現地時間10月23日、ポルトガル西部・ペニシェ「Supertubos」を舞台としたCT第10戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』が終了。
今年は初日に過去最高レベルの素晴らしいコンディションで始まり、途中は不安定になり、小刻みな進行を余儀なくされたが、ファイナルデーは公式6-8ftレンジの「Supertubos」らしい波が姿を現し、何千人もの観客が熱狂するクライマックスとなった。

PHOTO:© WSL/Damien Poullenot

グリフィンがギャビーとの接戦を制してポルトガルで3度目の優勝

ファイナルデーはメンズSFとファイナル、ウィメンズのファイナルの4ヒートのみ。
最も良い時間帯を狙い、オンホールドを重ねて遅い時間帯に開始された。
メンズサイドはイタロ・フェレイラとのブラジリアン・グーフィーフッター対決を制したガブリエル・メディナとディフェンディングチャンピオンのヤゴ・ドラ(BRA)を倒したグリフィン・コラピント(USA)がファイナルに残った。
2017年に優勝したギャビー、2022年、2024年とイタロに並ぶ2度の優勝記録を持つグリフィンとのファイナルは序盤からエキサイティングなバレル勝負となり、7ポイント、8ポイントが基準になった。
「Supertubos」の波は観客との距離が近く、二人がバレルをメイクする度に大歓声が沸き起こる。
前半の時点で15.87と15.74という高いヒートスコアでギャビーがリード。グリフィンはニード7.71のシチュエーション。
更にギャビーはプライオリティを持つグリフィンが見送った波でバレルをメイク、抜けてからもダウンカーブ、スナップ、フィニッシュまで決めて8.57をスコア。グリフィンをニード8.60まで追い込む。
残り時間11分、グリフィンはレフトの波にグラブレールで包まれ、シャットダウンする前に姿を現す。このバレルに9.43がコールされ、逆転に成功した。
タイトル争いに絡んでいる二人の争いは、互いにプッシュしてレベルが上がっていく、時代の変化さえ感じさせるヒートだった。

PHOTO:© WSL/Damien Poullenot


「夢のようだよ。どれほど凄まじい波だったか。ガブリエルとのバトルは現実とは思えないほどだったね。攻防を繰り返しながら、アンディとケリーの時代や、あの世代を見ていた頃のことを思い出していたんだ。いつか自分もあんな風に戦えたらいいなって思っていたけれど、まさにそういうヒートだったと感じたよ。ポルトガルは自分の心の中で大きな場所を占めているんだ。エリセイラで優勝した弟に続けるなんて夢のようさ。クロスビーが優勝した時、気持ちを引き締めなければならないと実感したし、彼にインスパイアされた。今週は宇宙が僕の味方をしてくれていて、物事が自分の思い通りに進んだように感じられたけれど、舞台裏でのハードワークや、毎日行っているすべてのことのおかげでもある。ただただ感謝の気持ちで一杯だよ」
ポストシーズン進出を逃した弟のクロスビーは直前に開催されたCSで優勝して来年も兄弟でツアーを回れることが濃厚になった。
そして、兄のグリフィンは今シーズン初優勝でランキング3位に浮上。
ブラジリアンに囲まれたタイトル争いは、フィリピンとパイプラインの残り2戦。
ケリー・スレーター以来の北米サーファーによるワールドチャンピオン誕生という大きなプレッシャーの下で今年こそ成し遂げることができるのか?



4度目のタイトルに近づいたギャビー

今シーズンは怪我から復帰してエイドリアーノ・デ・スーザをコーチに背番号まで一新したギャビーはシーズン後半になってジワジワとランキングをあげてきた。
次のフィリピンは未知数だが、ポイントが1.5倍になるパイプラインまでタイトル争いが僅差で持越されれば4度目のタイトルの可能性も十分にある。
「Supertubos」ではバレルとエアーのコンビネーションで誰よりも高く飛び、ポルトガルのサーフィンファンを熱狂させていた。
「ここで競技するのはいつだって楽しいよ。本当に楽しい波だからね。グリフィンとのファイナル。彼は素晴らしいサーファーだし、彼の上達を見るのは最高だったよ。彼は激しく攻めるインスピレーションを与えてくれるし、ただ彼らを本気にさせるためにここにいるんだ!自分のパフォーマンスには満足している。パイプラインでチャンスがあることを願っているよ」

