現地時間5月17日、オーストラリアレッグの最終戦並びにミッドシーズンカット前の最終イベントとなるCT第7戦『Western Australia Margaret River Pro』が開幕!
公式4-6ftレンジのメインブレイクでメンズ、ウィメンズ共にOpening Roundが終了した。
五十嵐カノアが最後に逆転

オーストラリアレッグでは、ベルズで2位、ゴールドコーストで3位。通常のCTランキングとは別に設けられた「GWM Aussie Treble」でカレントリーダーの座を手に入れている日本の五十嵐カノアはH3で二人のルーキー、アラン・クリーランド(MEX)、エドガー・グロッジア(BRA)と対戦。
このヒートは最初に7ポイント台を出したカノアとアランの一騎打ちとなり、6ポイント台のバックアップスコアを持っていたアランがトップを維持していたが、最後のセットでプライオリティの順に3人が波に乗り、2本のメジャーターンを決めたカノアがニード6.75のシチュエーションで6.83を出して逆転に成功した。

勝利者インタビューでは、「どうやって波を見極め、自分に必要なものだと分かったの?」とまず質問され、「波数が多かったので、とにかく全ての波に手を出して乗っていたんだ。頑張ってはいたけど、良いサーフィンができたのは、最後の数分だけだったね。良く分からないけど、面白いほどヒートの始まりの展開が本当に早かった。みんな序盤でスコアを出して、それから中盤にかけて沢山波が来たけど、たぶん角度が良くなかったから、最初のようにスコアは出なかったのさ。最後に入ってきたセットは角度が良くて、見た目も良かった。すべてが噛み合ったって感じだったね」と話したカノア。
「前の大会から勢いを持ち越すことについて話していたけど、それはあなたの戦略の一部として、ここマーガレット・リバーでの自信につながっている?」との問いには、「大会がいつどこで行われるかは自分ではどうにもできないことなので、自分としてはルーティンを守ることに集中している。特別なことをしているわけではないけれど、良いルーティンがあって、素晴らしいチームがそばにいてくれる。それをただ続けて、普通のことをする、それが一番大事だと思っているよ。レイデイはスイッチをオフにして、試合の日はオンにする。その間の時間もすべて含めて。そういう感じで、オーストラリアレッグは本当に楽しかったし、このあとは家に帰るのも楽しみだよ」と答えた。
最後に日本語で「日本人のファン、いつも応援ありがとうございます。今回のオーストラリアンレッグはすごい良い感じに良いリズムで良い結果を残しているので、このまま続けてリズムを変えないで今回もファイナルまで行って優勝できるように頑張ります」とメッセージを残していた。

フィリッペを倒したコナー・オレアリー

Opening RoundのH1では、日本のコナー・オレアリーがゴールドコーストを制したフィリッペ・トレド(BRA)、イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)と対戦。
ヒート前半はイーマイカラニがリードしていたが、唯一バックハンドとなるコナーが7.00を出してゲームをスタートさせると、フィリッペが難しいクローズセクションをメイク。8.00をスコアしてトップに立つ。後半、コナーは更に激しく攻めたターンで8.50を出して3位から一気にトップに躍り出て、更にバックアップを伸ばし、追い上げてきた二人をかわすことに成功した。
「今日は波が豊富で、久々にヒートで自分のサーフィンをしっかり出せた。今年は過去最高のサーフィンができていると感じてるんだ。ダレン・ハンドリーが作ってくれたサーフボードも最高。最近はちょっとしたミスが大きく響いてしまって結果が出てなかったけど、今日は序盤にミスしても”まだチャンスはある “って気持ちを保てたのが良かった。やっぱり掘れたセクションで思い切りターンできるのは気持ち良いね」

