(井上鷹) Photo: ISA/Jersson Barboza

日本代表暫定3位で最終日へ!『ISA World Longboard Championship』6日目

44か国、143名がエルサルバドルに集まって開催されている『ISA World Longboard Championship』も残り僅か。

現地時間4月30日、公式4-5ftレンジのエル・スンザルでメインラウンドはR4まで進み、R5を戦う男女6名が決定。
リパチャージラウンドはR4からR7まで進行し、R8を戦う男女4名が決定。

メインラウンドには田岡なつみ、井上鷹。
リパチャージラウンドには吉川広夏が残り、日本は国別で3位と今年もメダル獲得圏内にいる。

暫定トップのフィリピン

(ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

国別で暫定トップに立ったのはフィリピン。
2位のフランスとの差は僅か15ポイントだが、LT選手のロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル、14歳のマラ・ロペスがメインラウンドに残り、クリサント・ビリャヌエバがリパチャージに残っている。
デイジー・バルデスはリパチャージR7でアリス・レモーン、吉川広夏に抑えられて3位敗退。

フィリピンは2023年の同大会でロジェリオが3位に入り、初のメダルを獲得したばかり。
同年は国別でも日本を上回る4位とアジア最高位になっていた。
今年は最後まで日本と争い、金メダルの可能性も出てきた。

フィリピンの他。まだ3名残っているのは、フランス、日本のみ。
ブラジル、ハワイ、アメリカ、オーストラリアは2名が脱落。

最終日前のランキングはフィリピン、フランス、日本、ブラジル、ハワイ、アメリカ、オーストラリアの順。

井上鷹が2日連続でハイエストスコアを更新

(井上鷹)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

メインラウンドR4では、まずH1でフランスのローランド・ルフールが残り2分で7.83をスコアして3位が一気にトップに浮上。
ハワイのカイ・サラス、ジョン・マイケル・ヴァン・ホーエンシュタインとブラジルのベテラン、ジェフソン・シルヴァを抑えていた。

H2ではフィリピンのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルが安定したノーズライドでトータル15.63の圧勝。
同じ好調のフランスのエドゥアルド・デルペーロが2位でラウンドアップを決めた。

最終ヒートでは日本の井上鷹が9.17のエクセレントライドを含むトータル17.34でトップ通過。
17.34はイベントを通して3番目のスコアとなる。
2位通過はイギリスのベン・スキナー。

Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Pablo Jimenez

田岡なつみがこの日のハイエストスコアを出す

(田岡なつみ)
Photo: ISA/Jersson Barboza

ウィメンズのメインラウンドR4では、H3で日本の田岡なつみが8.33を含むトータル16.10とイベントを通して2番目のスコアを出して最も注目され、フィリピンのマラ・ロペスと共にR5進出を決めた。

「最初の波は本当にクリーンでグラッシーで夢のような波でした。あの波に乗れて嬉しかったし、8ポイント台を出せて良いスタートを切れました。2本目も良い波でした。この素晴らしいコンディションで競うことができて嬉しいです」

1段階上のレベルに到達する次のヒートに向けては、「ただ楽しみ、リラックスして臨みたいです」と笑顔で話していた。

(ペルーのマリア・フェルナンダ・レジェス)
Photo: ISA/Pablo Franco

その他、H1では2022年、2023年と2年連続で金メダルを獲得したフランスのアリス・レモーン、2015年のLTチャンピオン、WLCでは銀メダル、団体金メダル獲得経験があるアメリカのレイチェル・ティリー。
2023年サンティアゴ・パンアメリカン競技大会の金メダリスト、ペルーのマリア・フェルナンダ・レジェス、ブラジルのケイト・ブランディが争い、ブラジルのケイト以外は僅か0.56ポイント差のクロスゲームとなり、ペルーのマリア、アメリカのレイチェルがラウンドアップした。

「まるで決勝のようなヒートだった。アリスやレイチェルといったメダリストたちと戦えるなんて、本当に素晴らしい経験だった。ただ楽しんで、エルスンザルで良い波に乗ろうと思って臨んだの。それが勝ち上がれた理由だと思う。こんな素晴らしい場所で、大切な人たちと一緒に、心から愛することができる。神様に本当に感謝しているわ。これはもはや“仕事”とは呼べない。この競技を心から楽しんでいる」

H2ではオーストラリアのタリー・ホワイト、ハワイのソフィア・コーヘーンが最終日に残った。

(マリア・フェルナンダ・レジェス)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(ペルー代表)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

4ヒートを戦い抜いた吉川広夏

(吉川広夏)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

リパチャージラウンドという独特のフォーマットを使用しているISAイベント。
特にエルサルバドルはハードコンディションのため、トライアスロンのような持久戦となる。

この日はR4から始まったため、最後のR7まで勝ち上がった選手は20分4ヒートを戦い抜いたことになる。
ウィメンズは日本の吉川広夏を始め、フィリピンのデイジー・バルデス、アメリカのケイトリン・ミケルセン、カナダのリヴ・ストークスがR7まで進み、吉川広夏とアメリカのケイトリンだけがR8進出を決めた。

Photo: ISA/Jersson Barboza

R6のH2は波数が少なく、5.83を持ちながらもバックアップスコアが乗れず、カナダ、ブラジル、コスタリカ代表を相手に4位に追い込まれていた吉川広夏。
残り1分を切ってからノーズライドとターンでインサイドまで繋ぎ、4.77を出して一気に逆転してトップ通過を果たした。

「とても嬉しいです。最初は波に乗れませんでしたが、最後に良い波に乗れて良かったです。昨日ほどではないですが、波は良いです。興奮しています。午後はリラックスしてアイスバスに入りたいです。明日の朝サーフィンできるのが楽しみです」

なお、リパチャージラウンドのメンズサイドではオーストラリアのクリントン・ゲストが唯一R1から勝ち上がり、R8進出を決めている。

残すところメインラウンドはR5、R6。
リパチャージラウンドはR8、R9、R10。
この二つのラウンドの先にグランドファイナルが待っている。

コンテスト最終日の5月1日は朝7時(日本時間同日の22時)にメンズR5からスタート。
お昼頃には全てのスケジュールが終了予定。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(染谷たかし)

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