世界一危険なコンテスト!? 『Red Bull Cape Fear』はネイザン・フローレンスが制した!

今年からWSLとも関係が深まったRed Bull主催の招待制イベント『Red Bull Cape Fear』

2016年はシドニー南部のボタニーベイ・Cape Solander、通称「Cape Fear」で開催され、オーストラリア・サウスコーストローカルのラッセル・ビルケが優勝。
ウェスタンオーストラリアの「The Box」を更にハードにした感じのシャローなリーフブレイク、ワイプアウトが即大怪我に繋がるような超危険な波での勝負が大きな話題になっていた。

2017年、2018年は条件が揃わずにコンテストは見送りになっていたが、今年は5月31日のウェイティングピリオドの直前、5月13日にタスマニア島の南東部に位置するシップスターンで開催。
シャローなリーフと地形によって非常にクセがある底掘れをする波は世界で最もダイナミックと言われ、「Cape Fear」よりも厄介である。

招待された20名の中には昨年ツアーを引退したミック・ファニング(AUS)を始め、コア・ロスマン(HAW)、ビリー・ケンパー(HAW)、ライアン・ヒップウッド(AUS)、ローリー・ターナー(AUS)というビッグネームも。
ディフェンディングチャンピオンのラッセル・ビルケ(AUS)も参加。

当初はカイ・レニー(HAW)、ロス・クラーク・ジョーンズ(AUS)の名もあったが、実際に参加した20名の内、半分はローカルが占めていた。

当日は6ftからセットで10ftの巨大なウネリが入り、パドルでは危険と判断され、ジェットスキーでのトーインを併用。
この種のコンテストでトーインが使用されるのは極めて珍しい。
それだけこの波がパドルでは難しいし、危険だと言うことだろう。
パドルでテイクオフする選手は波のスピードに追いつけずにワイプアウトが目立っていた。

フォーマットはシンプルで、R1は4名づつ。
5ヒート行われ、トップの選手のみがファイナル進出。

WSLのBWT(ビッグウェーブツアー)さえも出場経験がないミック・ファニング(AUS)はトーインでのサーフィンを選び、いくつかの危険なバレルをメイクしたものの、パドルでのサーフィンを選んだジョン・ジョン・フローレンス(HAW)の弟、ネイザン・フローレンス(HAW)にトップを奪われ、ファイナル進出はならず…。

5名のファイナリストで一番初めに波に乗ったネイザン・フローレンス(HAW)がいきなり巨大なバレルをメイクして9.93をスコア。
すぐに5.83のバックアップスコアを重ね、最初の10分でトータル15.16をまとめてしまった。
ネイザンは残りの50分を逃げ切り、後半に追い上げてきたローリー・ターナー(AUS)、トーインで最高のバレルを抜けて10ポイントを出したタスマニアローカルのジェームズ・ホルメル・クロスもかわして優勝。
シップスターンでの史上初のコンテストを制した。

「人生で最も長い時間だった。ジェームズが10ポイントを出した時は’参った〜’と嘆いたね。彼が逆転に必要だったのは僅か5ポイント。でも、ありがたいことに波は来なかった。困惑しているんだ。だって、コンテストで優勝したのは人生初なんだよ」
ネイザン・フローレンス

Red Bull Cape Fear 出場者

Russell Bierke (AUS)
Pedro Scooby (BRA)
Daniel Griffiths (AUS)
Michael Brennan (AUS)
Mick Fanning (AUS)
Laurie Towner (AUS)
Shaun Wallbank (AUS)
Zebulon Critchlow (AUS)
Mark Mathews (AUS)
Ryan Hipwood (AUS)
James McKean (AUS)
Brook Phillips (AUS)
Nathan Florence (USA) 優勝
James Hollmer-Cross (AUS)
Marti Paradisis (AUS)
Billy Kemper (USA)
Tyler Hollmer-Cross (AUS)
Alex Zawadzki (AUS)

『Red Bull Cape Fear』公式サイト:https://www.redbull.com/au-en/events/redbull-cape-fear

(空海)

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