先日発表されたカリッサ・ムーアの復帰に続き、2シーズンもCTを休んでいたステファニー・ギルモアが2026年に復帰することが発表された。
カリッサ同様、ステファニーにもシーズン・ワイルドカードが付与される。
「2026年のWSLチャンピオンシップツアーのワイルドカードを受けとったわ。とても楽しみね。この数年、コンペを離れて色々な場所を旅したり、新しいことにチャレンジしたりしてきた。2026年にCTに戻り、若い才能たちとまた戦うのが楽しみ。再びこうしたチャレンジに自分がどう向き合うのか、それが一番ワクワクするわ。フルタイムの競技生活から離れると気持ちも切り替わってしまうけど、またあのエネルギーと緊張感を感じられるのが嬉しい。素晴らしいロケーションに戻れるのも本当に待ち遠しいわ」
クイーン・ステファニー

ケリー・スレーターがキングなら、ステファニーはクイーン。
17歳、2005年のゴールドコースト戦にワイルドカードとして出場していきなり優勝。
ホームのスナッパーロックスでの鮮烈なデビューを果たしたステフは2007年にCTに本格参戦した後も次々と記録を更新していった。
ルーキーでワールドタイトルを獲得し、2008、2009、2010、2012、2014、2018とタイトルを重ね、レイン・ビーチェリーに並ぶ7度のワールドタイトル記録を達成。
サーフィン史上初の東京五輪にはオーストラリア代表として出場。
そして、2022年には「WSL Finals」でNo.5シードから勝ち上がって優勝し、34歳で8度目のワールドタイトルを獲得してウィンメンズの記録を更新した。
ケリーに次ぐ歴代2位の記録

通算33勝(「WSL Finals」を入れると34勝)というCTイベント勝利数は、ケリーに次ぐ歴代2位。
ルーキーからツアーを支配したギルモアは、スムーズで伸びやか、かつパワフルなレールサーフィンで新たな基準を築いた。
チューブでのリラックスした完璧なスタイル、自然体でハッピーなバイブはフリーサーフィン界でも高く評価されている。
一方で、コンテストジャージを着た瞬間に研ぎ澄まされるメンタリティと粘り強さは、ニュースクール世代が台頭する今でも脅威と言える。
「ツアーでのこれまでのパフォーマンスを振り返ると、『あそこはもっと良くできたな』という場所がまだまだある。パイプラインやタヒチ、フィジーといったスリリングなブレイクで、素晴らしい波の中で競技できるのは私にとって大きな魅力。まだ良い結果を残せていない場所で成績を出すことも目標だわ。スケジュール全体が本当に楽しそう。すべてが待ち遠しい」
Rip Curlへの電撃移籍
ステファニーがCTの一時離脱を発表したのは、2024年のCT開幕戦直前。
その後、3月にROXYから古巣のRip Curlに電撃移籍を発表してブランドのルーツである「The Search」の撮影のためにトム・カレン、ミック・ファニング、メイソン・ホーなどと世界中の波を巡る旅に出た。
「The Search」の他、シグネチャーアパレルコレクションも制作。
また、オーストラリアのロックバンド「スパイダーベイト」と共演したり、元CT選手のメイシー・キャラハン、ニック・ヴァン・ダイク、ディミティ・ストイル、ローラ・エネヴァーなどとテキーラブランド「Cinca」を立ち上げるなど、多方面で活躍していた。
「この数年、本当に多くの素晴らしい機会に恵まれて、予想以上に忙しい毎日だった。でも、またツアーに戻って年間スケジュールがある生活に戻るのも心地良い思う。とても楽しかったけど、もう少しルーティンのある日常に戻るのが楽しみね。そこからどこへ向かうのか、楽しみよ」
ステフが復帰後最初に臨む『Rip Curl Pro Bells Beach』は、彼女が過去4度優勝している特別な大会。
5度目のベルを鳴らすことができるのか?
オフシーズンはまだ長いが、2026年の開幕が今から待ちきれない。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)






