モリーが優勝でイエロージャージを獲得

ファイナルだけが残されていたウィメンズサイド。
昨年のワールドチャンピオン、モリー・ピックラム(AUS)と2024年のワールドチャンピオン、ケイトリン・シマーズ(USA)のカードもバレル勝負になった。
ケイティがバックハンドで見せたバレルでのストール、モリーのレイトドロップ、グラブレールでのプルイン。
近年のウィメンズの急激なレベル向上を改めて感じさせるヒートになった。
ファイナルは5.50に7.83を重ねたモリーがトータル13.33で勝利したが、ケイティのチャージも素晴らしく、その差はスコア以上に少なかった。
「お守りのおかげよ。このヒートのために夜更かしして観てくれた私の家族や友達みんな、本当にありがとう!みんなの前で勝つことができて最高に嬉しいわ。多くの人が私をサポートしてくれていて、その人たちに恩返しをできて良かった。今の私は世界の頂点にいる気分。ここで勝つのが私の夢だったの。ポルトガルはブラジル人のエナジーとパイプラインが混ざり合ったような場所で、大好きなものトップ2よ。ここで勝てて本当に感謝している。夢は本当に叶うのね。最高のタイミングで絶好調になれて本当に嬉しい。私たちはすごく努力しているけれど、誰もが勝てるわけじゃないから、今年こうやって勝ちを掴めて本当にテンションが上がっているわ」
今シーズン初優勝を決めたモリーは遂にカレントリーダーの座を手に入れ、次のフィリピンではイエロージャージを着る。
但し、2位以下は団子状態のため、タイトル防衛にはまだ大きな結果が必要になるだろう。



今シーズン初のファイナルを楽しんだケイティ

今シーズン不調のケイティはシーズン初のファイナル進出を親友のモリーとフリーサーフィンのように楽しんでいた。
抜けられるかどうかの際どいバレルにも容赦なく突っ込み、モリーの倍近い11本もの波に乗り、2本のバレルをメイクしていた。
「私をここへ連れてきてくれる仕事にすごく感謝している。ポルトガルが地球上で一番大好きな場所の一つだって言う時は、本当に心からそう思っているわ。私は本当にサーフィンが大好きで、今年はそこに喜びを見出そうとしているの。だから、毎ヒートの勝利の裏にはもっと沢山のものがあるように感じられるわ」
次のCT第11戦『Philippines Pro』は10月31日〜11月10日にフィリピンのクラウド9で開催される。
久々のアジアでのCT開催に注目しよう。


『MEO Rip Curl Pro Portugal』結果

1位 グリフィン・コラピント(USA)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 イタロ・フェレイラ(BRA)、ヤゴ・ドラ(BRA)
5位 モーガン・シビリック(AUS)、ギリェルメ・リベイロ(POR)、イーサン・ユーイング(AUS)、セス・モニーツ(HAW)

ウィメンズ
1位 モリー・ピックラム(AUS)
2位 ケイトリン・シマーズ(USA)
3位 ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)
5位 フランシスカ・ベセルコ(POR)、カリッサ・ムーア(HAW)、テレサ・ボンヴァロ(POR)、エリン・ブルックス(CAN)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/


MEO Rip Curl Pro Portugal Presented by Corona Cero Women’s Final Results:
1- Molly Picklum (AUS) 13.33
2- Caitlin Simmers (USA) 12.84
MEO Rip Curl Pro Portugal Presented by Corona Cero Men’s Final Results:
1- Griffin Colapinto (USA) 17.60
2- Gabriel Medina (BRA) 16.77
MEO Rip Curl Pro Portugal Presented by Corona Cero Men’s Semifinal Results:
HEAT 1: Gabriel Medina (BRA) 11.67 DEF. Italo Ferreira (BRA) 10.10
HEAT 2: Griffin Colapinto (USA) 14.33 DEF. Yago Dora (BRA) 8.83
(黒本人志)













