Joel .T at Hawaii photo by RIRyo 20代の頃のジョエル・チューダーすでにシングルフィンのスタビーでバレルをメイクしていた。 写真右はサーファーズジャーナルで製作された彼のDVD(自叙伝)。デビュー当時から彼はすでに伝説だった。

賢人の教え:ジョエル・チューダー


シリーズ「おいらはサーファーの味方」No. 23

「サーファーになるにはいい時代になった。どの国に行こうとも、どんなサーフボードに乗ろうともお構いなしなんだから。過去にはそんなことなかった」J.T


オルタナティブ系サーフマスターが若いサーファーへアドバイス

サーフィンを独自の解釈で啓蒙(けいもう)するジョエル・チューダー。ロングボードが流行ったときにはすでに彼はロングの頂点に君臨。パイプラインではシングルフィンのガンで、しかもノーリーシュでチャージし、誰よりも先駆けてレトロツインに乗り、オルタナティブの時代の到来を予言していた。
マリファナへの支持も解禁以前から公言し、若い世代へアルコールが及ぼす悪影響にも警鐘を鳴らしてきている。(彼は酒を飲まないわけではない)米サーファー誌が掲載した彼のインタビューは示唆に富み、あなたがどんなボードに乗ろうとも読んでおいて損はない。

先輩サーファーから学べることは多い。

先輩の言葉に耳を立て吸収するんだ。君だって老いていくってことを忘れちゃあいけない。20年もすれば立派なオヤジ。90歳のころのウッディ・ブラウン(サーフレジェンド)にマーラで会ったことを思い出す。サーフしようと思ったら彼がビーチにいたんだ。僕は彼のところに駆けていき「ウッディ、サーフしようぜ」って声をかけた。でも「私は見ているからいい」と答えた。そのときは彼の言葉の意味がわからなかったが、今は理解できる。彼はすでに体力的にサーフするのは無理だったんだ。でも彼はサーフィンを見て心で楽しんでいた。すでに数えきれないくらいほどサーフィンを彼は楽しんできた。いつか僕もサーフィンができなくなる日が来るんだ。彼を見て悟ったな。

君には身体が一つしかない。しかもそれには賞味期限がある。

ヨガをしようとフィットネスをしようと君の体は衰えていく。僕は40代だけど、まだ十分に若い。ナット・ヤングは47歳のときに僕と試合で戦って勝ったことがあったな。

バンズが主催するダクトテープインビテーショナルのポスター

自己宣伝は、かつては慎むものだったけど、いまはもうそんなことはない。

スポンサーの多くは、君の影響力によって従う人間が何人いるかってことを考える。理解はできるけど、僕はその考えには賛成しない。プロサーファー になろうって考えは、誰かからサーフィンで金をもらうってことだ。スポンサーは君が注目されるように願ってる。サーフィンは一般的なプロスポーツではないから、サーフィンに誰が金を出すかってことは僕のいつもの悩みどころであった。
プロフットボールの選手は金をもらっているけど、そのために試合やトレーニングをしている。だがサーファーは好きだからサーフィンをしている金のためにやっていない。

試合会場のビーチでサーファーとの交流より、インターネットの露出しか考えないのはすごく不自然だ。

僕にとっても自分のヒーローとの交流はすばらしい体験だった。もしそういう機会が無くなって、インターネットで映像会社が作った動画を見るだけというのはクールじゃないよね。コンテストの運営について僕がよく知っているというわけではないけど、サーフコンテストをもっとファンと触れ合える場にするほうが良いと思う。

サーフィンがメジャースポーツのように一般化し以前のようなコアな部分が薄められたとしても。サーフィンのクールさが消えることはない。

サーフィン中心のライフスタイルこそがこのスポーツのクールな要素で、それは変わらないし、消滅することはない。

サーファーになるにはいい時代になった。どの国に行こうとも、どんなサーフボードに乗ろうともお構いなしなんだから。過去にはそんなことなかった。

僕が若いころ、友人とレノックスでロングボードでサーフたらローカルがボードにパンチして出て行けって怒鳴ったよ。いまはもうそんなことはない。オルタナティブなボードに対する偏見は少なくなった。

「僕の次に続くのは誰だ?そういう機会を与えてもいいんじゃあないか?」なぜ僕がそう思うようになったか?

ナット・ヤングはこれまで僕を助けてくれた。それと同じように若い世代に僕もしなければと思うようになった。それでダクト・テープ(招待試合)を始めたのさ。これはロングボーダー達に良い恩恵になると思う。結局僕たちはサーフィンしかできないからね。

バンズが主催するダクトテープインビテーショナルのポスター

若い頃の失敗談や教訓

若い時にアルコールが最悪だってことに気づいたことだね。酒はいとも簡単に君の才能をダメにするし、廃人にすることもできる。
僕は多くの先輩サーファーたちが70年代や80年代のパーティーで狂っているのを目撃してきた。そのとき自分がどちらを進むべきか考えたんだ。毎晩バーで酒を楽しむか、それとも朝早く起きてサーフすることに夢中になるべきかってね。

マリファナは酒とはまた別の話だ。ネイティブ・アメリカンは長年、親睦としてパイプを回してきた。それは平和な行為だから問題はないと僕は考えたんだ。でもこれは誰にもあてはまるという訳ではない、マリファナでダメになったやつも多いからね。だが酒よりはましだ。

(原文は一部省略か、不明な文章は意訳しています。了承願います)

(李リョウ)

Reference:
WISDOM: JOEL TUDOR
LIFE LESSONS FROM THE MOST ICONIC LONGBOARDER OF THE MODERN ERA
https://www.surfer.com/features/wisdom-joel-tudor/?fbclid=IwAR3odY1fvbbGNee5MSYBuvd6LtJQmzv4W2hXHhdGpR0cq4r48Ue8l2IcFyEh

https://www.surfer.com
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