Image: GQ Sports(Youtube)

コロヘ・アンディーノがハリウッドサーフィン映画にツッコミを入れる

先月末に公開されたGQ Sportsのビデオシリーズ「The Breakdown」にコロヘ・アンディーノが登場。

彼の父ディノがカメオ出演した「ハードブルー」やその他サーフィンがフィーチャーされたハリウッド映画を見ながら、非サーファーにもわかりやすい分析と愛のあるツッコミをしていくのだが、その中からいくつかのコメントをご紹介。

実は「サーフズ・アップ」が一番のお気に入り?

POINT BREAK(ハートブルー)1991年

ベニスビーチを舞台に連続銀行強盗事件を追う若手FBI捜査官とその犯人の友情を描いたハリウッドアクション映画。犯人が日焼けをしていることなどから犯人はサーファーだと推測。主人公はサーファーに成りすまして潜入捜査を進めていく。

「僕の父ディノは実際この映画の冒頭にカメオ出演していたんだ。リッピングやらスラッシングやら水面の接写がいっぱいのところ、そこにいるのが父とマット・アーチボルド。ふたりは一緒に運転して役をもらいに行ったみたい。タオルの下で大麻を吸っている(かのような)シーン(笑)みんなにとってこの映画は名作だろうけど、うちの家族にとっては鉄板ネタだよ。」

BLUE CRUSH(ブルークラッシュ)2002年

ハワイのガールズサーファーを題材にした青春ストーリー。事故がトラウマで思い切ったライディングが出来ない主人公がパイプライン・マスターズを数週間後に控え恋に夢中になってしまうが、果たして結末は。一般公開された映画の中では、サーフシーンやそのストーリーも中々見ごたえがあると評判もあった作品。

「チューブのシーン、うまく編集されていて結構リアルに見えるね。パドリングなどはすべてリアルだよ、プロサーファーが演じているから。ただ一箇所、チューブの中で彼女の顔にフォーカスする部分…ライディング中ずっとレギュラースタンスで波を背にしてレフト方向へ行っているのに、クロースアップでは波側に顔が向いているから、ここだけスタンスが逆のようになってしまっているじゃないかな。」

FORGETTING SARA MARSHALL(寝取られ男のラブ♂バカンス)2008年

失恋した主人公が傷心旅行で向かったハワイ・ノースショアで、別れたばかりの元彼女が新しい彼氏と共にいるところに出くわしてしまうラブコメディ。その傷心中の主人公がバケーション先のタートル米リゾートホテルで、インストラクターからサーフィンを教わる一幕がある。

「陸でコーチが“サーフィンしようとするな、何もするな、やらなければやらないほどいいんだ”ってテイクオフを教えているね(笑)生徒がパラレルスタンスで立っているのはオススメしないけど、“余計なことをするな、考えるな”はあながち間違っていないかも。頑張れば頑張るほど悪化したりもするし。」

THE SHALLOWS(ロスト・バケーション)2016年

医学生のナンシーが休暇で訪れた秘密のビーチでサーフィン中に負傷し、岩場で休憩している最中にサメに包囲されるというパニックサスペンス映画。ビーチにスニーカーで現れる主人公や、砂浜に板を差して立てる演出にツッコミまくりのコロヘだが、フィンはFCSⅡがセットアップされるなどリアルな一面もある。

「女性がボードケースを肩からぶら下げてビーチを歩いているシーンだけど、これは完全に間違ってる!サーフボードはそんな持ち歩き方はしないよ(笑)ボードケースにストラップって、ギターじゃないんだから…そう、ボードは小脇に抱えるんだ。そして砂の上でスニーカーも履かない。」

「しかしいい波だね。ワクワクする。まわりに誰もいなくて、完璧なオフショアで、バレルで、いいスポットだね。これがどこか知りたいよ。僕も行きたい(笑)」

GIDGET(ギジェット)1959年

この中で最も古い1959年の映画。カリフォルニア・マリブでサーフィン好きの16歳の少女がおぼれそうになったところを、サーファーが助け出すストーリー。当時数千人だったサーファーが数百万人になるなどにわかサーファーを多く生み出し、一部では50~60年代のサーフィン史における分岐点となる映画と言われている。

「この映画は見たことないな。合成映画なのか!彼らが着ているものも被っているものもよく分からない。50年代のビキニなのかな、絡まって溺れてしまいそうに見える。」

「かなり古いサーフボードだね。見て、フィンの後ろからテールまでほとんど距離がない。(サーフボードはフィンによって色々な特徴はあるけど、)ちゃんと浮いて進む板であれば、どんな板でも乗りたいものに乗ればいいんだ。年上のサーファーはクアッド好きな人が多いかもしれない。ノスタルジックな人はオールドログ、80年代好きはツインと言うようにね。とにかく“いい感じ”に乗りたい人はスラスター、だから僕はそれに乗ってるよ!」

BIG WEDNESDAY(ビッグ・ウェンズデー)1978年

ベトナム戦争、ヒッピームーブメント、ショートボード革命など、激動の1960~70年代アメリカを舞台で繰り広げられる言わずと知れたサーフィン青春映画。主人公たちはベトナム戦争の徴兵などを経て再開し、水曜日にやって来るという世界最大の波“ビッグ・ウェンズデー”に挑戦する。

「基本的にハリウッドは適当なサーファーのイメージを作っていると思っていたけれど、最近ちょっと考えていたのが、実は違うと思っているのは自分たちサーファーだけで、実際は結構そのイメージに近いのかもしれない、と。僕自身、ラディカルって言葉は使わないけどラッドは毎日言ってるし(笑)」

「男子が集まっていて、女子が男子の肩を揉んでいて、みんなでパーティーの話をしているシーン。僕も若くて独身の頃は毎日そんなことやってたよ(笑)ただビーチでわいわい集まるのが好きな人たちも実際いる。まぁ、ハリウッドもあながち間違っていない部分もあるね。」

SURF’S UP(サーフズ・アップ)2007年

ペンギン・サーファー’コディ’の成長の物語で、制作にケリー・スレーターとロブ・マチャドが協力したことで大きな話題になった。子供から大人まで楽しめる作品で、アカデミー長編アニメ賞にもノミネートされた。コミカルな中にもサーフィンシーンは絶妙なリアルさを表現。

「これがベストだね。この映画大好き。ワイプアウト中、ペンギンたちがビッグウェーブに巻かれているのにあれこれ叫んでるシーンはウケる!絶対にありえない(笑)わずかな空気でも欲しい状況のはずだよ。」

「試合中に過去を回想しているシーンもおもしろいね。僕も試合中これまでの人生で起きた様々な出来事をよく思い出すんだ。」

(THE SURF NEWS編集部)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。