PHOTO: © WSL/Kenny Morris

『Wallex US Open of Surfing』&『Huntington Beach Longboard Classic』ハンティントンビーチのコンテストウィークが遂に始まる!

現地時間7月29日、カリフォルニアのハンティントンビーチを舞台とした真夏の祭典、『Wallex US Open of Surfing』&『Huntington Beach Longboard Classic』が開幕。

初日は公式3-5ftレンジのサイズ。風の影響が強まる中、両イベント共にメンズのオープニングラウンドが終了した。

井上鷹が強豪を倒す

Image: World Surf League(YouTube)

多くの日本人選手が参加しているこの真夏の祭典。
まずは吉報からお伝えすると『Huntington Beach Longboard Classic』のH7で井上鷹がカイマナ・タカヤマ(HAW)を抑えてトップ通過を果たした。

オーストラリアのカイ・エリス・フリントを交えたこのヒートはミドルスコアをまとめたカイマナが主導権を握り、井上鷹は3位で後半に突入。
ピアに向かって割れるレフトの波でハング5から10に繋げてインサイドまでメイクした波にこのヒートのハイスコア6.07が出て2位に浮上。更に次の波ではアプローチを変えてノーズから2回もキック5を決め、縦に当て込むライド。ユニークな鷹スタイルにジャッジは5.73をコール。
見事にトップに立ち、最後まで気を緩めず、プラオリティを持った状態で執拗なブロックを続けた。

(鷹スタイルのキック5、この後ハング5に戻り、もう一度キック5を決める)
Image: World Surf League(YouTube)

「今回、アジア予選では2位だったのでワールドツアーの出場権はとれませんでした。遠征費も考えて引退も考えたのですが、ワイルドカードをもらえてこの場になんとか来れました。出来る限りのサーフィンをして勝てたので良かったです。今までで一番ハードな年ですが、次戦のベルズとか凄い得意の場所もあります。しっかりと目標であるワールドチャンピオンを目指して得意技である自分のスタイルのノーズをしようと挑戦しました。みなさん応援ありがとうございます。今回、遠征費が足りなくてクラウドファンディングを始めています。ぜひ、そちらの方も含めて応援してください。次も僕のサーフィンで頑張るので、ぜひ引き続き応援お願い致します」

ワールドチャンピオン不在の開幕戦

(ベン・スキナー)PHOTO: © WSL/Tommy Pierucki

『Huntington Beach Longboard Classic』は昨年ワールドタイトルを獲得したハリソン・ローチ(AUS)が不在の中、カニエラ・スチュワート(HAW)、デクラン・ワイトン(AUS)、ベン・スキナー(GBR)などのトップ選手が1位通過を果たした一方、テイラー・ジェンセン(USA)が2022/2023年の北米ロングボードチャンピオンを評価されてイベントワイルドカードを得たリッチー・クレイヴィ(USA)に抑えられる場面もあった。

また、アジアリージョナルトップでフィリピン初のLT出場を決めたロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルは7.67とカニエラ、ベンも上回るハイエストスコアを出してこの日の最終ヒートを勝ち上がった。
それも対戦相手は強豪のトニー・シルヴァニ(USA)とケヴィン・スカヴァーナ(USA)の二人。
井上鷹とロジェリオのアジア勢がハンティントンビーチで注目された一日だった。

(カニエラ・スチュワート)
PHOTO: © WSL/Tommy Pierucki

なお、ウィメンズの田岡なつみはクロエ・カルモン(BRA)、リンジー・ステインリード(USA)とのカード。
翌日以降に行われる。

ちなみに『Huntington Beach Longboard Classic』ではヒート前にボードの重さを測る決まりがあり、ライブ中継でも紹介されていた。
LTの規定は15ポンド以上、9フィート以上(約6.8kg以上、約2.74m以上)になっている。

CSは日本勢が二人敗退

(ミカラ・ジョーンズの追悼パドルアウト)
PHOTO: © WSL/Pat Nolan

VANSからシンガポール拠点の国際決済スタートアップ、Wallexにメインスポンサーが変わったCS第4戦『US Open of Surfing』
オープニングラウンドで大原洋人、田中大貴が戦ったが、共に3位敗退で65位という結果に終わった。
次のRound of 64には五十嵐カノアがシード選手として登場する。

ウィメンズサイドには野中美波、松岡亜音、都築虹帆。シード選手として都筑有夢路が参加している。

若手とベテランが活躍した初日

(シオン・クロフォード)
PHOTO: © WSL/Pat Nolan
(シオン・クロフォード)
PHOTO: © WSL/Kenny Morris

オアフ島のノースショアをホームとして母親が日本人のシオン・クロフォードは大観衆の前でエアーショーを披露。14.10のトータルスコアでラウンドアップを決めた。

「最近の大会では、ヒートでリズムに乗れなかったし、自分のベストのサーフィンができなかった。でも、あのヒートはゆっくりとリズムをつかんできて良い感じだった。今後も海とのリズムを保ち、良い波をキャッチして流れるようなサーフィンをしたい」

(イアン・ゴーベイア)
PHOTO: © WSL/Pat Nolan

18歳のシオンのような若手が活躍した一方、元CT選手のベテラン、イアン・ゴーベイアが7.60のハイエストスコアを出して見事な逆転劇を見せた。

「とてもいい気分だよ。今年のCSではベストなヒートだったと思う。ブラジルのQSでは良い結果を残してきたけど、CSになるとダメだったんだ。それでもポジティブな気持ちを持ち続け、このイベントでベストを尽くしたい。まずは良いスタートが切れたね」

次のRound of 64にはカノアの他にもCTランキングトップのフィリッペ ・トレド(BRA)がクレジットされている。
共に2度も『US Open of Surfing』を制しており、勝ち方も知っている二人。
同ヒートに重なるチャンスがあればそれは今夏一番の面白い勝負になるだろう。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。