現在19位とカットラインの22位の少し上にいるコナー。
まだ微妙なラインで、ツアー残留をかけて1ヒート毎が重要な勝負になる。
パパになったばかりだけに、絶対に負けられない戦いだ。
その他、ミッドシーズンカットが心配な選手では、ジョアオ・チアンカ(BRA)、コール・ハウシュマンド(USA)、サミュエル・プーポ(BRA)、マシュー・マクギリヴレイ(RSA)、リアム・オブライエン(AUS)などが勝ち上がっている。
コールは16.43のハイエストヒートスコアを出すほど好調だった。
ちなみに2026年にはなくなるミッドシーズンカットだが、今年はメンズが36名から22名。
ウィメンズが18名から10名に絞られる。
ローカルのジャック・ロビンソンが3連覇に向けて発進

2022年、2024年(2023年は欠場)に優勝しているロボことジャック・ロビンソンは地元マーガレットリバーで温かい歓迎を受け、ルーキーのマルコ・ミニョ(FRA)、リプレイスメントのイアン・ジャンティ(HAW)を相手に序盤から安定したスコアを重ねてリードを奪い、ハイエストスコアの8.93をスコア。オープンフェイスでのビッグターンで大きなスプレーを上げていた。
「波が来るのは分かってたし、あとはそれを掴むだけだった。こういうスタートが切れたのはすごく良いね。最後の方でやっと掴めた波だったけど、地元に戻ってこれて、沢山のサポートを感じて、本当に最高だよ。子どもたちや観客が周りにいて、応援してくれてるのが見えて、そのエネルギーを全部吸収してる感じ。やっぱり戻ってこられたっていうのが嬉しいし、シンプルに波に乗って楽しむ、それだけだね」

Opening Roundで勝利したトップシードは5人のみ。
ロボ、カノアを始め、イタロ・フェレイラ(BRA)、ジェイク・マーシャル(USA)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)が勝ち上がった。
レオはグリフィンとクロスビーのコラピント兄弟に挟まれ、8.00を含むトータル13.07でトップ通過。
3位でElimination Round行きとなったクロスビーはランキング27位と追い込まれている。
2連覇を目指すガブリエラ・ブライアン

メンズの後に行われたウィメンズサイドは風の影響が大きく、ハイスコアを出した選手が少なかった。
そんな中、カレントリーダーであり、ディフェンディングチャンピオンでもあるガブリエラ・ブライアン(HAW)が最初のエクセレントとなる8.00をスコア。
ウィメンズのハイエストになる8.50を出したルーキーのヴァヒネ・フィエロ(FRA)と共にRound of 16行きを決めた。
「すごく気分が良いし、この場所が本当に大好きよ。ここに着いた瞬間、まるで新鮮な空気を吸ったみたいで、本当に自分の故郷のように感じたの。戻ってこれて本当に嬉しい。ゴールドコーストでは、自分が注目されているって感じで、それを受け入れようとしてたけど、私は基本的に目立たないほうが好きよ。でも、それは簡単じゃないから、今はそのことへの向き合い方を学んでる最中ね。ジャージの色はただの色だし、もちろん嬉しい。まあ、今は少しずつ慣れていってる感じかな」
ホームのハワイに似たパワフルなマーガレットリバーと相性が良いガブリエラは、2022年に2位となり、2024年にCT初優勝を果たした。同時にミッドシーズンカットを免れる結果となり、23歳になった今年はカレントリーダーとしてイエロージャージを着る成長ぶりを見せている。

