エクアドル生まれ女性プロサーファー「パチャ・ライト」がサーフィンを始めたきっかけとは

Billabong Womensの「Home」最新作に登場するパチャ・ライトへのインタビューが9月1日に公開された。

パチャ・ライトとは、南米エクアドル生まれで、現在オーストラリアを拠点に活動する19歳のプロサーファー。2019WSLオーストラリアジュニアツアーランキング4位の実力も持つ。パチャはプロサーファーにしては遅く、サーフィンを始めたのはオーストラリアに移住した後の9歳。ローラ・エネバーとの不思議な縁がきっかけだった。

ローラ・エネバーとの不思議な縁

パチャのはじめてのサーフボードは、実はローラからプレゼントされたものだ。高価なサーフボードを買ってもらえず考えた若きパチャは、CDプレイヤーを片手に2011年のRoxy Pro会場へ向かった。

「busking for a board(ボード目当ての路上ライブ)」という看板を立てて歩道で踊っていたところ、ローラ・エネバーが通行人として登場。一緒に踊ってくれた後、アパートからサーフボードを持って戻りパチャにプレゼントしてくれたのだ。

以来、パチャは、旅をするときは必ず余分なサーフボードを1つか2つ持っていく。地域コミュニティへの恩返しの気持ちを忘れず、ローラがパチャにしたのと同じように、現地のコミュニティにプレゼントをする。

現在、パチャとローラは2人とも同じスポンサーBillabongに所属し、良き友達としてサーフトリップにも出かけている。

パチャの生まれ故郷、エクアドル

7月に公開された映像「Home」に関する今回のインタビューでは、パチャの生まれ故郷エクアドルのサーフシーンと、彼女のバックグラウンドを垣間見ることができる。

パチャが育った頃と今のエクアドルでのサーフシーンはどう変化した?

初めてエクアドルでサーフィンをしたのは、バイーアの海岸沿いの町にある家族を訪ねた12歳の時。ボロボロになったボードを貸りて、ラインナップの中で私は唯一の女の子でした​​。海岸沿いに立っていた人々は、おそらくその時最年少だった私と弟が波に挑んでいるのを見て、大きな歓声をあげてくれました。

エクアドルには素晴らしい波がいくつもあって、いつも海にはサーファーがいましたが、ボードやワックスのようなギアを見つけるのは本当に大変でした。私の父は、キャンドルワックスが使えると私たちを納得させようとしてボード全体に塗ってみたのですが、立ち上がろうとするたびにツルツルに滑って横に転がっていました。

その5年後に現地に戻ったときは、サーフカルチャーが花開いているのがわかりました。バイーアとその近くの町には小さなサーフクラブができていて、サーフィンだけではなく、ビーチクリーンアップや森林再生の活動を支援していて、女の子たちも積極的にサーフィンに参加するよう促していました。

またWQSではエクアドルの伝説の女性サーファーであるドミニク・バローナにも会うことができたのですが、彼女もサーフィンの促進活動に情熱を傾けている人です。

エクアドルの次世代サーファーに望むことは?

私のいくつかの夢はすでにバイーアで実現しています。今年に戻ったときは、新しいクラブが子供たちにボードをシェイプしリペアすることを教えていて、地元の市長も誇らしげにサポートしているのを見て驚きました。ここのすべてのクラブとすべてのサーファーが、海と海岸を保護する必要性とそれがもたらす喜びを理解しているのです。

私の望みは、特にバイーアのように、いくつもの地震と貧困に直面し厳しい日常を送っているような場所で、サーフィンが生きることや未来への希望に繋がることなのです。

エクアドルへの旅行を特別なものにするためのヒントは?

もしエクアドルへ旅をするなら、ぜひ現地のコミュニティグループとつながる方法を調べてみてください。全国各地で素晴らしいボランティアプログラムも実施されていますし、エクアドルという国を学んでつながりを持つためにも、できるだけ長く滞在してみてください。もし可能なら、地元のクラブに譲れるような余分なサーフギアを持って行くと、とても感謝されるはずです。

あまり知られていないエクアドルの姿を1つだけ伝えるとしたら?

エクアドルは、地球上で最も生物の多様性があり、気候も文化的にも多様な国の1つです。ある日は海抜2000mの山で美しい地元の食べ物やアルパカ、雪を目にし、次の朝には暑いビーチで汗をかきながら魚介マリネを食べられるという、まったく異なる文化を体験できるのです。マングローブから、乾燥した熱帯林、雲霧林、アマゾンの熱帯雨林まで、ガラパゴス諸島の宝物でさえも小さなエクアドルという国の一部なのです。

そして、手つかずのビーチブレイクやポイントブレイクが発見できる、数千キロにも及ぶ海岸線があることもあまり知られていません。

パチャは環境保護活動を行っている両親、特に母親の影響が強く、共に幼い頃から世界中を旅し、日本にもたびたび訪れているが、地域社会への奉仕と環境保護はパチャにとって非常に重要なことで、呼吸と同じくらい自然な行動と価値観なのだ。

もしこの南米の西海岸へ訪れる際は、ギアを余分に持って行こう。年間を通してみると、エクアドルでのサーフィンに適したシーズンは、北うねりと南うねりの両方が期待でき、風も穏やかになる12〜5月のようだ。

(平野ハナ)

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