そういう人たちはだいたい最初の波でしくじって頭が混乱したんだ。その印象のまま次の波でも気持ちを立て直せずに終わってしまう。だから最初の波では慎重に乗り切ること、そして次の波から少しずつポケットへ近づいてサーフしていくのがいい。

観戦者へのアドバイス

ビールをたくさん飲んで日陰で休んでくれ(笑)。冗談だよ。サーフィンをしっかり観戦してくれ。知っていると思うけど僕はゴルフファンなんだ。ゴルフでは誰が何ホールでプレイしているか知ることができる。そんな感じで自分で観戦のプランを立てたら良いと思うよ。お気に入りのサーファーがいつ出場するか、レフトかそれともライトかってね。放送で別の角度からも見ることができる。フロントサイドもしくはバックサイドに自信を持っている選手もいる。

サーファーで観戦に来る人に言いたいのは、あまり批判的にならずウェーブプールの試合を楽しんで見て欲しいな。誰もが同じ波に乗って平等のチャンスを得るというのがこのウェーブプールの目指すところなんだ。ウェーブプールに関する批判的な記事をたくさん読んだけれど、退屈で的を得ていない。

同じ波で、それぞれのサーファーがそれぞれの違うラインを描いたとしたら、観戦者は彼らのテクニックやラインそしてスピードの違いを理解できるようになる。つまりウェーブプールは、波とサーフィンを別々に切り離して評価できるのさ。

(李リョウ)

この記事はsurflineのHPに掲載された記事を基に編集いたしました。
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