その他、ローカルのブロンテ・マコーレーがケイトリン・シマーズ(USA)を抑えてトップ通過。
このヒートではレイキー・ピーターソン(USA)がElimination Round行きを強いられている。
ゴールドコーストで優勝したベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ゴールデンルーキーのエリン・ブルックス(CAN)などもElimination Roundに回った。
ネクストコールは現地時間5月18日の7時15分(日本時間の同日8時15分)
予報では明日はサイズダウン、明後日の月曜はオンショア、火曜には10ftクラスの南西ウネリが入る見込み。
「The Box」開催のポテンシャルもあるそうだ。
Western Australia Margaret River Pro Men’s Opening Round Results:
HEAT 1: Connor O’Leary (JPN) 15.80 DEF. Filipe Toledo (BRA) 15.10, Imaikalani deVault (HAW) 14.43
HEAT 2: Matthew McGillivray (RSA) 14.33 DEF. Ethan Ewing (AUS) 13.77, Ryan Callinan (AUS) 13.10
HEAT 3: Kanoa Igarashi (JPN) 14.26 DEF. Alan Cleland (MEX) 14.17, Edgard Groggia (BRA) 9.80
HEAT 4: Joao Chianca (BRA) 16.00 DEF. Jordy Smith (RSA) 12.87, Mikey McDonagh (AUS) 11.47
HEAT 5: Liam O’Brien (AUS) 15.33 DEF. Yago Dora (BRA) 12.73, Winter Vincent (AUS) 9.40
HEAT 6: Italo Ferreira (BRA) 14.10 DEF. George Pittar (AUS) 10.33, Jacob Willcox (AUS) 5.00
HEAT 7: Jack Robinson (AUS) 15.56 DEF. Marco Mignot (FRA) 12.36, Ian Gentil (HAW) 11.33
HEAT 8: Cole Houshmand (USA) 16.43 DEF. Samuel Pupo (BRA) 16.23, Barron Mamiya (HAW) 11.26
HEAT 9: Ian Gouveia (BRA) 13.23 DEF. Miguel Pupo (BRA) 13.13, Alejo Muniz (BRA) 11.44
HEAT 10: Leonardo Fioravanti (ITA) 13.07 DEF. Griffin Colapinto (USA) 11.80, Crosby Colapinto (USA) 9.63
HEAT 11: Joel Vaughan (AUS) 9.16 DEF. Rio Waida (INA) 8.33, Deivid Silva (BRA) 7.33
HEAT 12: Jake Marshall (USA) 14.90 DEF. Jackson Bunch (HAW) 13.53, Seth Moniz (HAW) 10.34
Western Australia Margaret River Pro Women’s Opening Round Results:
HEAT 1: Sawyer Lindblad (USA) 11.00 DEF. Molly Picklum (AUS) 10.20, Nadia Erostarbe (ESP) 7.90
HEAT 2: Bronte Macaulay (AUS) 13.13 DEF. Caitlin Simmers (USA) 12.33, Lakey Peterson (USA) 9.03
HEAT 3: Gabriela Bryan (HAW) 15.00 DEF. Vahine Fierro (FRA) 14.83, Willow Hardy (AUS) 8.66
HEAT 4: Luana Silva (BRA) 13.77 DEF. Isabella Nichols (AUS) 8.90, Sally Fitzgibbons (AUS) 8.67
HEAT 5: Tyler Wright (AUS) 11.37 DEF. Brisa Hennessy (CRC) 10.54, Erin Brooks (CAN) 8.00
HEAT 6: Caroline Marks (USA) 12.50 DEF. Bella Kenworthy (USA) 9.60, Bettylou Sakura Johnson (HAW) 8.34
Western Australia Margaret River Pro Men’s Elimination Round Matchups:
HEAT 1: Barron Mamiya (HAW) vs. Ryan Callinan (AUS) vs. Jacob Willcox (AUS)
HEAT 2: Seth Moniz (HAW) vs. Imaikalani deVault (HAW) vs. Winter Vincent (AUS)
HEAT 3: Alejo Muniz (BRA) vs. Ian Gentil (HAW) vs. Mikey McDonagh (AUS)
HEAT 4: Deivid Silva (BRA) vs. Crosby Colapinto (USA) vs. Edgard Groggia (BRA)
Western Australia Margaret River Pro Women’s Elimination Round Matchups:
HEAT 1: Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Sally Fitzgibbons (AUS) vs. Willow Hardy (AUS)
HEAT 2: Erin Brooks (CAN) vs. Lakey Peterson (USA) vs. Nadia Erostarbe (ESP)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)