PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

「マーガレットリバーは男女ともにパワー組が連勝」 – F+

F+(エフプラス)

マーガレットリバーは男女ともにエルサルバドルと同じウイナー。ジョーディ・スミスとガブリエラ・ブライアンのパワー組だった。次のトラッスルズではジョーディがイエロージャージを着る。オーストラリアの3試合の総合成績、トリプルクラウン的なオージートレブルはジョーディ・スミスとイザベラ・ニコルス。
序盤あれだけリードしていたイタロも、さすがに3試合連続17位となるとイエロー死守は無理だな。ワイルドカードの落とし穴はでかくて深い。

(ジョーディ・スミス) PHOTO: © WSL/Cait Miers

ファイナルデーはリスタートも出るぐらい不安定なコンディションだったけど、待ったり、見切りをつけて動いたりの判断が絶妙だったジョーディ。その辺は経験がものをいうし、今シーズンのジョーディのサーフィンはパワーにキレがプラスされていて、ジョンジョンチック。攻めている場所も厳しい場所だし、自信をもって攻めている感じというか、板刺さっても刺さらない、みたいなミラクル続出。やっぱりね、自信って身体の動きも変えるのよね。人間の身体は脳が動かしているわけだから、ほんの一瞬でも脳が危ないとかヤバいとか感じてしまうと防御の体制になって、先に行く動きではなくて、防御態勢になる。あっ、て思ったときにはもうワイプアウトの体勢なぐらい脳の指令は瞬時に筋肉に伝わるようにできているわけ。ジョーディはヤバいとか1ミリも思わないで刺さったノーズを後ろ足でコントロールしてしまう。あの板は本当に合ってる感じだし、本人が無理してもついてくることを理解して乗っている感じというか、俗に言うハマってる状態だ。まぁ、個人的には一度ぐらいワールドタイトルとってもいいんじゃないかな、と思うサーファーなので、この調子で後半も頑張ってほしい……とはいえ、最後のファイナルファイブの落とし穴があるから気を付けてね。

(グリフィン・コラピント) PHOTO: © WSL/Cait Miers

2位はグリフィン・コラピント。弟のクロスビーのセミと同じく、狙った波を待ち続けて波が来ずにファイナル終了。クオーターではパーフェクトなフルローテーションで10点満点も出してガチな優勝候補だったんだけどね。

(ガブリエラ・ブライアン) PHOTO: © WSL/Cait Miers

女子はガブリエラ・ブライアン、ジョーディと同じく今シーズン2勝目。昨年に続きマーガ2連覇。
あの力ずくで引っ張り込んでくる感じの、スナップをフルレールカービングにしちゃうようなパワー? あれは今のところ他の女子にはないので、どちらかというとちょっとファットになったマーガの波を、レールでカーブしようとしてもっさーってなっちゃう感じのケイトリン・シマーズと一緒に見ちゃうと、体重勝ちというかパワー勝ちというか、やっぱスポーツは何でも動けるデブ…もとい、ぽっちゃり最強だなぁ、と思う。テクニック的にはケイトリンなんだろうけど今のジャッジはパワフルなキレ感重視だ。昔ケリーとドリアンが日本のお相撲さんがどれだけすごいかって話をしていたのを思い出した。あの身体をああいう風に機敏に動かせるって奇跡だって言ってたっけ。まぁ、言われてみればその通りで、動けるぽっちゃり、強いな。
体重が重いということはサーフィンでは大きな板に乗れるということで、それはターンの時によりたくさんスプレーを出せるということになるわけで、今のジャッジのように、ワオ! なインプレッションに採点の重きを置くと、それは重要な要素になるといえる。自信も持っているのでイケイケで、攻めている場所も厳しいところだし、ミスも少ないので、後半も要注意だ。

(ケイトリン・シマーズ) PHOTO: © WSL/Cait Miers

コンビネーションで負けたけど、ケイトリン・シマーズ。ベルズ、ゴールドコーストとらしくない感じだったけど、ここにきてきっちり帳尻合わせてきたのはさすがだ。
余談だけど、彼女のスピーチはオッキーと同じレベルの天然さで、笑える。
ベルズで覚醒した感じのルアナ・シルバ。買われているのは厳しいセクションへの攻めで、コンスタントに上位に食い込んでいる。追加したいのはガブリエラのパワーってところか。

ツアー後半は6月9日のトラッスルズから。パワー勝負というよりはテクニック勝負的な波だけど、コンディション次第では再び男女パワー組にもチャンスがあるし、イタロ、フィリッペ、ヤゴのブラジルトリオもこのまま黙ってはいないはず。

F+編集長つのだゆき

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